近年注目を集めている開発スタイルとして、月額制(定額制)の受託開発があります。アクシアでも月額制開発サービスを提供しており、特に継続開発をされたいという企業様に大変好評をいただいております。月額制開発サービスについて詳しくはこちら
そこで今回は、月額制開発サービスについて詳しく紹介していきます。料金が月額制であること以外にもさまざまなメリットがあるため、月額制開発の利用を検討している方にぜひお目通しいただきたい情報を充実させました。
この記事で得られる情報は以下の通りです。
- 月額制開発とはどのようなサービスか
- 月額制開発のメリット
- 一般的な開発との違い
- 月額制開発に向いているプロジェクト
- 月額制開発の流れ
- 他社の月額制開発サービスとの違い
この記事がお役に立ちましたら幸いです。
月額制開発とは
月額制開発は、毎月定額制で開発を進めることができるサービスです。一般的な開発に比べて、柔軟かつスピード感のある開発ができることが特徴です。
開発物を明確に決めた上で予算を決めるのではなく、先に月額の予算を決め、優先順位の高いものから毎月の予算の範囲内で開発を行っていきます。
そのため、以下のようなメリットがあります。
- システム要件や仕様がはっきり決まっていなくても契約できる
- 技術検証などを行い、結果を見ながらシステムの方針を決めることができる
- 開発優先順位の変更や、作業の差し替えに柔軟に対応できる
- 都度見積もり・発注を行わないため、開発優先順位の変更や、インシデント対応が起きても迅速に対応できる
アクシアでは、新規システムを開発するために月額定額サービスを利用することは少ない傾向にあります。弊社で開発したシステムのその後の継続開発や、他社で開発したシステムの定常的な開発を目的として月額制開発を選択いただくことが多いです。
一般的な開発との違い
一般的なシステム開発は、要件定義〜設計〜プログラミング〜テストの工程に分け、順番に実施していきます。取り掛かっている工程が終わるまで先に進まず、次の工程に進行したら前の工程に戻ることができない開発手法を用いて進んでいきます。この手法を「ウォーターフォール型開発」と呼びます。
一番最初の要件定義で細かいところまでシステム化する要件を決めていくため、要件に沿ってスケジュールが立てやすく、進捗管理がスムーズに行えることがウォーターフォール型開発のメリットです。
作りたいシステムや追加で開発してほしい機能が明確に決まっている場合は、こちらのケースでまったく問題ありません。しかし、開発進行中に仕様を変えたいとなった場合は、現在の工程だけやり直すことができないため、最初の要件定義に戻って順番にやり直さなくてはなりません。また、別途で見積もり・発注を行うため、大きな手間と時間がかかってしまいます。タイミングによっては、開発メンバー(リソース)に空きがないこともあります。
また、一般的なシステム開発は「一括請負契約」が採用されます。一括請負契約では、「発注前に完成物を明確に定義する必要があり、完成物に対して予算を決める」という特徴があります。つまり、発注前にシステムの内容を決めなくてはなりません。
月額制開発では、ウォーターフォール型開発のデメリットをカバーすることができます。見積もりの手間の短縮や、明確に完成物を決めずとも開発をすすめることが可能です。また、月額のご予算内の開発メンバー(リソース)はあらかじめ確保しているため、ご要望の対応が残予算の範囲内であれば、リソース不足に陥ることはありません。
補足:アジャイル型開発
月額制開発サービスの多くは、アジャイル型開発を採用しています。アクシアも、アジャイル型に近い開発方式をとっています。
アジャイル型開発は、クライアントの要望に応えてシステムをできる限り早くリリースしていこうという考えに基づいた開発手法です。
小さな単位で実装〜テストを繰り返し、細かくリリースを行うことで早く開発を進めることができます。リリース結果のフィードバックを受けて次の開発へと反映することができるため、出来上がったものと期待のギャップが生まれにくくなることが特徴です。
ウォーターフォール型とアジャイル型については、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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月額制開発サービスを開始した経緯
- 継続的に開発を行い、日々発生する課題に対応してゆきたい
- スピード感をもってサービスを改善してゆきたい
このようなニーズに応えるために、サービス提供を開始しました。
これらのニーズは、Webサービスを提供している事業者様に多い傾向にあります。サービスの競合優位性や開発のスピード感を確保し、柔軟に開発案件を依頼したいという要望に応えるために始めたサービスです。
月額定額制のサービスを利用することで、依頼の度に発注手続きを行う必要がなくなります。途中で優先順位が変わった場合でも、優先順位の下がった作業を保留し、先に進めたい開発に着手することが可能となります。
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月額制開発に向いているプロジェクト
月額制開発は、継続的に開発を行い、改善のサイクルを回してゆきたいシステムに向いています。
例えば、ひととおりシステムを作り終わり、運用を始めていくと「こういう機能が欲しい」「ここの部分はこういう仕様の方がいい」という新たなニーズが出てくることがほとんどです。また、Webサービスのニーズやトレンドは変化していくため、合わせて調整を続ける必要があります。
これらのような要望(やりたいこと)が多く積み重なっている場合は、月額制開発サービスが向いています。やりたいことリストの中の優先順位を決めて、その月の予算内で対応していくという形で、フレキシブルに開発を進めることができます。
少しずつ開発を進めてフィードバックを反映しながら完成に近づけたい場合も、月額制開発が向いています。具体的なシステム仕様についてはすべて作り込む前に少しずつリリースし、ユーザーの声などフィードバックを反映しながら軌道修正していくことができます。
月額制開発の流れ
アクシアで月額制開発サービスを利用する場合、以下のように進んでいきます。
- 課題の共有、月額費用の見積もり
- ご契約〜運用開始
- 現段階で顕在化している課題をリストアップする
- リストアップされた課題に対して工数見積もりを行う
- リストアップされた課題に優先順位設定を行う
- その月に実施する課題を決定する
進行中に発生した急な優先順位の変更や、インシデント発生(サーバーOSに脆弱性が発見された等)による差し込み作業が起きた場合にも、月額予算に収まる範囲でしたらすぐに対応開始いたします。
1.課題の共有、月額費用の見積もり
現在抱えている課題(やりたいこと、問題点)今後の展望などを共有いただき、概算の見積もりを行います。概算のボリューム感から、月額どれくらいの予算を割いて進めていくのが適切かを見積りしご提案します。
具体的な内容が決まっていないものについては、月額のご予算内でご提案作成や技術検証を行い、その結果を見ながら方針を少しずつ決めてゆくことも可能です。
サービス提供は最低半年単位での提供となり、月額費用は半年ごとに見直しが可能です。
2.ご契約〜運用開始
業務委託の基本契約書と月額費用を記載したご契約書を取り交わします。この時点では、具体的な発注明細や納期は契約書類に記載されません。
契約締結後、定例ミーティングをチャットツールやZoomで行い、毎月の実施案件を決定して実施していきます。
3.現段階で顕在化している課題をリストアップする
ここからは、月々の実施案件を決定して実施します。
システムの改善点、改修したいポイントをすべてリストアップします。顕在化していない問題は後でリストに追加することも可能です。
4.リストアップされた課題に対して工数見積を行う
各課題についての工数見積をアクシアが行い、リストに記入していきます。
5.リストアップされた課題に優先順位設定を行う
各課題の優先順位設定を行います。優先順位は3〜5段階くらいで設定します。
6.その月に実施する課題を決定する
原則は優先順位が高く、工数が少ないものから対応していきますが、お客様と協議の上でその月の実施案件を決定します。
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他社の月額制開発サービスとの違い
アクシアの月額制開発サービスと他社の月額制(定額制)開発サービスとの違いとして、以下の2点が挙げられます。
- 準委任契約ではなく、請負契約という位置付けで契約を取り交わしている
- 月額予算は最大1ヶ月分までプール可能
詳しく解説していきます。
準委任契約ではなく、請負契約という位置付けで契約を取り交わしている
アクシアでは今年度に入り、新規開発を月額定額開発で行うオフショア開発(ラボ型オフショア開発)に失敗したお客様からのお悩み相談を3件ほど受けました。
詳しくお話を伺うと、「月額定額開発で準委任契約となっているため、成果物の完成責任がない」「月額定額であったが、当初予定の開発期間で完成せず開発予算がどんどん高くなっている」とのことでした。
準委任契約では役務の提供を定めるため、システム完成の責任がありません。毎月作業する時間や日数が決まっていて、その時間の範囲内で仕事をする契約になります。
そのため、契約の時間が過ぎたときに成果物が未完成であっても、特に責任が発生するわけではありません。このような背景から、上記のような問題が発生することがあります。
それに対して請負契約は、完成責任と成果物を契約で定めているため、完成が約束されます。一般的な請負契約は作るものが決まっていて、それに対して金額が決まります。
アクシアの月額開発サービスの場合は、毎月の予算を先に決めて、その予算の範囲内で毎月請負契約のように作るものを決めているイメージです。
完成責任が伴う請負契約での定額開発は、お客様からも好評をいただいています。
月額予算は最大1ヵ月分までプール可能
あまり開発するものがなく、予算を使い切らなかった月があった場合、その余った予算を翌月に繰り越すことができます。携帯通信量の繰越しのようなイメージです。月額の予算は、最大1ヵ月分までプール可能としています。
アクシアでは月額開発を行うためのリソース(人員)をあらかじめ確保していますが、累積した予算を一気に消化しようとすると対応が難しい場合があるため、上限を1ヶ月分と定めております。
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月額制定額開発サービス・まとめ
月額制開発サービスは、継続的に開発を行いたい場合や、仕様変更が発生しやすい背景があり、柔軟でスピード感がある開発を行いたい場合に最適なサービスです。
利用されているお客様からは、「優先順位を柔軟に変更できること、急なインシデント対応にもいち早く対応できることがとても良い」という声をいただいています。
月額制開発サービスを利用した導入事例は、開発実績資料に詳しく掲載しております。資料は無料でお渡ししていますので、もし興味がありましたらぜひご覧になってください。資料請求はこちらから
また、費用の目安につきましては、料金紹介ページにてご案内しています。ご検討の際の判断材料になりましたら幸いです。料金ページはこちらから
最後までご覧いただき、ありがとうございました。