社員のやる気を奪う業務改善7つの法則


残業が多いと言われるIT業界の中で、アクシアでは2012年から残業ゼロを継続しております。2009年頃から業務効率化の取り組みに着手し、残業ゼロにたどり着くまでには色々な苦労をしてきました。

残業ゼロとなった今でもさらなる業務効率化、生産性向上を目指しておりますが、ここにたどり着くまでにアクシアで経験してきた業務効率化の失敗談を社員のやる気を奪う業務改善7つの法則として取りまとめてみました。今後も業務改善を追求していくので、この情報は更新されていくかもしれません。

SNSで多くの人の声を見ていると、他の多くの会社にも当てはまる法則だと思います。業務改善を進める際にこれをやるとほぼ確実に社員のやる気を奪いますので、「やってはいけない悪手」として参考にしていただければと思います。

1.現場無視の法則

これは業務改善に限らずですが、会社で何かを進める際にはそこで働く社員に対する配慮が必要です。業務改善は別に経営陣を満足させるために社員を犠牲にするような施策ではありません。そこで働く従業員にとってもメリットを享受できなければ社員のやる気を奪います。

時にはトップダウンで改革を断行することが必要な時はあるかもしれませんが、それでも前提となるのは、そのトップダウンの改革によって社員にもメリットがあるということです。トップダウン=現場無視ではありません。

もし現場の仕事がうまく回っていなかったとしても、ほとんどの場合では現場の社員は現場の社員で頑張っています。頑張ってはいるのだけども何かうまくいかないことがあるというのが仕事です。現場には現場の事情もあります。

それなのに現場の事情を一切無視して上司が勝手なこと言って現場をかき回すようなことをしたら、現場の社員は確実にやる気を奪われてしまいます。業務改善を進める上で、現場の声は重要です。

2.時間外活動の法則

現場の声を聞くことは重要だよね。と言うことで、何をどうやれば業務改善できるかみんなで考えていきましょうとなったとします。現場の声に耳を傾け、問題解決に向けてみんなで考えていくことは素晴らしいことですね。

しかしここでよくある悲しいパターンとして、定時後の特別ミーティングが開催されるという事例があります。業務改善を行うためにみんなで話し合いたいと思いますので、本日定時後の19時にみなさん集まってくださいというアレです。

定時後の特別ミーティングという時点で社員はやる気を奪われていますので、そんな状態でどんなに意見を出し合おうとも、前向きな良い意見が出てくる可能性は低いです。私ならまっさきに「定時後の特別ミーティングを無くせ」と主張する事案です。

業務改善を行うための取り組みであるはずなのに、なぜかその取り組みを時間外活動で補おうとする事例は多いんですよね。私も過去同じことをしてきていますので気持ちはよくわかります。よくわかりますがこれはダメです。

業務改善したいのであれば、まずは特別ミーティングを定時後ではなく業務時間内で行うようにしましょう。話はそこからです。そうしないと社員のやる気を奪います。

3.解決策出せおじさんの法則

特別ミーティングを業務時間外でやるのは本末転倒だよね。やっぱりちゃんと業務時間内でやらないといけないよね。と言うことで、業務時間内で業務改善のためのミーティングが開催されるようになったとします。とても素晴らしいことですね。

そこでボウフラのように次から次と湧いて出てくるのが、せっかく意見を出して問題提起してくれている社員に対して「だったら解決策もセットで出せ!」と怒り出すおじさんです。解決策出せおじさんついては先日も詳しく書きましたので、よろしければ下記ブログ記事もどうぞ。

問題提起した人に「解決策を示せ」ということの弊害

業務改善を進めていくためにはまずは何でも良いからアイデアを出すことが重要です。アイデアを出すためにはその時点で解決策はわかっていなくとも、問題提起がされることはとても意義のあることです。

問題提起してくれたら、その問題に対して取り組むかどうかの判断、具体的にどうやって対処していくかの解決策の提示など、それはそれで他の人がアイデアを出してくれる可能性が出てきますからね。

アイデアの芽を摘むことが一番罪深いです。せっかく意見を出しても一々面倒くさいことを言う人がいたら「めんどくせーからもう黙っとこ」ってなるのが人情というものです。そして問題に気づいても見て見ぬふりをして、取り返しのつかない段階となるまで問題が香ばしく発酵してしまうチームの完成です。

業務改善したいのであれば、せっかく出してくれた意見を大切に扱いましょう。そうしないと社員のやる気を奪います。

4.言い出しっぺの法則

問題提起すること自体に意義があると考え色々な意見が次々と出てくるようになれば、問題提起に対して解決策の提案をしてくれる人もいるでしょう。問題解決して良くしていきたいという気持ちは多くの人が持っていますからね。

問題に対する解決策が出てきた時に、当然考えなければならないこととして「じゃあ誰がやるんだ?」という問題があります。業務改善の意見を出してくれた人達だって、普段は他の通常業務を抱えているというケースが多いと思います。

ここで上司がバカだと、解決策を提案してくれた人に対して「じゃあお前がやっといて(残業で)」となります。言い出した人がその仕事を押し付けられてしまう、言い出しっぺの法則です。

こうなると解決策のアイデアを出した人が損するような形となってしまい、「言ったもん負け」みたいになってしまいます。そんなことされたら自分が損するだけですし、「あのアホ上司に意見出したらその仕事押し付けられるだけだから黙っとこ」となるのが人情というものです。そして風通しが悪く、誰も意見を言わないチームの完成です。

仕事を割り振るならそれを実行するためのスケジュールも一緒に確保するのが当たり前です。せっかく前向きな姿勢で意見を出してくれた人が損してしまうような理不尽なことはやめましょう。そうしないと社員のやる気を奪います。

5.パーキンソンの法則

組織のメンバーの意見をうまく吸い出して、仕事の割り振りも適切に行っていれば自然と業務は効率化の方向へと進みます。実はまともな仕事の進め方をしているのであればここまではそれほど難しいことではありません。

しかし業務効率化されれば労働時間が削減されて良い感じに業務改善されるかというと、必ずしもそうならないところが難しいところです。

業務効率化すれば残業が減るというのはウソ

これについては残業削減した実績も経験もない人が時々「業務効率化すれば残業削減できる」とか言ってますけどウソですからね。かつて残業まみれだった会社を残業ゼロに改革した経験からこれは断言しておきます。

wikipediaにパーキンソンの第1法則について、下記のように書かれています。

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

つまりどういうことかというと、時間があるとその時間全部使っちゃうということです。習慣と考えるとわかりやすいかもしれません。それまで20時まで残業する習慣のあった人は、業務効率化されて19時に帰れるようになったとしても、放っとくといつのまにかまた20時まで仕事するようになります。

倒産直前とかで仕事がない会社でもなければ、普通の会社は考えればやることなんて無限に出てくるのが普通です。だから大事なのは何時まで仕事をするのかを決めることです。デッドラインを自分で設定することです。

デッドラインを決めておかないと、いつまでもダラダラと仕事を続けます。終了時間の決まっていない会議を想像してみるとわかりやすいかと思います。ダラダラと時間が伸びがちですよね。

業務改善すれば一時的には業務効率化は実現されますが、放っておくとパーキンソンの法則によってまた元通りになってしまいます。そうならないように仕事にはデッドラインを設けましょう。そうしないと社員のやる気を奪います。

6.低生産性ゾンビの法則

業務効率化を進めればいつか改善されて残業が減ってくるというのは幻想なんですよね。5で述べたパーキンソンの法則もそうですが、業務効率化「だけ」を進めても業務改善につながらない要因はあります。

人間というものは長時間働くと集中力が低下します。よって長い時間残業しても集中力が低下し、合わせて生産性も低下することは確実です。

長時間残業による弊害は、集中力低下による直接的な生産性低下だけではありません。慢性的な長時間残業に陥り、睡眠時間が削られてしまえば、翌日以降にもダメージを引きずり、朝の仕事スタート時点から集中力低下状態で仕事することになります。

残業 → 睡眠不足 → 集中力低下 → 生産性低下 → 残業

この悪魔のサイクルに入ると中々抜け出すことができません。一生懸命効率的に仕事を進めようとしているのに、ちょっとしたことでミスをしたり、簡単なことを進めるのにも異様に時間がかかってしまったりします。

業務効率化しようと頑張って仕事を進めているのに、どんどん効率悪化していくという状態です。こうなるともうゾンビのようにぼーっとした状態で仕事を進めることになり、生産性はずっと低空飛行を続けることになります。

業務改善したいのであれば、業務効率化の取り組みをする前に社員に十分な睡眠と休息を与えましょう。そして社員を集中力が高く生産性を発揮できる状態にしてあげましょう。話はそこからです。そうしないと社員のやる気を奪います。

7.個人プレーの法則

業務改善、効率化を追求していくと、改善の対象が局所化してしまい、個人としては改善されているけど、チーム全体としては最大の成果をあげられていないという状態に陥ることがあります。これは業務効率化を考える上で非常に難しい問題です。

もう少しわかりやすく極端な例をあげると、社員が個人の成績を気にするあまり、チーム全体の利益をどうでも良いと考えて無視してしまう状態です。もっとわかりやすく言うと、他の人を蹴落としてでも自分だけは這い上がろうとする人が出てくるということです。

そこまで極端な例でなくとも、本当はチーム全体のことを考えればチームの後輩メンバーに技術的指導をした方が良い場面があったとしても、個人の生産性ばかりを気にしてしまうと、「他の人に教える時間は自分の生産性を落とすだけで無駄になる」と判断してしまうことになります。

組織の仕事というものは個人ではなくチームで行うものです。当然のことながらチームの成果が最大化されることが重要です。個人だけではなくてチームの成果も重視するように工夫が必要です。極端な個人主義はチームの生産性を低下させます。

個人の数値だけではなく、チームへの貢献を評価する必要があります。そうしないと協調性が失われ、社員がチームの成果に貢献するやる気が奪われます。

まとめ

業務改善しようと自分は頑張っているつもりでも、気をつけないと社員のやる気を奪ってしまう要素は色々とあります。アクシアもまだまだ発展途上ですので、今回あげた7つの法則以外にも今後アップデートしていきたいと思います。