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DXについて調べると必ず出てくる言葉「レガシーシステム」。レガシーシステムをそのまま使い続けるとDX推進を妨げ、深刻な経済損失へとつながりかねないと経済産業省は指摘しています。

この記事では、レガシーシステムの何が問題なのか、問題の解決策について詳しく解説します。この記事で得られる情報は以下の通りです。

  • レガシーシステムとはどのようなものなのか
  • レガシーシステムを使い続けることによる問題点
  • レガシーシステムから脱却する方法
  • レガシーシステムから脱却する際に心がけたい3つのポイント

この記事がお役に立ちましたら幸いです。

システム開発や保守・運用でお困りの方はこちらからお問い合わせください。

レガシーシステムとは?

レガシーシステムとは、過去の技術や仕組みで構築されているシステムのことを指すことが一般的です。導入から長い年月が経過し、新しいIT技術に対応できなくなった古いシステムのことをいいます。

特に、企業の機関システムのベースとなっていたメインフレーム(汎用コンピューター)や、それを小型化したオフコン(オフィスコンピューター)と呼ばれるコンピューターを使ったシステムをレガシーシステムと呼びます。

メインフレームやオフコンは汎用系システムとも呼ばれ、1970〜1990年代に主に使用されていたシステムです。1990年代後半〜2000年代に入ると、多くの企業がオープン系と呼ばれるシステムに移行しました。

この時期に開発されたオープン系システムも、最新の技術に対応することが難しいことから、レガシーシステムと呼ばれることがあります。(汎用系、オープン系についてはこちらの記事で解説しています)

レガシーシステムには明確な定義は無く、立場に応じた相対的な呼称として使用されています。

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レガシーシステムの問題点

経済産業省では、2018年に「2025年の崖」問題を提唱したレポートを発表しました。「もしもこのままDXが進まなかった場合(レガシーシステムを活用し続けた場合)、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

特に多くの企業ではレガシーシステムが使われており、それがDX推進を妨げていると解説しています。この項では、レガシーシステムを使い続けているとどのような問題が起きるのかをまとめました。

人材不足

メインフレームやオフコンは、COBOLなどの汎用コンピューター向けのプログラミング言語を用いて構築されています。現在、COBOLを扱える技術者は高齢化や退職によってとても少なくなっています。

また、IT技術には流行があります。現代のシステム構築ではJavaやPHP、Pythonなどのプログラミング言語が多く利用されています。これらを扱える技術者は多くいるため、採用に困りません。これからエンジニアを目指す方も、まずは流行の言語から覚えていくことがほとんどです。

しかし、COBOLなどのレガシーな言語はJavaやPHPなどに比べて需要がとても少ないため、新しく習得しようとする技術者がほとんどいません。

精通している技術者が減少しており、かつ、新しくCOBOLを扱える技術者も増えないため、深刻な人材不足に陥っています。

コストが高い

 レガシーシステムは古い機器や部品を使っているため、メンテナンス時の部品調達に苦労します。扱える人材やベンダーが少ないため、費用も高くつきます。

また、レガシーシステムは長年にわたって機能追加やシステム改修を行っているため、システムの構造が肥大化・複雑化しています。肥大化・複雑化したシステムの保守・運用には多大なコストがかかります。

このように、レガシーシステムの維持管理には多大なコストが必要です。そして、かけたコストは現状を維持するためだけに使われます。そのため、新しい技術への投資に回せず、企業の成長を妨げてしまうという問題も発生します。

システムのブラックボックス化

システムを構築した者や仕様を知る者が退職してしまい、システムの仕様が誰にもわからない状態になっていることがほとんどです。

システムをいじるとどこに影響が出るかわからない状態になっているため、下手にいじれない、機能の追加・変更が簡単にできないという問題が発生します。

システムが故障した場合には誰にも解決できない……ということも起こりかねません。

業務効率の低下

起動や動作が遅く業務に支障が出る、ブラックボックス化により業務の属人化を引き起こすなど、社員の働き方にも影響があります。

特に注目されているものが「データのサイロ化」です。部署ごとにデータが独立していたり、最近のシステムとデータ形式が合わずデータ連携が行えなかったりと、データを社内全体で横断的に使えない事態が発生しています。

これにより、他の部署や他のシステムと共有する際には工程が増えるため、業務効率が低下してしまいます。また、データが社内システムの色々なところに散らばっている状態のため、情報を探し出すのにもひと苦労します。

セキュリティリスクの増加

長年システムを使っていると、あるタイミングでサポートが打ち切られたり、アップデートが提供されなくなったりします。

古いバージョンのままでシステムを利用していると、セキュリティホールを放置することになってしまいます。そのセキュリティホールを突かれてしまい、深刻な問題が発生することがあります。

例えば2017年に、Webアプリケーションを作るためのフレームワーク「Apache Struts 2」に深刻な脆弱性が発見されました。この発見されたセキュリティホールを突かれてしまい、情報漏えいが相次ぐ事件がありました。過去にも同様の事件があり、総務省からも注意喚起のメッセージが出されています。

セキュリティホールを修正した最新バージョンにアップデートせず、古いシステムをずっとそのまま使っていくと、このようなセキュリティ上の問題が発生することがあります。

プログラミング言語はバージョンアップが停止することはなかなかありませんが、あまりに古いフレームワークを利用しているとメンテナンスが停止され、バージョンアップできなくなることがあります。

セキュリティホールがそのまま放置されていないもの、定期的にメンテナンスされているものの利用を心がけたいところです。

ビジネスの柔軟性の低下

レガシーシステムは新しい技術を使用したシステムとの連携・統合が難しいため、臨機応変にシステムを活用できません。

柔軟にビジネスモデルを変革できるシステムの体制を整えていかないと、時代の変化についてゆけず、会社が立ちゆかなくなってしまう可能性があります。

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レガシーシステムから脱却する方法

レガシーシステムを使い続けると、多くの問題点があることを説明してきました。問題を解消するためには、古いシステムを刷新し、レガシーシステムからの脱却をはかる必要があります。

それでは、レガシーシステムからはどのように脱却すればよいでしょうか。「モダナイゼーション」「マイグレーション」「クラウド活用」の3つが鍵となります。

①システムをどのように刷新するか決める(モダナイゼーション)
②新しいシステムに合わせた形で古いシステムのデータを移す(マイグレーション)
③クラウドをうまく活用し、市場やビジネスモデルの変化に柔軟に対応できるシステムを構築する(クラウド活用・DXの推進)

システムをどのように刷新するか決める(モダナイゼーション)

モダナイゼーションは「近代化」という意味を持ちます。自社が保有するデータやプログラムを活用しつつ、既存システムを刷新することを指します。

システムをどのように刷新するかを決定しましょう。モダナイゼーションの主な手法は「リプレイス」「リライト」「リホスト」の3つです。

リプレイス

老朽化したシステムを、同等の機能を備えた新しいシステムに置き換える手法です。業務の現状を見直してシステムの要件を再定義するため、現在の業務の流れにそぐう新システムを構築することができます。

業務を見直した上で1からシステムをつくるため、移行には手間と時間がかかります。しかし、レガシーな構造を解消し、業務改革を行うことには一番効果がある手法です。

リライト

古いプログラム言語で作成されたプログラムを新しいプログラム言語に書き直す手法です。例えば、COBOLで書かれたコードをJavaに書き換えるなどの作業を通じてシステムの刷新を行います。

リプレイスよりもコストは抑えられ、新しい言語を利用するためセキュリティ強化につながるというメリットがあります。

しかし、既存システムと同じように動くソフトウェアを再構築する方法のため、レガシーな構造は解消しきれません。また、言語を書き直すのに手間と時間がかかります。

リホスト

古くなった機材やOSなどの基盤部分をクラウドなどの新しいものに置き換え、ソフトやデータにはほとんど手を加えずに移行する手法です。

ハードウェアのみを移行するため、短期間でコストを抑えて実行できます。しかし、刷新範囲が狭いためレガシーな構造を解消するには一番効果が低い手法です。

新しいシステムに合わせた形で古いシステムのデータを移す(マイグレーション)

マイグレーションは「移動」「移転」という意味を持ちます。システムやデータを、別の環境や新しい環境に移行することを指します。

ここでは、①でどのようにシステムを刷新するか決めた後のデータ移行について解説します。データ移行は以下の4ステップで行います。

  1. 既存のシステムを見える化・分析し、移行したいデータはどれなのか、そのデータは安全に抽出できるか調査する。
  2. 新しいシステムの構築を行う。抽出したデータを新しいシステムの形式に合うように変換·成形を行う。
  3. 新しいシステムに移行する際に問題が発生しないか、事前にテスト運用やリハーサルを行う。
  4. 本番運用をスタートする。

 使わないデータも一緒に移行してしまっては、システム刷新の意味がありません。まず最初に見える化を行い、必要なデータ・不要なデータを見極めることが重要です。

データの抽出に成功しても、破損や不足、重複がある可能性があります。データ形式も異なるかもしれません。移行する前に不完全なデータ・重複データを取り除きつつ変換・成形を行い、新しいシステムがより使いやすくなるように準備しておきましょう。

この4ステップでマイグレーションを行うことで、極力リスクを抑えながら円滑に移行することができます。データ移行について、詳しくはこちらの記事で解説しています。興味がありましたらぜひご覧ください。

③クラウド活用

よほどの理由がない限りは、オンプレミスではなくクラウドへの移行が望ましいです。

  • ハードウェアの管理から解放される
  • コスト削減
  • 他の部署やシステムとデータ連携がしやすくなる
  • 浮いた時間や人材を活用し、最新技術を取り入れられる

クラウドを活用することにより、上記のようなメリットがあります。レガシーシステムの問題点をすべて解消できることが大きなポイントです。

柔軟かつ機動性の高いシステムを構築できるため、レガシーシステムからの脱却成功を後押ししてくれることでしょう。市場やビジネスモデルの変化にも柔軟かつ迅速に対応できるようになるため、DXの推進にもつながっていきます。

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レガシーシステムから脱却する際に心がけたい3つのポイント

ここでは、システムを刷新する際に心がけたいポイント、刷新後に再びレガシーシステムに戻らないように気をつけたいポイントを3つ解説します。

  1. データ移行が重要
  2. 刷新後のシステムは、DX推進を見据えたシステム設計にする
  3. 定期的なアップデートを忘れない

データ移行が重要

システムを刷新するためにもっとも重要なことは、既に存在するデータを保護し、活用することです。マイグレーションの際に必要なデータと不要なデータを明確に分け、必要なデータのみを移行するようにしましょう。

DX推進を見据えたシステム設計

古いシステムから引き継いだデータを有効活用できるように、刷新するシステムはDX推進を見据えた設計になっていることが望ましいです。ここでは経済産業省が公開しているDX推進ガイドラインに基づき、新しいシステムはどのような設計が望ましいかチェックポイントを紹介します。

  • 自社の現状、強みと弱みを分析した上で、迅速にビジネスモデルを変革できる領域を定め、それに適したシステムを構築できるか?
  • 部署ごとにバラバラではなく、全社横断的にデータ活用ができるようになっているか?
  • システム間の連携がスムーズにできるシステム設計になっているか?
  • 競争領域にリソースを重点配分できるシステムになっているか?
  • 不要なシステムを廃棄しているか?
  • 古いシステムの維持管理コスト(技術的負債)を減らせるか?

また、システム刷新後も再びレガシーシステムに戻らないように、定期的な評価が必要です。

  • 新たな技術が導入されて、ビジネスモデルの変化に迅速に追従できるシステムになっているか?
  • システムが完成したかで評価をするのではなく、ビジネスがうまくいっているかどうかで評価をする仕組みになっているか?

DXの進め方に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。本記事と併せてご覧いただくと、より具体的なイメージが掴めるかと思います。

定期的なアップデートを忘れない

「レガシーシステムの問題点」の項でセキュリティについて解説をしたとおり、システムのアップデートをせずにそのままにしていると再びレガシーシステムになってしまいます。

レガシーシステムにならないように、定期的にアップデートすることを心がけましょう。

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レガシーシステムの問題点は?脱却を成功させるために心がけたいポイント3つ・まとめ

正直、レガシーシステムからの脱却は簡単なものではありません。レガシーシステムの維持管理に相当なコストがかかることは説明しましたが、システムを刷新するには時間も費用も人的リソースも、相当な投資が必要となります。

また、レガシーシステムの肥大化・複雑化・ブラックボックス化によって、技術的にもかなり難しいものとなります。使い慣れたシステムが変わることに恐怖や抵抗を感じる企業も少なくありません。これらの背景から、このままでは良くないと思いながらもレガシーシステムを使い続けてしまう企業が多く存在しています。

しかし、現代はビジネス環境が目まぐるしく変わっていきます。このままレガシーシステムを使い続けると時代に取り残され、企業が立ちゆかなくなる可能性もあります。

ビジネスを成功させるためには、レガシーシステムからの脱却が不可欠といえます。とても大変な作業ですが、まずは一歩ずつレガシーシステムからの脱却をはかりましょう。

アクシアでは、他社構築システムの保守移管サービスITコンサルティングサービスなど、レガシーシステムからの脱却をサポートできるサービスがあります。

  • レガシーシステムの仕様がわからず、どこから手をつけていけばいいかわからない
  • どのようにシステムを刷新していけばよいかわからない

などのお悩みを抱えている企業様は、ぜひアクシアにお問い合わせください。お問い合わせはこちらから

レガシーシステムをクラウドサーバーにリプレイスした導入事例もあります。参考になりましたら幸いです。

この記事によって、レガシーシステム脱却からの成功をお手伝いできましたら嬉しく存じます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。