ここ数年、エンジニアという職種の人気がすごいですね。IT業界に長く携わる人間としては非常に嬉しい限りです。エンジニアというと「きもーい」とか言われていた時代もかつてあったことを考えると、今はエンジニアはかっこいいとさえ言われるようになって、時代は大きく変わったのだなと実感してます。
しかし一部ではちょっとおかしな駆け出しエンジニアも現れ出しているようで、「未経験者は採用しない」「スクール出身者は採用しない」みたいな話もちらほら聞くようになりました。その点は非常に危惧しております。
実際に私から見ても正直「ん?君はどうしてこんな残念な勘違い思考になっちゃったのかな?」と感じてしまう駆け出しエンジニアの方をSNSで度々見かけるようになりました。まあこれは私の考え方なのでそういうこと思っても本人には直接言いません。だから私の考えとしてブログで書きます。
私だったらこんなエンジニアと一緒に働きたい!と思える人とは、どんな人なのか。また、エンジニア採用している企業は多分こういうところを見ているよ!ということをこの記事で書いてみます。
スキルアップの姿勢は大前提
エンジニアなのでスキルは重要です。エンジニア採用している企業は応募者のスキルアップに対する姿勢についてはものすごく注視しています。もはや業務未経験であっても、何もスキルアップに取り組んでいない人が簡単にエンジニアとして就職できるような時代ではなくなりました。
SNSとかで「こいつやべーこと言ってるな・・・」と思うような主張をしている人であっても、スキルアップは重要という点においては、異論を唱えるような人はほとんどいないと思います。
ちなみに私の場合は現時点での経験・スキルも大事だとは思っていますが、それよりも「スキルアップに対する姿勢」の方を重視します。そんなにスキルアップを頑張らない人であっても、経験を積んでいけば多少はスキルアップしていくことはできます。重要なのはその成長曲線であって、緩やかに低空飛行を続ける人よりも、今のスキルは低くても急カーブを描いて成長していく人の方を私は重視します。そのために見なければならないものは「現状のスキル」ではなく「スキルアップに対する姿勢」なのです。
スキルアップの姿勢を客観的に示すためには、言葉だけでやる気をアピールしても無意味です。やり方がわからないという人は私が書いた、プログラマーになりたいと思った人がやるべき7つのことの記事も読んでいただきぜひ参考にしていただければと思います。
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エンジニアである前に社会人である
エンジニアだからスキルが重要なのは当たり前です。ここに異論を唱える人はほとんどいないはずですが、スキルさえあればそれで良いわけではありません。ここの部分を見落とした主張をしている人はSNSに結構たくさんいるようですが、採用する側の企業はスキル以外の部分も当然のごとく見るわけなので、高いスキルを習得することだけしか考えていない人は当然不利益を被ることになります。
当たり前ですが企業は、採用して一緒に働くことになるかもしれない応募者が「どんな人間であるのか」を見ます。これはスキルとは異なる人間性や社会人としての常識といった部分になります。
なぜこうした部分が重要なのか?エンジニアなんだからスキルが高ければ良いのでは?と考える人は三流のビジネスマンです。
仕事というものは、高い技術力さえあればうまく進むようなものではありません。技術力も重要ですが、それ以前に周りの人達と一緒にチームとしての成果を高めていくための社会性も必要になります。これは当たり前のことなのですが、こんな基本的なことさえも無視した主張がSNSでは散見されます。
技術が好き。それは大いに結構。だけど組織の状況というものを完全に無視して「技術とはこういうものだと思います」「これは自分はやりたくないです」と自分のことしか考えられないような人はビジネスマンとしては三流と言わざるを得ません。エンジニアである前にビジネスマンとして失格なので、当然企業からは嫌われます。
こうして企業から嫌われてしまうこと、業界の人達から「この人とは一緒に仕事したくない」と思われてしまうことが、その人のキャリアにとってプラスになるようなことは決してありませんよね。
他にも、普通に挨拶をする、必要なコミュニケーションを行える、約束を守ることができる、自分だけでなく周囲の人のことも考えられるなど、周りの人達と一緒にうまく進めていくことができないような人は、たとえ技術力が高くてもビジネスをうまく進めていくことは困難です。
別に高度なコミュニケーション能力を求めているわけではありません。最低限周りの人たちに敬意を払って仕事をすすめることができるかどうかが一番重要なことです。
お互いに敬意を払うことの重要性が理解できている人であれば、誰かから搾取するような形で利用してまで自分がのし上がろうとするようなやり方がおかしいと気づくはずですが、残念ながらそういうことを平気で主張する人も存在することで「駆け出しエンジニアは採用したくない」となってしまう企業も現れてきてしまっているのが現状です。
これを恋愛で例えてみますと、スペック(スキル)だけ高い異性を求めて、人間性は全く気にしないみたいな状態ですね。これをどのように捉えるかはあなた次第ですが、控えめに言ってくずだよなと私は思ってしまうわけです。
カルチャーフィットするかどうか
スキルアップも頑張っている、人間性や社会性にも問題ないとなった人でも、それだけで採用を突破できるかというと、これだけだとまだ難しいです。あまり人気のない企業であればここまでの条件でも就職できるかもしれませんが、人気のある企業であればあるほど、カルチャーフィットしているかどうかを重視します。
カルチャーフィットとは、その企業の考え方、文化、価値観とマッチしているかどうかです。もう少しわかりやすくシンプルに表現を変えてみると、その会社のことが好きかどうかということです。
就職活動していてどこかの会社に応募する人には事実として知っておいてもらいたいのですが、人気のある会社で応募者がたくさん集まるような会社では「その会社のことが好きで好きでしょうがない人」が一定数応募してきます。
そういう人たちはその会社の情報を調べ尽くしてきます。その会社のことが好きだから当たり前にその会社の情報収集を行うわけです。
で、ここからが一番重要なところなのですが、あなたが応募して内定を獲得するために闘うことになる競合とは、上で述べたような「その会社のことが好きで好きでしょうがない人」も多数含まれているということです。こういう人たちと闘わなければならないわけです。
企業としてもこういうカルチャーフィットする人を採用すると、他の人と比べた時に自主性、積極性、行動力、成長の速度が全く異なり、尋常ではない成果をあげてくれることを理解しています。そして何よりもカルチャーフィットする人と一緒に働くことは楽しいのです。
それなのに応募する会社のことをろくに調べもせずに応募してしまう人に言いたいのですが、そんなやり方でその会社のことが好きで好きでしょうがない人に勝てると思いますか?
SNSだと時々見かけますが「志望動機を聞いてくる会社はブラックだ」みたいな意味不明なことを言っている場合ではないと思いますよ。
また先程のようにカルチャーフィットについて恋愛で例えてみますと、カルチャーフィットしてない状態というのはこんな感じです。スペック的にも十分、人間性にも全く問題ない、でもその人のことを別に好きなわけではない。ww
スペックも人間性も十分なわけですから、相手のことが好きでなくても大人のお付き合いはできるかもしれません。でもスペックも人間性も同じ条件で、自分のことを好きで好きでしょうがない人が現れたとしたらあなたならどうしますか?お付き合いをした時にどちらの方がより有意義な時間を過ごせると思いますか?
カルチャーフィットと聞くとよくわからなくて重要性をあまり感じられないかもしれませんが、採用現場においても実はこれと同じような状況が繰り広げられているわけです。
まとめ
エンジニアになりたいと考えてくれる人たちが増えることはこの業界の人間として私も非常に嬉しく感じております。
しかしエンジニアだからといって高いスキルさえ身につければそれで良いわけではなく、スキルと同じように社会人として、ビジネスマンとして大切なこともあるはずです。これがないと高いスキルを習得したところで「仕事」はうまく進めていくことなどできないからです。自分が得するためには「自分勝手で相手のことなど一切考えない」みたいな主張を信じてしまっている人は、長い目で見た時に何が大切になるのか、ご自分の頭でぜひ考え直していただきたいです。
そしてカルチャーフィット。言い方は価値観でもビジョンへの共感でも何でも良いです。大事なのはその企業のことが本当に好きであるかどうか。エンジニアと企業の双方のためにも、心の底から好きだと思える会社に出会えることを願っております。そのためにはまず、興味を持った企業研究をして十分に情報収集されることを強くおすすめいたします。
最近話題になっているWantedlyの乱れ打ちとかやめてくださいね。本当に迷惑ですから。
それでは皆様、良いクリスマスを!