システム開発の仕事をしていると様々なトラブルに遭遇するわけですが、エンジニアなら経験済みですぐに理解できる話であっても、システム開発という専門的な内容になるとうまくその内容が伝えられないこともあります。そんな時に私は身近なものに例えてわかりやすく説明することがよくあるのですが、今回はシステム開発をラーメンに例えてみることにしました。
いつもお世話になっているいらすとやさん、さすがです。ラーメンで検索してみたら有益な素材がたくさん見つかりました。ありがとうございます。今回は私の大好きな家系ラーメンの画像をお借りしました。
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ラーメン食べさせてくれ、ただし金はない
はい、いきなり何言ってるか意味がわからないですよね。金がないのに飯食わせろなどと言ったら無銭飲食です。おまわりさんがやってきてしまう事案です。ラーメンで例えてみると理不尽極まりないことがすぐにわかるのですが、システム開発やってるとたまにこういう意味不明なお客さんが問い合わせしてくるんですよね。
さすがにこういうとんでもない問い合わせはレアケースではありますが、「システム開発をお願いしたい、でもお金はないんだよね」ということ言うお客さんは実在します。システム開発やりたいなら金を用意してきてから来い。ラーメン食べたければ金払えというのと同じですよ。
ラーメンは食べるが、金は美味かったら払う
ラーメン屋さんで「金は美味かったら払う」なんて言ったらとんでもない話ですが、システム開発においてはまれに「良いシステムができたら金は払う」という顧客が現れます。
金を払うかどうかの基準は美味かったら払うではなくて、注文通りの商品が出てきたら金を払うのが正しい。あなたの主観的な判断で勝手に美味しいかどうかを決定して金を払わないみたいな暴挙はやめてくださいね。
食欲なくなったからお金は払わないよ
ラーメンを注文後に「やっぱり食べたくなくなったからお金払わないよ」と言ったらとんでもない話です。食べたくなくなったのは客の都合であってラーメン屋には何の落ち度もありません。
それなのにシステム開発だと開発完了してシステムを納品後、「あのシステム使わなくなったからお金も払えない」みたいなことを平気で言ってのける顧客が現れることがあります。争っても勝てるわけないのにダメ元でそういうこと言うのやめてください。
やっぱり卵も追加して?もちろん無料で
ラーメンを注文した時に最初のオーダーで卵のトッピングを追加していなかった場合でも、後からやっぱり卵も食べたくなるということはあります。そういう時は追加オーダーするわけですが、当然のことながら追加オーダーした卵の分の料金は追加で支払います。人として当たり前の話であります。
それなのにシステム開発やってるとなぜか、最初の見積もりには含まれていなかった追加機能を開発してほしいと頼まれているのに、追加の料金は払わないという顧客がいます。「当然最初の料金に含まれているよね?」ということを言うわけです。
最初に卵を注文してないのに、卵の分の料金が初期料金に含まれているわけがないでしょう。
当然、卵は付くものだと思っていた
ラーメン屋さんで「当然、卵は付くものだと思っていた」とごねる顧客は普通いません。でもシステム開発だとこういうこと言う顧客が時々現れます。
もちろん、ラーメンをオーダーしたのに麺が入っていなかった、みたいなケースであればどう考えてもお店側に責任があります。麺は当然入っているものだと思っていたと言われてもそれは当たり前の話でしょう。しかし卵は別です。
すべてのシステムに当然備わっている機能、その機能がないと一つのシステムとして成り立たない機能みたいなものが抜け落ちていたのだとすれば、それは開発会社側の責任です。
しかしラーメンであれば卵のような、オプション的な内容についても「当然付くものだと思っていた」と言われても困ります。当たり前の話なのに金を払いたくない言い訳で強引にこういうこと言うのはやめてください。
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卵を食べるか聞かなかったそちらの責任
ラーメン屋さんで卵無しのラーメンをオーダーして、後から「卵付けるかどうか聞かなかったよね?聞いてくれなかったそちらの責任だから無料で卵つけろ」みたいなこと言いますか?言いませんよね?
挙句の果てには「我々はシステムの素人だよ?」と素人であることを大義名分にしてくることもあります。「我々はラーメンの素人だよ?」と言って卵を無料にしろとか言いませんよね?いかにおかしなことを言っているのかわかってほしいです。
卵を付けてくれるまで金は払わない
色々(理不尽な)交渉を繰り返した結果が不発に終わると、最後には「我々が望む追加機能を無料で対応してくれるまで金は払わない」と言い出す顧客がいます。とんでもない話ですよ。下請法とかに完全に引っかかります。
ラーメン屋さんで「無料で卵つけてくれるまで金は払わないぞ」みたいなこと試しに言ってみたらどうですか?すぐにおまわりさんが駆けつけてきてくれますよ?
30秒でラーメン出せ
確かに世の中にはオーダーしてから30秒でラーメンを出してくれるラーメン屋さんもあります。ありますけど、普通は一つのラーメンを作るのに数分はかかります。それなのに「30秒で出せ」みたいなことを言うのは無茶苦茶な話ですよね。
システム開発でもこういうことはよくあります。普通は開発するのに半年かかるシステムを「いいから1ヶ月で作れ」みたいなことを言う顧客。
無理なものは無理なのでそんな無茶な要求すれば、茹で上がってない麺で必要な具材も揃っていないラーメンが出てきても当たり前の話ですよ?
やっぱり味噌ラーメンにして?もちろん無料で
最初に豚骨ラーメンをオーダーして、ほとんど完成したあとで「やっぱり味噌ラーメンにして」と言われても困るのはわかりますよね。確かに同じラーメンですけど、豚骨と味噌は全く別物なので、後でそんなことを言われてもどうしたって作り直しになってしまいます。料金も作る時間も倍かかってしまいます。
システム開発でも同じようなことが起きることがあります。あるシステムの開発をオーダーされて、そのシステムがほとんど完成した後に「やっぱりこういうシステムにして」と無邪気に言われてしまうことがあります。見かけは似たようなシステムに見えていたとしても、中身は全く別物であればほとんど作り直しになってしまうことだってあります。
別のシステムを作り直せというのであれば作り直しますが、最初に作りかけたシステムと後から作り直すシステムの両方の料金は払ってくださいね。
ラーメン一つ作るのにいつまで時間かかってるんだ
一つのラーメンを作る時間を5分とした場合に、オーダーしてからラーメンが出てくるまでに10分かかってしまったのであれば文句を言われても仕方ないかもしれません。でも豚骨ラーメンをオーダーしたのに後から「やっぱり味噌ラーメンにして?」と言われた場合、作る時間も2倍になるお話はさっきしました。
システム開発でも最初にオーダーされたシステムだと開発期間を3ヶ月と見積もっていたとしても、後から次々の追加のオーダーをされた場合には、基本的にはそれに合わせて開発期間も追加で必要になるものです。
開発完了間近に「やっぱり味噌ラーメンにして?」と言われてしまったら、開発期間も倍の期間が必要になるわけですが、それで「いつまで時間かかってるんだ!」というのはお門違いです。
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カップラーメンだったら100円で食えるじゃないか
ラーメン屋さんに食べに行って「カップラーメンなら100円で食えるじゃないか!」と値段に文句言う人はいませんよね。当たり前です。でもシステム開発だとそういうこと言う人は時々います。
オーダーメイドでシステムを作る場合はその分の人件費が発生するので当然高くなるわけですけど、パッケージシステム等の料金を持ち出してきて、何でこんなに高いんだと怒るわけです。Excelはこんなに安いじゃないかと。お前のところも1~2万でシステム作れと。
ひどい場合だと「何でシステム作るのにお金かかるんですか?今どきフリーソフトみたいな無料のものだってたくさんあるじゃないですか!」とか言われます。OK、それじゃフリーソフトでご自由にやってください。
自分で作るからラーメンの作り方教えて
料金伝えたら高いからいらない、でも商品は欲しいから自分で作る、作り方教えて(無料で)というわけです。
仮にラーメンの作り方を教えるとして、教えるのにも時間がかかります。当然のことながらそれにかかる時間の人件費が必要になりますよね。普通にラーメン注文するよりも高くなりそうですよね。
それに一つのラーメン作り上げるためにそこには長年積み重ねてきたノウハウがあるわけですよ。場合によっては口外禁止の秘伝のタレとかもあるかもしれません。そんな気軽に「やり方教えて」というのは、場合によっては無礼にあたることだってあるかもしれません。
システム開発だって同じですよ。エンジニアは一つのシステムを作り上げるために日々スキルアップに励んでいるわけです。それを簡単に「やり方教えて」ということが、いかに無謀なことであるかおわかりいただけますでしょうか。ましてや無料で教えてくれなんてとんでもない話です。
今後も食べにくるから安くしてくれるよね
ラーメン屋さんに食べに行って「今後も食べに来るから安くしてくれるよね」とか言ってる客がいたとしたら、卑しいにも程がありますよね。私がいつも利用させてもらっているラーメン屋さんでは、いつの頃からかいつも私に卵を無料サービスしてくれるようになったのですが、サービスしてくれるかどうかはラーメン屋さんが決めることであって、客の方から要求することではありません。
システム開発も同じことです。「今後も継続的に発注するから安くしてよ」と要求するのは卑しいと自覚してください。経験上、こういうこと言う顧客が本当に継続的に発注してくれた試しは一度もありません。本当に継続的に発注してくれる優良顧客はこんなことは絶対に言いません。
まとめ
システム開発という形のない商品だとわかりにくいことでも、ラーメンという身近で有形の商品に置き換えてみると、いかに理不尽なことが起きているのかイメージしやすいのではないでしょうか。システム開発に限らず、どの業界・サービスにも適用できる内容だと思います。
もし「他にもこんなこともある!」という内容を思いついた方はぜひお知らせください。良さそうな内容だった場合には記事に追記させていただきます。