目次
- システム改修とは
- システム改修を行うタイミング
- 法令改正などの外的要因で改修を実施する
- サーバーOSやミドルウェアのサポート終了に伴い改修が必要になる
- システムの機能に問題があり改修が必要になる
- さらなる業務改善、売上アップを目的に実施する
- システム改修の費用相場と決まり方
- 費用は「工数 × 単価」で決まる
- 改修のタイプ別に見る、費用を左右する要因
- 他社が開発したシステムの改修は「解析費用」が加わる
- 見積もりで確認すべきポイント
- システム改修の流れ
- 改修目的と要件定義
- 仕様検討
- 影響範囲調査
- システム改修の実施
- テスト
- 検収・納品
- 保守・運用
- 改修するか、新規開発するかの判断ポイント
- 費用対効果
- リードタイム
- 今後のシステムの利用予定期間
- システム改修を依頼する際のポイント
- 開発した会社に断られた・連絡が取れない場合
- 継続的に改修したい場合は「月額制開発」も
- まとめ
最終更新日:2026年7月13日
この記事では、システム改修の費用がどのように決まるのか、改修の流れ、改修か作り直しかの判断基準を解説していきます。Webシステムを中心に説明しますが、業務システム全般に当てはまる内容です。
- システム改修とは
- システム改修を行うタイミング
- システム改修の費用相場と決まり方
- システム改修の流れ
- 改修するか、新規開発するかの判断ポイント
- システム改修を依頼する際のポイント(開発した会社に断られた場合の選択肢も)
この記事がお役に立ちましたら幸いです。
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システム改修とは
システム改修は、現行のシステムを今よりも使いやすく、より良いものに改修することを目的とした作業です。改修を行うことで、使い慣れたシステムをより使いやすい状態にして引き続き利用できるというメリットがあります。システム改修には、システムに新しい機能を追加するケースと、すでにある機能を修正するケースの2パターンがあります。
システム改修を実施するにはプログラムのソースコードが必要です。併せて、改修を進めるには対象のシステムの仕様を理解している必要があるため、原則的にはそのシステムを作成した会社が行うのが王道です。
何らかの事情により、システムを作成した会社が改修を実施できない場合は、他のシステム開発会社で現状の把握を行うためにシステムの解析から実施する必要があります。(詳しくは後述の「システム改修を依頼する際のポイント」で解説します。)
システム改修を行うタイミング
システム改修を行うタイミングはいくつか考えられます。
- 法令改正などの外的要因で改修を実施する
- サーバーOSやミドルウェアのサポート終了に伴い改修が必要になる
- システムの機能に問題があり改修が必要になる
- さらなる業務改善、売上アップを目的に実施する
法令改正などの外的要因で改修を実施する
近年ではインボイス制度や電子帳簿保存法への対応が代表的ですが、消費税率の改定や、業界に関する法令が変わったときなども該当します。システムを改修して対応するか、運用で回避するかといった判断になります。
法改正に対応することは法令順守の上で必須となりますので、改正することがわかった段階ですぐにシステム開発会社と打ち合わせを開始します。
サーバーOSやミドルウェアのサポート終了に伴い改修が必要になる
サーバーOSやミドルウェアは、システムを構築する土台となるものです。これらは利用者が快適に使用できるように、最新のセキュリティプログラムや機能追加といったサポートが随時提供されます。
※サーバーOS…Windows Serverなど、サーバー専用に開発されたOS
※ミドルウェア…MySQLなどのデータベースや、PHP・Javaなどのプログラムの実行環境のように、アプリケーションとOSの間で処理を支えるソフトウェア
サーバーOSやミドルウェアのサポート期限(EOL)はあらかじめ公表されています。例えばPHPは各バージョンごとに、Windows Serverは製品ごとにサポート終了日が決まっており、期限を過ぎる前に対応を計画しておく必要があります。
サポートの期間は決まっており、サポートが終了してもシステムやWebサイトの利用は引き続き行えます。しかし、以下のようなリスクがあります。
- セキュリティアップデートがなくなるため、セキュリティが脆弱になる
- サーバーOSやミドルウェアに不具合があっても直してくれない
- ソフトウェア、アプリケーションが動かなくなる可能性がある
特に企業の場合、業務システムが動かなくなってしまうと深刻な問題となるため、サポート終了時はリスク回避のために新しいバージョンにアップデートをする必要があります。新しいバージョンにするとシステムがうまく動かないなど影響が出る可能性があり、そのときは改修が必要になります。
保守を契約している場合は、担当しているシステム業者から案内や提案がありますが、保守を契約していない場合は自分たちで管理しなければなりません。専門的な内容となりますので、自社で対応できない場合は保守を担当する業者を探してください。この対応によりプログラムを修正する必要がある場合があります。(修正を行わなくて済む場合もあります。)
システムの機能に問題があり改修が必要になる
- システムの動きが遅い
- 不具合だらけで業務効率が悪い
- 使いにくく、業務効率が悪い
などの状態です。動きが遅い場合や不具合は、そのWebシステムを作成した会社の保守で賄える場合があります。初期開発を行ったシステム会社との契約で、どこまで対応してもらえるか確認を行います。
使い勝手については、業務である程度の期間利用してみて初めて気が付く改善点である場合が多い傾向にあります。こちらについてはシステム開発会社に相談し、改善の提案を求めてください。
さらなる業務改善、売上アップを目的に実施する
初期開発では予算不足で見送った機能など、機能が充実すればもっとシステムの効果を引き出せそうと感じている状態です。システムの2次開発を行い機能追加をするパターンです。
こちらは実現のための費用と実現後の効果に着目し、効果が得られる(ペイできる)のであれば、原則実施が望ましいです。まずはシステム開発会社に改修費用を見積もってもらいましょう。
システム改修の費用相場と決まり方
システム改修の費用は、プロジェクトの規模や必要な工数によって大きく異なります。一般的に、小規模な改修では数万円から数百万円、中〜大規模の改修では数百万円から数千万円が必要となることが多いです。
「幅が広すぎて参考にならない」と感じられたかもしれませんが、これには理由があります。同じ「機能を1つ追加したい」という要望でも、システムの作りによって影響範囲がまったく異なるため、調査するまで費用が確定しないのです。そこでここでは、費用がどのように決まるのかを分解して解説します。決まり方がわかれば、見積もりの妥当性を自分で判断できるようになります。
費用は「工数 × 単価」で決まる
システム改修の費用は、基本的に「作業にかかる工数(人月・人日)× エンジニアの単価」で算出されます。ここでいう工数には、プログラムを修正する作業そのものだけでなく、後述する「影響範囲調査」と「退行テスト」の工数が含まれます。単価はシステム開発会社の規模や地域、担当するエンジニアのスキルによって差があります。
改修のタイプ別に見る、費用を左右する要因
- 既存機能の修正(軽微な改修):影響範囲が限定的であれば、小さい工数で済みます
- 機能追加:新しい画面・機能の開発に加えて、既存部分との接続箇所の調査・テストの工数が乗ります
- サーバーOS・ミドルウェアのEOL(サポート終了)対応:プログラムの変更量が少なくても、システム全体の動作確認(退行テスト)が必要になるため、システムの規模によっては大きな工数になります
- 全面改修(作り直しに近い改修):新規開発に準じた費用感になります。この場合は後述の「改修するか、新規開発するかの判断ポイント」を先に検討してください
他社が開発したシステムの改修は「解析費用」が加わる
開発した会社以外のシステム開発会社に改修を依頼する場合は、改修作業の前に既存システムの解析(ソースコードと仕様の把握)が必要になるため、「解析費用」が発生します。解析はシステムの仕様を正確に把握し、改修時や障害発生時に迅速・安全に対応できるようにするために行うものです。
アクシアではAIを活用したソースコード解析により、開発言語を問わず、従来よりも短い期間で既存システムの仕様把握を行っています。
見積もりで確認すべきポイント
- 影響範囲調査の工数が含まれているか
- 退行テスト(改修箇所以外が壊れていないかの確認)の工数が含まれているか
- 他社が開発したシステムの場合、解析費用の有無と範囲
影響範囲調査と退行テストが抜けた見積もりは一見安く見えますが、改修後に「別の機能が動かなくなった」というトラブルの原因になります。金額の安さだけで見積もりを比較しないことが重要です。
なお、システム改修の費用は会計処理上、「修繕費」として処理できる場合と「資本的支出」として資産計上が必要な場合があります。金額の大きい改修では、発注前に顧問税理士に確認しておくと安心です。
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システム改修の流れ
システム改修は以下のようにすすんでいきます。
システム改修と新規システム開発は、行うことはほぼ同じといえます。システム改修の導入部分は、新規開発と同じように要件定義からすすんでいきます。
新規開発との違いは、プログラムの一部を変更することによって他の画面や機能に影響が出るか(不具合などが起きないか)を調べる「影響範囲調査」と「影響範囲箇所のテスト」を行うことが挙げられます。詳しく見ていきましょう。
改修目的と要件定義
まず最初に、システム開発会社と共同で改修の目的をはっきりさせ、要件を定めます。新しく1からシステム作成し運用をしていると、必ず以下のような課題点が現れます。
- この機能はこうしたほうが使いやすい
- こんな機能があればよかった
- 実際は使わない機能があった
これらをお客様とシステム開発会社でディスカッションし、要件をまとめていきます。
仕様検討
要件を実現するための具体的な対応内容をシステム開発会社が作成し、提案します。お客様側では要望を満たすかどうかチェックします。
影響範囲調査
要件と仕様が固まったら、システム開発会社にて、改修によってWebシステム全体への影響があるかを調査します。同時に、影響範囲(改修によりどのくらいの画面数や機能数に影響があるか)を調べます。
新しく機能を追加する場合の影響範囲は小さく済む傾向にあります。しかし、プログラムの基幹部分となる部分のコード(すでに動いているコード)の変更を行うと、そのコードによって動いている機能が多数存在するため、影響範囲は大きくなります。思いもよらない部分に影響が及ぶこともあります。
例えば「今まではメールアドレス・電話・名前だけを登録していた会員登録機能に、さらに生年月日・住所も登録できるようにしたい」という軽微な機能追加をする場合、この機能追加をした時の具体的な影響範囲は、以下のようになります。
- 会員が生年月日を登録できるように新たな入力欄を作らなくてはならない
- 会員が住所を登録できるように新たな入力欄を作らなくてはならない
- 会員が登録した情報を確認できる画面が必要
- 会員ではなくシステムの管理者が入力情報を確認できるようにしなくてはならない
……など
また、OS・ミドルウェアの大規模なアップデートによる改修の場合は、システム全体のプログラムを書き換えなくてはならないこともあります。プログラムのどの部分に修正・追加をしたことでどの画面に影響があるのかをシステム開発会社で調べ、改修費用の見積もり算出をしていきます。
アクシアではこの影響範囲調査に際して、AIを活用してプログラム全体の依存関係を解析し、影響範囲の洗い出し漏れを減らす取り組みを行っています。
システム改修の実施
システム開発会社にて実際にシステムを改修します。
テスト
改修箇所のテストと、影響範囲の規模に応じた退行テストを実施します。
改修箇所のテスト
システム開発会社にて改修箇所を中心にテストを実施します。改修箇所が仕様通りに動くか、品質を満たしているかをチェックします。
影響範囲の規模に応じた退行テスト
事前に洗い出した影響範囲についてのテストを実施します。影響範囲がシステム全体に及ぶ場合、システム全体の退行テストを実施します。
退行テスト(リグレッションテスト)とは、プログラムの一部を変更したことによって他の範囲に不具合が出ていないかを確認する作業です。今までは使えていたのに使えなくなってしまった機能がないか、エラーが出る機能がないかなどを退行テストを行ってチェックします。
例えばサーバーOSのアップデートによりシステム全体に及ぶような規模の改修を行った場合は、システム全体をテストして不具合の出る機能がないか、使えなくなっている機能はないか確認をします。
システム開発会社側は、影響範囲を確認する段階でこの全体をテストする分の工数も見積もりしなくてはなりません。
検収・納品
お客様側で要求した要件、仕様が満たされているかチェックします。不具合を発見した場合はすぐに修正対応を行い、再度チェックを行います。問題がないことを確認したら納品です。
保守・運用
Webシステム開発と同様、改修が完了したら終わりではありません。システムは運用開始してからが本番です。運用中は、システムが動き続けるために保守(必要なメンテナンスやシステム監視)を行います。異常を早く検知することで、大きな問題発生を未然に防ぐ目的があります。保守でどこまで対応してもらえるか(範囲・SLA・料金体系)はシステムの保守契約とは?で詳しく解説しています。
改修するか、新規開発するかの判断ポイント
システムの改修をするのならば、いっそ新しく作り直すか悩まれることもあるかと思います。ここでは、改修か新規開発か悩まれた時にチェックしたいポイントをまとめました。
費用対効果
前述の「さらなる業務改善、売上アップを目的に実施するパターン」で記載したとおり、費用対効果が重要です。
運用中に出てきた改善点は「やったほうがいいか?」であれば、ほぼすべて「やったほうがいい」内容になります。そのため、判断ポイントは「改善によりどの程度の改善幅が期待できるか」になります。
リードタイム
新規開発する場合はシステム全体を作り直すため、たいていの場合は既存のシステムに機能を追加するよりも時間がかかります。ただし、既存のシステムに問題点が多すぎる場合は、作り直した方が早いことがあります。
時間の見積もりは自社だけでは判断するのが難しいため、まずは既存システムをシステム開発会社に見てもらって、改修するか新しく作り直すかの提案をもらってもよいでしょう。
今後のシステムの利用予定期間
導入したばかりであと5年は最低利用する予定である場合は、基本的には既存のシステムを改修するべきです。向こう1年以内に廃止が決まっており、既存システムを直さなくても運用でカバーできる場合は改修せず、その予算を新しいシステム開発に投資するのがよいでしょう。
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システム改修を依頼する際のポイント
最後に、システム改修を依頼する際のポイントを紹介します。
システム改修の依頼は原則的に、そのシステムを開発した会社を選ぶのが王道です。システムの仕様にも、自社の業務にも理解があるからです。システム開発会社の対応や費用感に満足している、特に不満がない場合は依頼先を変える必要はありません。
開発した会社に断られた・連絡が取れない場合
一方で、次のようなケースでは、開発した会社に改修を依頼できないことがあります。
- 開発した会社が廃業してしまった、担当者と連絡が取れない
- 改修を相談したが「対応できない」と断られた
- 対応や費用感に不満があり、依頼したくない
この場合は、他社が開発したシステムの保守・改修を引き継げる会社に「保守移管」を依頼することになります。前述の通り既存システムの解析費用はかかりますが、改修できないままシステムを使い続けると、サポート終了への対応も障害時の復旧もできない状態が続きます。早めに引き継ぎ先を確保しておく方が安全です。引き継ぎの具体的な進め方は以下の記事で詳しく説明しています。
他社のシステムの保守・改修を行うには、新規開発とは違う労力と高い技術力が必要となるため、対応しているシステム開発会社は多くはありません。アクシアでは他社で開発した現行システムの保守・運用に対応しており、多くの実績があります。
継続的に改修したい場合は「月額制開発」も
弊社でシステム改修をされているお客様に好評の「月額制開発」もございます。月額制開発は、開発物を明確に決めた上で予算を決めるのではなく、先に月額の予算を決め、優先順位の高いものから毎月の予算の範囲内で開発を行っていきます。これにより、柔軟かつスピード感をもって改修が進められると喜びの声をいただいています。月額制開発については以下の記事で詳しく紹介しています。
今お使いのシステムの改修や、保守の引き継ぎについてお困りの際はぜひご相談ください。
まとめ
システムの改修はより使いやすくするための機能修正・機能追加がメインとなりますが、法改正やサーバーOS、ミドルウェアのサポート終了など外的な要因から改修を行う場合もあります。
費用は「工数 × 単価」で決まり、影響範囲調査と退行テストの工数が含まれているかが見積もりを見る際のチェックポイントです。より使いやすくするための機能修正・機能追加を行うときは、費用対効果が見合うかどうかを考えた上で改修を行うことが重要です。明確な目的と要件を持ってシステム改修をすることで、システムを十二分に活用し、成果を出すことができます。
この記事がシステム改修を行う際のヒントになりましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。