システム開発会社を顧客が途中で変更せざるをえない理由


システム開発の途中で、または初期開発完了後の保守運用の途中で、顧客からシステム開発会社を変更して乗り換えたいとお問い合わせをいただくことがあります。今週もそういう問い合わせが1件ありました。

弊社の場合、他社で開発したシステムの保守運用を行ってきた実績も多く、年間を通してそういった「システム保守をしてもらう会社を変えたい」というご相談をいただくことが何度もあるのですが、一般的にシステム開発会社を途中で変更することは費用も時間もかかります。

顧客にとっては負担となってしまうわけですが、それなのに途中で開発会社を変更する理由は何なのか。過去にご相談をいただいた事例をご紹介したいと思います。

料金が高すぎる

サービスを提供するためには料金がかかりますが、その料金が高すぎるということで開発会社を変更したいというご相談をこれまで多数いただいています。

サービス料金というものはそれぞれの業者が必要に応じて設定するものですから、その料金が不当に高いと思う根拠があるのであれば依頼先を変更すれば良いわけですが、IT業界の場合は多重下請け構造が激しい業界ですから、依頼する先によっては全部下請けに丸投げしているだけだったりします。

さらにその下請けが孫請けに丸投げするといったことも割りと普通に発生しますから、そうすると本来の料金よりもはるかに高い金額になってしまうということは起こり得るでしょう。

多重下請構造

多重下請構造

システム開発を依頼する場合にはその開発会社がきちんと自社で開発しているかどうかということは非常に重要な要素となってきます。あるいは自社で開発していない場合には、それでもその企業に発注したいと考えるだけの明確な付加価値を提供してくれているかどうか。

何も付加価値を提供してくれずに単に中間マージンを取るだけの会社に依頼することは何のメリットもありませんので全力で避けてください。

一方でシステム開発にはそれなりの費用が必要ですから、根拠もなく高いと文句を言うのはやめてくださいね。開発会社の担当者も人間ですから無意味に高いと言われたら気分を害すこともあるでしょうし、それが行き過ぎればモンスター顧客となってしまいますからね。

対応スピードが遅い

何を対応するかによっても必要な時間は変わってくることは当然なのですが、簡単な質問をするだけでいつも返答に1週間も2週間もかかってしまう開発会社もあるようです。

このようなケースではほぼ間違いなく自社で開発しているのではなく下請け企業に投げていると考えて間違いないと思います。遅くなる理由は、受けた質問をさらに下請け企業に伝言ゲームのようにして伝聞するからです。

システムの初期開発時のスピードが遅いことはまだマシです。対応スピードが遅くなってくることで致命的になってしまうのはシステムの本番稼働がスタートした後の保守運用時です。

システム保守運用時には既にシステムが稼働していますから、急ぎの対応が発生した際に対応が大幅に遅れるようだと下手すれば業務そのものがストップしてしまうという事態にもなりかねません。

こういうことにならないように契約前にある程度正確に対応スピードをジャッジするためには、見積書が出てくるスピードを見ると良いと思います。下請けに丸投げする企業というのは見積もりも下請け企業に丸投げしますからそれだけ余計に時間がかかります。

顧客から聞いてきた要件をそのまま今度は下請け企業に説明しなければなりませんから、それほど規模の大きくないシステムの見積もりを出すだけで平気で1ヶ月も待たせてくる開発会社は結構あります。

もちろん構築するシステムの規模の大小によって見積もりに要する時間も変わってきますので一概に見積もり提出までの妥当な時間を定義することはできませんが、複数社に相見積もりをとった時に各社どれくらいのスピードで見積書が出てくるかを比較すれば良いでしょう。

その時に著しく提出が遅い開発会社はその段階で切ることをお勧めします。

発注先と連絡が取れなくなってしまった

これは発注先の会社が倒産してしまったというケースもあるようですが、弊社でこれまで聞いてきた中で比較的多かったケースとしては、依頼していたフリーランスのエンジニアと連絡が取れなくなってしまったというケースが多かったです。

フリーランスを一概に否定するつもりはありませんが、フリーランスの中には良いエンジニアもいれば悪いエンジニアもいます。無責任に途中で嫌になって放り投げてしまうような人も中にはいるということです。

またそのようにフリーランスのエンジニア側に悪意はなくとも、しばらく病気で寝込んでしまうようなことも人間なのであります。企業であれば一人がそのように病気で倒れてしまったとしても、代わりの者が対応することが可能ですがフリーランスの場合にはその人しかいませんから、その人が病気で倒れるなどでシステムの対応ができなくなってしまうとかなり致命的です。

業務をストップさせないように継続的にシステムの保守運用をしていくのであれば、組織的に対応してくれるところにお願いした方がリスクは小さくなります。

システムの開発を最後まで完成できなかった

それほど難易度が高くないようなシステムであっても、途中でシステム開発を放棄してしまうような会社もあるようです。

システム開発を完成できない理由は顧客が無茶な要求をしていないのであれば、依頼先の企業に十分な技術力がないからです。

システム開発を事業としていると謳っている企業の中には、実際には派遣企業のように(実際には派遣ではなく偽装請負)人を客先に送り込むことを主軸事業としている会社があります。というよりもこの業界の8割、9割が残念ながらそんな企業ばかりです。

人売りIT派遣企業はそろそろ壊滅させてもいいと思う

そういう人売り企業の中には自社のノウハウだけでは(というよりもノウハウなどないに等しい)システムを一から構築できないような企業もあります。見積もりすらまともにできずに「一式」と一行だけ書かれた中身のわからない見積書を出してくる企業もあります。

そういう会社は普段自社でシステムを開発するのではなく、自社や他社の人員をどこかのプロジェクトに送り込むことばかりやってますが、会社のウェブサイトにはシステム開発の事業を行っているように書いていたりもします。何も知らずにこういう会社に依頼するととんでもない目にあいますので注意してください。

システムの改修依頼に応じてもらえなかった

初期開発で一応はシステムが完成したとしても、その後の機能追加や改修を依頼したとしても「できない」「技術的に難しい」と言われてしまうことがあるようです。

今まで弊社で聞いてきたケースですと、デザイン会社のようなところにシステム開発の発注をしてしまったような場合に多いようです。インターネットと連動したシステムの開発の場合ですと、ウェブサイトのデザインを主軸事業としている会社に発注してしまうようなこともよくあるようですが、良い結果にはならないので注意が必要です。

デザイン会社はデザインを作る会社であってシステムを作る会社ではありません。ウェブのデザインを作ってもらうのであれば良いのですが、システムを組んで貰う場合にはデザイン会社に発注してはいけないのは当然のことです。

でも最近はWordPressのように便利なものが多いので、デザイン会社の中にはそういうものを使ってシステム化されたウェブサイトを一応構築できる場合もあります。

WordPressのようなものを使うことは何の問題もないのですが、細かいカスタマイズや新たな機能開発を行うためにはプログラムの知識が必要になってきますが、デザイン会社にはそこまでのことはできません。

だから既存のプラグインを組み合わせてウェブサイトを構築するところまではできるかもしれませんが、それ以上の要求をされると「できない」「技術的に難しい」と言われてしまうのです。

どこかのウェブサイトで見たことがあるような機能で、技術的に実現が困難な機能などほぼ無いと考えていただいて間違いありませんので、依頼先が「できない」と言っていたらそれが本当に不可能なものなのかを疑ってみた方が良いでしょう。

システム開発を依頼するならシステム開発が本業の会社に依頼すること

システム開発を依頼するのであればそれを本業とする会社に依頼してください。本業の会社に依頼してくださいという、ものすごく当たり前のことを言っていますが上で述べてきたとおりそれに失敗している顧客がたくさんいるのです。

まずは人売り企業にだけは絶対に発注してはいけません。彼らはシステム開発のプロなのではなく、エンジニアを売り買いするプロなのです。見分け方などはこのあたりを見ていただければ↓

IT業界の多重下請け構造とは何なのか

それとシステムの開発をデザイン会社に発注するというのも失笑ものです。彼らはデザインのプロであってシステム開発のプロではありませんから。

システムは運用開始してからが本番

初期開発はもちろん大事なのですが、システムは開発中ではなく、運用開始してからが本番です。運用開始後にも色々なことが起きることが想定されますが、この時にしっかりと対応できる体制を用意しておくことが重要です。

開発の初期費用はもちろん重要ですが、その後の保守サポートがしっかりできる会社なのかどうかは重視してください。むしろここが一番重要と言っても良いくらいです。

その他には、システム保守の実績が豊富にあるかどうか、自社で開発を行っている会社かどうか、組織的にサポートしてくれる会社かどうか、このあたりが選定の際に重要なポイントになってくるかと思います。

悪いのは「開発会社」か「顧客」か

「開発会社を乗り換えたい」というご相談をたくさんいただけることは大変ありがたいことなのですが、実はアクシアでは開発会社乗り換えのご相談をいただく際にはものすごく警戒するようにしています。

開発会社を乗り換えるからには何か問題があるから乗り換える必要が出てくるわけで、その場合に問題の原因となるのは「開発会社」または「顧客」です。このどちらかが悪いわけです。

開発会社が悪いケースももちろんたくさんあるわけですが、顧客がメチャクチャな要求を繰り返したせいでシステム開発や保守がうまくいかなくなってしまうようなケースも多々見受けられるのです。

そういう理不尽な顧客に乗り換えてこられても、今度は我々が理不尽なことを言われて嫌な思いをして割りを食うだけになってしまいます。だから開発会社乗り換えのご相談を頂いた際には、一体どこに問題があったのかを慎重にヒアリングするようにしています。

システム開発が失敗する理由の中には、顧客側に原因がある場合もあります。

システム開発が失敗する理由

システム開発や保守がうまくいっていない企業の方は、自分達にも悪いところが本当になかったかどうかを一度よく考えてみられることをお勧めしたいと思います。

もし自分達にうまくいかなかった原因があるのであれば、たとえ開発会社を乗り換えたとしてもうまくいくはずがないからです。実際にご相談をお受けしていると、何度も開発会社を乗り換えていらっしゃる企業さんもいらっしゃいますが、そういう場合には自分達のやり方を改めていただく必要もあるでしょう。

色々考えてみたけどやはり今の開発会社に問題がある!という結論になった場合には、ぜひアクシアまでお問い合わせいただければ幸いです。