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あなたの企業システムのサーバーは新しいOSを使っていますか?それとも、古いOSを使い続けているでしょうか。いずれの場合も、サーバーOSのアップデートや移行は複雑なプロセスであり、さまざまなリスクとチャンスがあります。しかし、サポートが終了したOSをそのまま使用し続けると、セキュリティ上の脅威やビジネスの機会損失を招く可能性があります。

本記事では、古いOSを使い続けることのリスクと、新しいOSへの移行がもたらす効果を詳しく解説します。さらに、OS移行のプロセスや移行時の注意点についても詳細に説明します。

システム専門家の知識と経験を元にした本記事は、あなたの企業が新しいOSへの移行を検討し、そのステップを踏み出すためのガイドとなるでしょう。それぞれの企業が最適なIT環境を構築するための一助となりましたら幸いです。

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OSとは何か

情報化社会の現代では、ビジネスをする上でコンピュータシステムが欠かせない存在となっています。その中核となるのが、OS(オペレーティングシステム)です。OSはパソコンにとって必須で、これがないと正しく動作しないくらいに重要なものです。

OSは、コンピュータハードウェアとソフトウェア間のインターフェースとして機能し、システムの管理、制御、そしてユーザーとのやり取りを行う重要な役割を果たしています。

OSは一般的なパソコンだけでなく、サーバーにも存在します。サーバーOSは、ネットワークを通じて複数のユーザーがリソースにアクセスしたり、特定のサービスを利用したりできるように設計されています。これには強固なセキュリティ対策、リモートでの管理・制御機能、高度なネットワークサービスなど、一般的なデスクトップOS以上の高度な機能が含まれます。

※デスクトップOS…WindowsやMacなど
※サーバーOS…Windows ServerやLinux(Ubuntu、CentOS)など

しかし、これらのOSは常に最新の状態を維持することが求められます。古いバージョンのOSを使い続けると、セキュリティリスクの増大やパフォーマンスの低下など、ビジネスに重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、OSのアップデート、あるいは新しいOSへの移行は非常に重要です。

サポート切れOSのリスク

OSのサポートが切れると、企業にとって重大なリスクをもたらします。なぜなら、サポートが終了したOSは、セキュリティパッチ(新たな脆弱性が発見された場合の修正プログラム)が提供されないため、企業の情報セキュリティを脅かす可能性があるからです。

セキュリティリスク

サポートが終了したOSは、新たなセキュリティパッチやアップデートが提供されなくなります。そのため、悪意のあるハッカーやマルウェアの格好のターゲットとなり、脆弱性を突いた攻撃にさらされるリスクが高まります。

もし攻撃を受けてしまうと、情報漏えいやシステムの乗っ取りといった深刻なセキュリティインシデントの発生に繋がりかねません。企業の評判や信頼性に大きな悪影響を与える可能性があります。

パフォーマンス低下

古いOSは、処理能力が低下していることがほとんどです。また、パフォーマンスの高い最新機能との互換性がないことが多い傾向にあります。

古いOSを使い続けた結果、システムのパフォーマンスが低下し、業務の遅れや停止、ユーザーが使いにくくなるなど悪影響を及ぼす可能性があります。サポートの終了したOSでは、新しいアプリケーションやサービスの利用が制限されることもあります。これによって、競争力のあるビジネス環境において後れを取る可能性があります。

コスト増加の可能性

古いOSを使い続けた結果パフォーマンスが低下することで、これまでと同じパフォーマンスを出すためにサーバーのスペックアップが必要になる可能性があります。スペックアップのための課金が必要になり、コストが膨らむことも視野に入れておかなくてはなりません。

データ保護とサポート切れOS

サポート切れのOSは、データ保護規制に準拠するのが困難になることもあります。特に、GDPR(一般データ保護規則)や、個人情報保護法などの厳しい規制がある現代において、これは重大な問題です。サポート切れOSを使用している企業は、データ保護に関連する法令違反のリスクを高めてしまう可能性があります。

これらのリスクを踏まえると、OSのアップグレードや移行は、単なるオプションではなく、企業の情報セキュリティと法的義務を維持するための必須事項と言えるでしょう。

OS移行のメリットとデメリット

サポートが切れたOSを使い続けることによるリスクを解説しました。では、サーバーOSを移行する際のメリットやデメリットはどのようなものがあるでしょうか。

OS移行のメリット

OS移行には、さまざまなメリットが存在します。

セキュリティの強化

まず一つ目として、新しいOSは常に最新のセキュリティ機能を備えており、サポートが継続されています。そのため、新たなセキュリティ脅威にも柔軟に対応することができます。結果、企業の重要なデータを守り、ビジネスを安定的に運用することが可能となります。

サポートの切れたOSを使用していると、システムの障害が発生した際に迅速に対処することが難しくなります。これはビジネス継続性に直結する問題であり、重大な業務停止につながる可能性があります。新しいOSへの移行により、OSベンダーからのサポートを受け続けることで、ビジネスの安定性と継続性を確保することができます。

パフォーマンスの向上

二つ目は、パフォーマンスの向上です。新しいOSは技術の進歩に伴い、動作速度や処理能力が向上しています。これにより、業務効率が上がり、企業の生産性を高めることができます。

また、パフォーマンスが上がることによって、ユーザー体験の向上にも寄与します。最新のOSは、ユーザーフレンドリーなインターフェースや効率的な操作性を提供し、システムの使いやすさがアップします。

新しいテクノロジーの利用

三つ目は、新しいテクノロジーへの対応力です。新しいOSでは最新のテクノロジーに対応した機能が提供されており、これにより企業は新たなビジネスチャンスを掴むことが可能となります。

例えば、最新のOSでは高度なマルチタスキング機能やデータ処理能力が向上しており、業務の効率化に大いに寄与できることがあります。

OS移行のデメリット

しかし、OS移行にはデメリットも存在します。

まず一つ目は、移行に伴う初期コストと時間です。新しいOSへの移行は、ハードウェアの変更や新たなライセンスの購入、移行作業による業務停止など、一定のコストと時間が必要となります。

二つ目は、既存のソフトウェアとの互換性問題です。新しいOSに移行すると、既存のソフトウェアが正常に動作しなくなる可能性があります。この問題を解決するためには、ソフトウェアのアップグレードや再設定が必要となる場合があります。

コスト削減につながることも

しかしながら、OS移行に伴う初期コストは一時的なものであり、長期的に見ればコスト削減に繋がる可能性があります。新しいOSはメンテナンスコストの削減、システムの効率化、生産性の向上などを通じて、経済的な利益をもたらすことができます。

これらのメリットとデメリットを踏まえ、企業は自身のビジネス目標とリソースに照らし合わせ、OS移行のタイミングを見極めるのがよいでしょう。

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OS移行の実施方法

OS移行は複雑なプロセスで、計画的かつ慎重に進める必要があります。サーバーOS移行のステップの一例を紹介します。

1.移行計画とスケジュール設定

計画を立てる際に、現在の環境の構成を洗い出しておきましょう。使用しているサーバーやミドルウェア、アプリケーションの一覧を作成するなど、全体がわかるようにまとめておくのが良いかと思います。

サーバーOSを移行する際には、一時的なサービスの停止や再起動が必要な場合があります。計画を立て、ユーザーへの影響を最小限に抑えるためのスケジュールを設定しましょう。規模とスケジュールが明らかになってきたら予算を算出しましょう。

2.互換性の確認

次に、現在使用しているサーバーやミドルウェア、アプリケーションなどそれぞれが新しいOSと互換性があるかを確認します。互換性がない場合、必要に応じてそれぞれのアップデートやアップグレードを行うことがあります。

3.バックアップとリカバリ計画

重要なデータのバックアップを作成します。万が一のデータ損失に備えて、移行前に全てのデータをバックアップすることが重要です。

また、移行中に問題が発生した場合のために、リカバリ計画を策定しましょう。元のOSに戻す手順や復元ポイントの確保などを考慮し、迅速に復旧することができるようにしましょう。

4.新しいOSのインストールと設定

現行環境とは別に新しいサーバーOSをインストールし、必要な設定を行います。これには、ネットワーク設定、セキュリティ設定、ユーザーアカウントの設定などが含まれます。

5.テスト環境への移行

本番環境での移行前に、テスト環境でリハーサルを行いましょう。

4で用意した環境へデータとアプリケーションを移行し、問題なく機能するかをテストします。その後、全ての機能が期待通りに動作するかテストを行います。テスト環境での動作確認や互換性のテストを行うことで、問題が発生した場合に本番環境への影響を最小限に抑えることができます。

もしも問題が発生した場合は、トラブルシューティングを行い、必要な修正を加えます。

6.本番環境への移行

十分なテストを行い、問題が起きないことを確認できたら、本番環境でアップグレードを行います。前もって計画したスケジュールに従い、サービスの停止や再起動を行い、新しいOSバージョンを適用します。

7.動作確認とトラブルシューティング

本番環境への移行後にも、サーバーの正常な動作を確認しましょう。必要に応じてトラブルシューティングを行い、問題が発生した場合には適切な対処を行います。

8.トレーニングとサポート

最後に、新しいOSを使用するためのトレーニングを行います。また、移行後のサポート体制を整備します。

以上が、サーバーOS移行の一般的なステップです。しかし実際のステップは、特定のビジネスの要件、既存のIT環境、新しいOSの種類などによって異なる場合があります。専門的な知識と経験を持つITプロフェッショナルによる支援を得ることで、効率的かつ安全なOS移行を達成することが可能です。

【OS移行の際の注意点】ミドルウェアの移行

一連の流れがわかったところで、OS移行の際の注意点を解説していきます。

OS移行の一部として考慮すべき重要な要素の一つがミドルウェアです。ミドルウェアとOSの間には密接な相互作用があり、この関連性は移行プロジェクトの成功に大きく影響します。

6.1 OSとミドルウェアの互換性

ミドルウェアは、基本的にアプリケーションとOSの間で動作するソフトウェアです。そのため、OSが変更されると、使用中のミドルウェアの動作に影響が出る可能性があります。新しいOSがミドルウェアとの互換性を持つことが必須となり、これを確認するためには詳細なテストが必要です。

6.2 ミドルウェアの移行とその必要性

また、新しいOSへの移行に伴い、ミドルウェア自体のアップグレードや移行も必要となることがあります。ミドルウェアを移行することによって、新しいOSが提供する機能を最大限に活用し、アプリケーションのパフォーマンスを改善することが可能です。

例えばAmazon Linux AMIからAmazon Linux 2023へ移行する場合、これまではPHPのバージョン5を使っていましたが、すでにサポートが終了しており、互換性がありません。そのため、互換性のある7.4以上のバージョンへPHPをアップグレードし、移行する必要があります。

このように、新しいOSと互換性のないミドルウェアは互換性のあるバージョンへバージョンアップしなくてはいけません。新しいバージョンに変えると、動かなくなってしまうこともあります。すべての機能を問題なく機能させるために、整合性が取れるようアップデートを行っていく必要があります。これは専門的で難しい作業のため、専門的な知識と経験を持つITスタッフや専門の業者の意見を取り入れることが重要です。

ミドルウェアは、ビジネスの連続性を保つために重要な役割を果たします。そのため、OS移行と同時にミドルウェアの移行も計画し、適切に管理することが求められます。

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【OS移行の際の注意点】データ移行とそのリスク

ミドルウェアの移行だけではなく、データの移行も重要なポイントです。適切なデータ移行が行われない場合、データの損失や漏洩といった深刻なリスクが生じる可能性があります。

4.1 データ移行の重要性

データは現代ビジネスにおいて最も重要な資産の一つです。顧客情報、契約書類、財務データなど、これらのデータは企業活動を支える基盤となっています。そのため、OS移行時にはこれらのデータを安全に新しい環境へと移行することが必要となります。

4.2 データ移行時のリスク管理

しかし、データ移行は慎重な計画と管理が求められる作業です。データの形式や構造が新しいOSに適合しない場合、データが適切に移行できない可能性があります。また、移行の過程でデータが破損したり、漏洩したりするリスクも存在します。

したがって、データ移行の計画を立てる際には、専門的な知識と経験を持つITスタッフや外部のコンサルタントの意見を取り入れることが重要です。また、データのバックアップを取るなど、万が一のデータ損失に備える必要があります。

データ移行は、ビジネスの継続性を保つためにも重要な作業です。データ移行がスムーズに行われることで、新しいOSへの移行後も業務を迅速に再開することが可能となります。データ移行の計画と実行は、OS移行全体の成功にとって不可欠な要素であると言えます。

以上から、データ移行はOS移行の重要なステップであり、適切な計画と実行により、データの安全性とビジネスの継続性を確保することが可能です。

関連記事:新システム開発の際のデータ移行について

【OS移行の際の注意点】バックアップとリカバリ手順

OS移行の過程において、予期しない問題が発生することは避けられません。万が一、データが消失したり、システムが利用不可能になったりすると、ビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があります。それらのリスクを回避するためには、適切なバックアップとリカバリ手順を準備することが不可欠です。

10.1 バックアップの重要性

バックアップは、予期せぬ事態やデータの損失から企業の重要な情報を守るための保険のようなものです。バックアップがなければ、データの復元は困難な場合があります。このため、OS移行を行う前には、システムの完全なバックアップを作成することが求められます。

10.2 効率的なリカバリ手順

リカバリ手順は、予期せぬ問題が発生した際にシステムを元の状態に戻すためのプロセスです。これには、バックアップからのデータ復元やシステム設定の復元が含まれます。効率的なリカバリ手順を計画することで、ダウンタイムを最小限に抑え、事業の継続性を確保することができます。

AWSのOS移行

クラウド型サーバーを利用している場合も、サポート終了期限が近づいてきたらサーバーOSの移行が必要です。例えばAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)などが該当します。

この章では、AWSのOS移行について簡潔に紹介します。

AWS OS移行のプロセス

基本的には、前述した「OS移行の実施方法」と同様、スケジュール設定→互換性の確認→バックアップ作成→テスト環境移行→本番環境移行→動作確認→トレーニングとサポート という手順で移行していきます。

例として、Amazon Linuxの最新版であるAmazon Linux 2023へアップグレードする際の手順を示します。Amazon Linux 2023は稼働中のシステムを直接アップグレードする方法(インプレースアップグレード)はサポートされていないため、稼働中のシステムと別にアップグレード済みのシステムを用意して切り替える方法(リプレースアップグレード)を取る必要があります。

  1. 現行のインスタンスとは別に、新しいOSを使って新インスタンスを作成する
  2. 1に必要なアプリケーションをインストールする
  3. 現行システムから1にデータを移行する
  4. IPを切り替えて新インスタンスのみ稼働させる。現行インスタンスは削除する

注意点も他のOS移行と同様に、ミドルウェアの移行、データ移行、バックアップに気をつけて取り組みましょう。

7.2 AWSとOS移行のメリット

AWSへのOS移行には、数多くのメリットがあります。一つは、AWSが提供する強力なセキュリティ対策により、データの安全性が向上する点です。また、AWSのクラウドサービスは拡張性が高いため、ビジネスの成長に応じてリソースを柔軟に調整することが可能です。

7.3 AWSとコスト効率性

さらに、AWSを使用することで、ハードウェアの導入や保守に関するコストを大幅に削減することが可能です。これにより、資金をより直接的なビジネスの成長に投資することができます。

AWSを利用したOS移行は、安全性、効率性、コスト効率性を高め、ビジネスの持続的な成長をサポートします。そのため、OS移行の計画にはAWSのツールとサービスの使用を真剣に考慮することが推奨されます。

弊社ではAWSのコスト削減に関するサービスも行っておりますので、興味のある方はご相談ください。

AWS関連サービス:クラウド型サーバーへの移行AWSコスト削減

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まとめ

本記事では、サポートの切れたサーバーOSを使用するリスクと、OS移行によるメリット・デメリット、移行時の注意点について解説しました。

セキュリティ強化や最新機能の活用、パフォーマンス向上など、最新のOSはビジネスに多くのメリットをもたらします。

記事では概要の中でも特に重要な部分をピックアップして解説しましたが、実際の移行作業は細かな調査と設定作業が多く、サーバーに詳しい方がいないと難易度が高いものです。お困りの際はお気軽にご相談ください。

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