株式会社アクシアでは今期の目標の一つとして有給消化率100%という目標を掲げてきました。おかげさまで今月でその目標は無事達成となりました。弊社での有給に関する取り組みは先日NHKさんにも取材していただきまして、日曜日のニュース7で取り上げていただきました。
2019年4月からは有給取得の義務化も始まります。この法律改正では「従業員が有給を取らなかった」では済まされません。企業には従業員に有給を取得させる義務が生じます。この法律改正により中小企業の中には悲鳴をあげている企業もたくさんあるようです。
世間では有給取得義務化なんてしたら経営が立ち行かなくなる会社があるなど色々言われておりますが、有給消化率100%を実現した企業の経営者として思うことを書いてみようと思います。
有給消化率の向上は経営にマイナスなのか
従業員がたくさん有給を取得すると会社経営にはマイナスだという意見があります。社員が有給を取ると売上を上げてくれる人的リソースが減少し、しかも人件費はそのままなのでこれは一理あります。
しかしこのごく一部分の事実だけを切り取って、有給取得は会社経営にとってマイナスだという主張をすることは短絡的すぎます。
その証拠として、有給消化率100%を実現したアクシアの今期の売上は、創業以来過去最高売上を達成しています。
もちろん売上の要因は色々ありますから、有給消化率100%にすれば売上が必ず上がるなどと言うつもりはありません。ただ、社員に有給を取らせると売上が落ちるとか、経営が立ち行かなくなるという主張は短絡的すぎると言いたいのです。
有給消化率100%でもなぜ売上が伸びるのか
有給とは、人件費はそのままなのに人的リソースが減少する営みです。ここだけ見ると確かに有給は会社経営にとってマイナスに見えます。ではなぜアクシアでは有給消化率100%にしても売上が伸びたのか?
答えはシンプルです。普段から徹底的に業務効率化を行っているからです。
私のブログやSNSをご覧になられている方は既にご存知の通り、株式会社アクシアは有給消化率100%だけではなく、残業ゼロの会社でもあります。2012年からずっと残業ゼロです。
アクシアには残業ゼロを継続するために徹底的に業務効率化を行う文化があります。業務効率化の文化があるので、正直言って有給消化率100%を達成するのはとても簡単でした。楽勝です。
残業ゼロも有給消化率100%も、その背景にあるのは業務効率化です。両方とも行っていることは業務効率化であり、業務効率化が本質です。徹底した業務効率化があるから、残業ゼロも有給消化率100%も実現できるのです。
言い方を変えると、有給消化率を改善できない企業は、業務効率化が不十分だから有給消化率を改善できないのです。
社員が有給取得するから経営が立ち行かなくなるのではありません。業務効率化ができていないから経営が立ち行かなくなるのです。
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どうやって業務効率化を進めるのか
残業ゼロも有給消化率100%も行っていることは業務効率化であると既に述べました。だから有給消化率を改善するために行うべきことは業務効率化であり、残業削減のために行うことと何ら変わりはありません。
業務効率化の具体的なやり方については各社自分たちのやりやすい方法で行えば良いと思いますが、参考までにアクシアで業務効率化を行う時にいつも考えることは基本的に下記の4つです。
- 仕事の見える化
- 仕事の廃止
- 仕事の自動化
- 仕事の標準化
中でも一番最初の見える化は最も重要です。見える化されていないものはマネジメントすることもできないからです。Excel管理でも何でも良いので、まずは必要な情報を見える化しましょう。
業務効率化を阻害する外部要因
自分たちでどんなに業務効率化を頑張ってもそれだけでは業務効率化は実現できません。我々がどんなに頑張って改善しても、それを邪魔してくる存在があるからです。
業務効率化を阻害する大きな要因の一つが「顧客」です。
先日アクシアの事例をNHKさんで取り上げていただいた時には、有給取得が進まない要因として「取引先との関係」がクローズアップされていました。取引先の関係があるから有給取得義務化は中小企業には難しいと主張する印刷会社さんの事例が取り上げられていました。
業務効率化を推進していくためには、理不尽な顧客との関係を見直すことは絶対条件です。ここにメスを入れずして業務効率化を実現することは不可能です。よって理不尽な顧客との関係を断ち切ることのできない企業には、残業ゼロも有給消化率100%も絶対に達成不可能です。
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業務効率化を進めるには投資が必要不可欠
業務効率化が重要であることを理解いただいたら次は具体的な施策を考えていくわけですが、ここで大事なことを再認識いただくために、当たり前すぎることを主張したいと思います。
業務効率化を進めるには投資が必要不可欠です!
業務効率化を実現するためには、意識改革と仕組みづくりの両輪が必要だと私は考えているのですが、特に後者の仕組みづくりの部分についてはヒト、カネ、時間などを投資していくことが必要不可欠になります。
それなのにこの仕組みづくりの部分まで経営者が従業員に丸投げするだけで「頑張れ」とかけ声だけかけていてもダメに決まっています。
業務効率化を進めたい経営者の皆様。お願いですからきちんとお金かけて投資してください。
弊社の場合だと社内に業務改善チームという専門部隊があります。売上は発生しないので人件費が毎月かかりますが、弊社にとって必要不可欠な存在であり、大切な投資です。
弊社はシステム開発を専門とする会社で、業務の見える化や自動化を得意としてますので「人件費」という形で投資していますが、こういったことが専門外で不得意な企業の場合は「外注費」という形で投資しても良いでしょう。
有給消化率100%になった今期の結果
有給取得を義務化なんてしたら中小企業は経営が成り立たないみたいなことが叫ばれる昨今ですが、参考までに今期の弊社の結果を一部ご紹介します。
- 有給消化率100%
- 残業ゼロ(もはや当たり前)
- 正社員離職率0%
- 創業以来で最高売上達成
経営者としては最後の売上が一番大事です。売上がなかったらどんな施策もボランティア活動になってしまいます。残業ゼロも有給消化率100%も、売上や利益を伸ばすために行っているのです。
離職率0%については今期はたまたまそうなったというだけで、私は別に会社を辞めることが悪いことだと思っていません。それぞれの人生の中で別の道を選択する人もいるでしょう。離職率は高すぎなければ良いくらいの認識です。
長文になってしまいましたが、言いたかったことを一言でまとめると、
中小企業でも有給取得の義務化は全然無理ではない!
ということです。そしてその背景にある本質は業務効率化だということです。
有給取得義務化なんて無理だと主張する企業は、中小企業だから無理なのではなくて、業務効率化が不十分だから無理が生じているとご認識いただくことでスタートラインに立てるのではないでしょうか。
弊社の取り組みが少しでも参考になれば幸いです。