単に私がラーメンが好きだからというだけの話なのですが、私はラーメンを例え話に使うことがよくあります。先日もこんなブログを書きました。
こちらの記事は、システム開発の仕事の現場で起きる理不尽な事柄を「ラーメンに例えるとこんなにおかしなこと言ってるんですよ!」とわかりやすく例えた記事になります。ラーメン屋さんでやったら一発で通報案件になりそうなことも、システム開発の現場では割と普通に行われてしまったりするんですよね。
この記事を書いたところ「でもラーメン屋の方がおかしいことだってあるぞ」というコメントもそこそこいただきました。もうまったくおっしゃる通りでございます。システム開発の外の世界の人から見たら、何でこんなおかしなことやってるの?ということが、残念ながら我々IT業界にはたくさんあることも事実です。この辺りは業界内部の人間である我々が少しずつでも良い方向に是正していかねばならないところでもあります。
というわけで、本日はラーメン屋(システム開発会社)の方が理不尽なケースについてラーメンに例えてみました。理不尽な顧客について描いた先日の記事とは逆バージョンとなります。
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頼んだものと違うラーメンが出てくる
豚骨醤油ラーメンを頼んだはずなのに、なぜか塩ラーメンが出てきたらおかしいですよね。オーダーした商品が提供されるのが普通です。
しかしシステム開発の世界では、顧客がオーダーしたもの(仕様書に定義したもの)と異なるものが納品されてきてしまうことも残念ながらあるようです。仕様書にない内容を要求してくる理不尽な顧客ももちろんいるのですが、仕様書で定められたものは満たさなければならないのは当然のことです。
ラーメンを頼んだのに麺が入っていない
ラーメンをオーダーしたのに麺の入っていない状態でスープだけが入った状態で商品が提供されてきたらびっくりしますよね。いい加減なシステム開発会社に依頼してしまうと残念ながらこういうことはありえる話です。
例えば会員管理機能を作ってもらったはずなのに、会員を登録する機能だけどこにもありませんみたいな。嘘みたいな本当の話です。
システム開発は原則としては仕様書が正義ですが、そうは言ってもいくら何でも会員管理機能をオーダーしたのに、会員登録する手段がないみたいな仕様書であれば、それは要件定義や設計の瑕疵と考えるのが当然です。これを「仕様書にない」と言って開発会社が突っぱねるのは少し無理があります。
これが「チャーシューが入っていない」「煮玉子が入っていない」ということであれば、仕様書に定義されているかどうかが全てになりますが、さすがに麺が入っていないとかスープが入っていないとかだとラーメンとして成り立ちませんので開発会社側に問題があると言わざるを得ないでしょう。(スープがないラーメンはあるかw)
必要以上の過剰なラーメンが提供される
お昼のランチとして何か食べたいなと思ってラーメン屋さんに入った時に、普通は空腹を満たせて普通にラーメンとして美味しいことを期待しますよね。料金的には600円~1,200円くらいをイメージするでしょうか。
これがランチでふらっと入ったラーメン屋さんで「我々は具材にこだわっています」とか言われて、1万円のラーメンを突然出されたらびっくりしますよね。おいおいちょっと待てよ!となりますよね。システム開発ではこういうことが時々発生します。
顧客が求めているニーズが何であるかを適正に見定めて、それに見合った提案を行うのがプロフェッショナルというものですが、自分達が売りたいからという理由で過剰な機能を提案してくる開発会社も世の中にはあります。
顧客が本当に求めているものは何なのか。本当に必要とするものは何なのか。ここをしっかり見ることが大事です。小腹を満たすことが最優先の顧客には、もしかしたら100円のカップラーメンを提供すれば良いかもしれない。それなのに具材にとことんこだわった豪華な美味しいラーメンを提供しても顧客は「こんなはずじゃなかった」となるかもしれません。
完全に私が悪いのですが、高校生の時の修学旅行で京都に行った時に、ふらっと入ったお店で豆腐を一つ食べたら3千円も取られて「こんなはずじゃなかった」となった若き日の想い出を思い出しました。高校生の私が求めていたものは一つ3千円の高級な豆腐ではなく、500円で気軽に食べられる食事でした。
ラーメン屋なのにラーメンを作れる人がいない
ラーメン屋さんに入ったら普通はそこのお店でラーメンを作ってくれると思いますよね?これって当たり前の話ですよね?ところがIT業界ではこれが当たり前の話ではないのです。
システム会社なのに、システム開発をやりますと言っているのに、その会社には開発を行える人が一人も在籍していないなんてことが当たり前にあるのがIT業界です。
自分のお店ではラーメンを作れないから、別のお店にラーメンを発注する。そして発注先のラーメン屋さんでも自分ではラーメンを作ることができないから、また別のお店に発注する。いわゆるIT業界の多重下請け構造というものです。
こんな感じで多重下請け構造で仕事を流していると、ふらっと入ったお店で1,500円でオーダーしたラーメンが、3軒となりの別のお店で600円で売られているラーメンだった、みたいな話が普通にあります。
アクシアのようにお客様からオーダーいただいたシステムを全部自社で開発している開発会社の方が珍しいです。
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就職したラーメン屋から別のお店に派遣される
就職に関してもIT業界ではとても変なことが起きます。「ここのラーメン屋さんで働きたい!」と思って応募して面接したら、普通そこのお店で働けると思いますよね?普通はそうです。ところがIT業界ではこれが普通ではないんです。
就職してやっとここのお店で働ける!自分はこれからこのお店の仲間と頑張っていくんだ!と勇んで初出勤すると「君は今日からここのお店で働いてきてね」と全く別のお店に派遣されてしまう。派遣会社でもないのにそういうことが普通に行われてしまっているのがIT業界です。
営業の人に連れられて知らないお店の面接に行ってみると、そこのお店の営業の人に「あとはよろしく!」とバトンタッチされて、さらにまた別の知らないお店に連れて行かれてしまう。この業界の実情を全く知らない人からすると「またまたー、そんなおかしなことあるわけないじゃんw」と思われるかもしれませんが、あるんです。普通に。
そして最終的に派遣された全く知らないお店では、自社の労務管理が行き届いていなかったり、知らないお店の人に好き勝手な指図をされたり、働く現場では自分の会社の人が全くいなかったり、そういう理不尽なことが起きることがあります。
IT業界を目指している駆け出しエンジニアの皆さんには、本当にそこの会社は自分の求める働き方を実現できる会社であるのかを、どうか十分に調べて検討してから、ご自分の進む道を決めていただけたらと願います。
ラーメン屋に就職したのにラーメンを作らせてもらえない
ラーメン屋さんに就職したらラーメンを作らせてもらえると思いますよね?多少の下積み時代があったとしても、永久に皿洗いだけしかやらせてもらえないみたいなことが起きるわけないと思いますよね?ところがIT業界には残念ながらそういうことを平気でやる会社があります。
エンジニアとして就職したはずなのに、なぜかやっていることはExcelスクショ。いや、Excelスクショがダメだと言っているわけではないです。Excelスクショだって立派な仕事だし、エンジニアだってExcelスクショすることは普通にあるでしょう。
だけどエンジニアとして就職したはずなのに、いつまでたっても開発の仕事はやらせてもらえず、来る日も来る日もずっとExcelスクショだったらどうですか?おかしいですよね?私はおかしいと思っています。
しかも3年間Excelスクショしかやらせてもらっていないのに「エンジニアとしての経歴3年です!」とか対外的には会社がアピールしていたりもします。ラーメン屋さんで皿洗いしかやらせてもらっていない人が、ラーメン職人として3年間やってきました!と言っているようなものですよ。
Excelスクショ以外にも、なぜかエンジニアとして就職したはずなのに家電量販店に派遣されてしまったりと、エンジニアとは無関係の仕事をやらされるような会社も残念ながらたくさんありますね。
さっきも書きましたが、エンジニアを目指している駆け出しエンジニアの方は、本当によく調べてから自分が就職する会社を決めてくださいね。
前にラーメンネタで記事を書いた時には、IT業界の顧客側の変なところをご紹介しましたが、今日はIT企業側の変なところをラーメンネタでご紹介しました。他にもこんな変なところもあるよ!という話があればぜひご連絡ください。お待ちしております!