「仕事が自動化できたら楽なのに…」と考えることはありませんか?仕事の自動化を行うと、自分の作業を楽にできるだけでなく、企業として大きなメリットを受けられます。
この記事では、業務の自動化について詳しく紹介します。
- どんなメリットがあるのか
- 自動化できる業務
- 自動化の方法
- 自動化を行う際のステップ
自動化を進める際、ITコンサルティングに依頼を検討することもあるかと思います。「正直、ITコンサルティングを利用すると何が違うの?」というお話を最後に少しだけ解説します。
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業務の自動化とは
業務の自動化を具体的にいうと、「人が手作業で行っていた業務を、IT技術に任せること」という意味になります。業務を自動化することで、年間何万時間もの作業時間を削減できたり、人件費の削減ができたりと結果を出している企業や組織が存在しています。
業務の自動化によるメリット
- 人材不足の解消
- 人件費などのコスト削減
- 業務効率があがる
- 大量の情報を手作業よりも速く正確に処理することができる
- 入力間違いなど手作業で起こるミスが減り、修正作業の削減やクレーム防止が期待できる
- 残業も削減できて、従業員のワークライフバランスも向上する
自動化によるメリットは多くあります。大きなデメリットは特にありません。
とはいえ、「費用がかかるのでは?」「仕事を奪われてしまうのでは?」という懸念が生じると思います。こちらの懸念事項について解説していきます。
自動化には費用がかかるのでは?
業務を自動化するためにツール導入費用や維持費が発生するのは、やはり避けられません。特にツール導入費用が高額なのではないかと懸念する方もいらっしゃると思います。しかし、長い目で見ると、コストは格段に下がります。
例えば、数人の従業員で数日かけて終わらせている作業を自動化ツールに任せると、1人で数分で終わらせることができます。この作業が毎日行っている作業であれば、費用面だけでなく時間面でもコスト削減効果は絶大です。
残業削減もできるため、人件費だけでなく、従業員の負担も減らせます。
自動化したら仕事を奪われてしまうのでは?
単純作業を自動化ツールに任せることで、重要な仕事に注力できるようになります。その結果、より質の高い仕事ができ、会社全体の生産性の向上へ繋げることができます。
例えば、業務改善を行ってより働きやすい環境を整えたり、顧客対応の質を向上してリピーターを増やし売上アップに繋げたりなどです。
自動化によって生まれた時間をこのように活用することで、会社側にも従業員側にもメリットが増えると考えます。
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自動化できる業務は?
定型業務や手作業の業務は自動化しやすく、作業時間を大幅に削減することができます。
■ 自動化できる業務の一例
- 毎日決まったデータの入力
- 紙に書かれた情報の入力
- コピー&ペーストをひたすら続けるデータ加工作業
- 電卓を叩くなどの計算作業
- メールなどの配信作業
- 請求書などの宛名書き、封入れ
- 紙の資料のファイリング
自動化の方法
ここでは、どのようなツールや技術を活用すれば業務の自動化が実現可能かをご紹介します。
①市販されているツール
②RPA
③OCR
④AI
⑤マクロ
⑥システム開発
①市販されているツール
自動化したい業務にフィットする既製品ツールがあるならば、そちらを使った方が良いケースも多くあります。パッケージシステムやクラウドサービスなど、市販のツールは簡単かつ安価で導入することができます。使い方がわからないときのサポートも充実しています。
例えば労務管理には「smartHR」、経理業務には「楽々明細」など、市販のツールを活用することで業務を自動化することができます。
自動化したい業務にフィットする市販ツールが見つからない場合、これから紹介する②以降の技術を組み合わせて自動化をはかると良いでしょう。
②RPA
RPA(アールピーエー)は、「Robotic Process Automation」の略称です。
ロボットを活用して、定型的な業務を代行・代替する取り組みを指します。(ロボット…ここではPCやクラウド上で動くソフトウェアのこと。)
具体的には、人間がパソコンを扱うときの操作を模倣し、複数のシステム間で発生するやりとりをロボットが自動化・処理を行う技術です。
RPAは同じことを繰り返し行う作業が得意です。これを活かし、毎日行う事務作業をRPAに任せることができます。また、RPAを使うのにプログラミングは基本不要で、設定が直感的にできることも導入しやすいメリットです。
注意点として、人の手による定期的なメンテナンスやチェックは必要です。例えばRPAが参照している情報の変更をした場合、RPA側の情報を修正しないと、変更前の情報のまま処理を行ってしまいます。
また、RPAは設定された業務を設定した順番通りにしか実行できないため、毎回手順が変わったり、判断が必要となる作業は向いていません。
③OCR
OCR(オーシーアール)は、「Optical Character Recognition(Reader)」の略称です。
日本語では光学文字認識と呼ばれており、紙に書かれている文字をスキャナやカメラで読み取って、電子テキスト化する技術を指します。身近なところでも活用されていて、Googleドライブや新しいiPhoneのカメラ(iOS15以降を搭載したiPhoneXS以降の機種)でOCR技術に触れることができます。
画像や紙データの文字を電子テキスト化したいときは、自分で手入力しなくてはならないのがネックでした。OCR技術を活用することで、入力作業を大幅に削減することができます。
また、電子テキスト化をしておくことでキーワード検索が行えるため、資料を探す時間を大幅に短縮することができる利点もあります。資料を探すときに、それらしきファイルを1つずつ開いて見ていく……なんてことをせずに済みます。
④AI
自動化ツールといえばAIを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。AI(エーアイ)は「Artificial Intelligence」の略称で、日本語では人工知能と呼ばれます。
AIは人間のような知能を持ったコンピューターで、ルールや知識を機械自身が学習して判断することができます。
車の自動運転や医療画像診断など、AI技術はさまざまな分野で活用されています。音声アシスタント「アレクサ」「Siri」などが身近で使われているAIの一例です。AIは、今はまだ人間の代わりとまではいきませんが、私たちの生活の一部分を自動化し、便利にしてくれます。
RPAとの違いは「コンピューターが自分で判断できるか」です。AIに学習させることで、判断の精度を高めることができます。AIはRPAやOCRと組み合わせて活用することもあります。
⑤マクロ
マクロは、アプリケーションにおいて「複数の操作をまとめ、必要に応じて呼び出せる」機能を指します。Excelで利用されるマクロが有名です。Microsoft OfficeやAdobe製品、Googleのスプレッドシートやドキュメントなど、さまざまなアプリケーションで利用できます。
Excelを例に挙げると、「複数のブックやシートから必要なデータを抽出してグラフ化する」、「エクセル内のデータを抽出して請求書や表を作り、印刷する」などの操作を自動化することができ、入力作業にかかる時間を短縮することができます。
⑥システム開発
システム開発は、業務を効率化させるための仕組み(=業務システム)を作成して自動化を行います。
業務を自動化するだけではなく、業務全体の見える化や改めて業務をルール化しやすいところが利点です。近年はノーコード開発やローコード開発が注目されていますが、基本はプログラミング必須のため知識が必要です。
アクシアのような受託のシステム開発会社では、オーダーメイドで会社の業務に合わせたシステムを構築できることが強みです。
例えば開発実績の1つに、タレント事務所の業務システム開発があります。タレント事務所の業務が特殊なため、市販の販売管理システム・請求管理システムが業務にマッチせず、手作業の業務が多いことが問題になっていました。業務全体を見える化し、自動化できる部分をシステム化することで、作業量を最大4割削減することができました。
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自動化を行う際のステップ
自動化しやすい業務とツールがわかったところで、自動化ツールを導入する際のステップをご紹介します。
- 仕事の見える化
- 仕事をなくす
- 仕事の自動化
- 自動化による効果を数値化
自動化が完了した後は、「仕事の標準化」まで行っておくと今後の業務改善がグッと楽になります。
1.仕事の見える化
まずは、現在行っている業務内容を効率的に見える化していきます。
具体的に業務で何を行っているか、業務で取り扱われている情報は何か、時間はどのぐらいかかっているか、などを把握しましょう。
- 日々の情報共有をする(他の人からも見えるところでやりとりをする)
- 業務の流れを見える化する(フローチャート作成など)
- 業務の内容を見える化する(マニュアル作成など)
- タイムマネジメントを見える化する(業務にかかる時間はどれくらいかかっているか)
- マニュアルと実際の業務の内容が合っているか確認する
見える化を行う際、使用するツールはExcelやスプレッドシートなど、なんでも構いません。業務の見える化に特化したITツール(backlogなど)を活用すると、業務内容や手順を簡単に記録でき便利です。
2.仕事をなくす
現状の業務をすべて洗い出したら、それぞれの業務が本当に必要か再確認していきましょう。
例えば定例ミーティングのような慣例的に行っている業務も、改めて見直すと行わずとも支障がないと気づくことがあります。やらなくても支障のない仕事は無くして、業務の無駄を削減しましょう。
3.仕事の自動化
仕事を見える化して仕事をなくしたあとは、必要な業務が残っています。見える化した情報をもとに、時間がかかっている業務やパターン化されている定型業務を探してゆきます。
自動化ができそうな業務を見つけたら、自動化に適したツールを選定します。全工程の自動化が難しい場合は、自動化の難易度を下げることもポイントです。
たとえば1つの業務の中に、定型業務と人の判断が必要な業務が混在していることがあります。その場合は、定型業務は自動化し、人の判断が必要な業務は手順書に従って実施する、と切り分けます。無理に全工程自動化しようとせずに部分的に自動化するだけでも、業務全体を効率化することができます。
4.自動化による効果を数値化
自動化ツールを導入したあとは効果測定を行います。
業務が楽になった、業務の効率が上がった、などの主観的な効果は、効果の有無や程度が伝わりづらいです。効果は数値で示すようにすると伝わりやすくなります。
効果を数値化して示すことで、関係者の理解や協力を得てスムーズに自動化計画を進めることができます。
自動化のあとは:仕事の標準化
自動化をしたあとも、どうしても自動化できない業務が残ることもあります。その業務を分解して誰でもできる部分を見つけ出し、複数人で作業できるようにすると仕事がさらに進みやすくなります。
仕事が誰にでも同じようにできる状態にすることを、「標準化」といいます。
- 業務を分解する
- マニュアルを作る
- トレーニングを行い、その業務ができる人を増やす
上記のような対応を行い、複数人で仕事ができるようにしていきます。マニュアルを用意することで他の人にも業務ができるようになるだけではなく、個人個人がこなす仕事量・質がばらつくのを抑えることができます。
仕事を分解して標準化をすることで、特定の人のスケジュールが空かないと進行できなかったタスクの業務負荷が分散され、全体としての生産性が向上することがあります。
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自動化に取り組む際の注意点
自動化による恩恵は計り知れませんが、自動化すればすべてがうまくいくというわけではありません。検討に時間を多く裂いたが、結局は自動化を実現できなかった……という失敗事例もあります。ここでは自動化に取り組む際に気をつけたいポイントを紹介します。
安易に独自開発を行わない
業務の自動化は、一部の業務だけ実施して終わりではありません。自動化の適用範囲を広げ、全社的な業務改革につなげていくことを視野に入れて取り組むべきです。
そのため業務を自動化する場合は、業務変更への対応やセキュリティ対策まで含めて考える必要があります。安易な独自開発をして、誰もメンテナンスできなくなる・全社的な規模の自動化に耐えられない……などの事態にならないよう、留意することが重要です。
実績豊富な市販のツールを活用するという選択肢も含め、業務の自動化を全社に展開していくことを念頭において取り組みましょう。
自動化すべき業務の検討に時間をかけすぎない
検討に時間をかけすぎると、自動化するためにはかなりの負担が増えることになります。その結果、関係者の協力を得られにくくなり、自動化計画が頓挫してしまうこともありえます。
人の判断が必要な業務を自動化しようとすると難易度が上がってしまうため、定型業務のみ部分的に自動化するなど、適切な判断を行いましょう。
効果測定を効率化することを検討する
業務を自動化した後も、継続的に効果測定を行い改善していく必要があります。
効果測定のための情報収集や分析なども業務の1つになるため、これらが負担にならないための工夫が不可欠です。
効果測定を効率化するツールを活用して、業務自動化の効果を常に把握できるようにしておける状態にするのが望ましいです。
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ITコンサルティングの効果
ここまで、業務の自動化のメリットや方法、手順について解説してきました。
業務の自動化は、ITに詳しい人物が関与したほうが効率的・効果的に進みます。社内にIT部門がある、人員や時間などのリソースが十分であれば、社内でどんどん自動化を進めていけることと思います。
しかし、自動化する業務の選定も不慣れな方が行うと時間がかかりすぎてしまうこともあります。社内にITに詳しい担当者がいない場合、外部のITコンサルティングを受けることも選択肢の一つです。
ITコンサルティングを受けるメリットは、以下のようなものがあります。
- 現状の業務内容やボリューム、無駄な部分を第三者の視点から可視化できる
- これまでのコンサルティングによる成功例や知見に基づいて、どの業務を自動化できるか、どの業務を減らせるかアドバイスをもらえる
- ITのプロによるサポートが受けられる
- 計画を立て、進捗状況を共有しながら進めていくため頓挫しにくい
「自動化するために、まずは業務の見える化をしましょう」と一言だけ聞くと簡単そうに思えますが、実際に行うと情報収集や分析などかなりの作業ボリュームがあります。通常業務と並行して作業を進めていかなくてはならないため、ここで自動化をあきらめてしまう企業も少なくありません。
また、自動化ツールの選定時に「社内に適したツールがどれかわからない」「ツールの違いがわからず、どれも同じに見える」と悩まれる声も聞こえてきます。
このような作業をITコンサルタントに依頼することで、社内の負担を軽くできます。第三者の視点が入ることで、社内では気付けなかった部分まで改善点を見つけ出せるメリットもあります。業務の自動化を考えている企業様は、ITコンサルティングの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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業務の自動化・関連記事リンク集
業務の自動化について、他にもいくつか関連した記事を書いています。業務の自動化を進める際のヒントになりましたら幸いです。