残業ゼロのための取り組みが少しずつ広がってきているようですね。電通の過労自殺の事件や、政府の働き方改革によって残業削減への流れはますます加速しているように感じます。世論だけではなく企業経営面から考えてもこれからは優秀な人材を確保するための採用力強化の取り組みとして、残業削減は避けては通れないテーマとなりました。
では残業削減するために具体的にはどうやればいいの?というところではどこの会社でも苦戦すると思います。色々チャレンジしては見るものの、中々成果となって表れずに悩んでいる企業は多いでしょう。こんな記事も出ていました。
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自分たちの会社の残業が多いIT企業が業務効率化のためのシステムを顧客に提案するなんて悪い冗談でしかないですよね。しかも顧客には業務効率化のための自社製品を売っておきながら自社ではその製品を使っていなかったりする。顧客をばかにしてるのか?
残業が多いことで有名なIT業界の中で、アクシアでは2012年から残業ゼロを実現して現在まで残業ゼロを継続しています。本日はアクシアが業務効率化をするために今まで取り組んできた4つのことをご紹介します。
1.仕事の見える化
業務効率化の取り組みで最も重要な事が仕事の見える化です。これができてないと話にならないと言っても過言ではありません。マネジメントの対象となる情報が見える化されていなければ最適な対応も取りにくいですからね。
アクシアの場合ですと、従業員一人ひとりの生産性の数値がシステムで見える化されています。従業員は毎日日報登録する時に日報登録画面を開くと、そこにその日割り振られているタスクが一覧で出てきます。表示されたタスクごとにその日の進捗を登録していくと自動集計されて生産性の数値が表示される仕組みです。日報登録時に計算されるので毎日最新の情報で更新されます。
このシステムの良いところは、従業員一人ひとりの生産性に対する意識が向上するところです。毎日自分の生産数値を見ることができるので、自分が何をどこまでやればどれくらいの生産性となるのかが従業員が自分で知ることができます。
「何をどこまでやれば良いのかがわかる」というのは結構重要なポイントです。マラソンでも今自分が何キロ地点にいるのかわかると頑張れますよね。逆に後どれくらい頑張れば良いか先が全く見えないと心が折れそうになります。w
ドラクエで経験値を上げるためにひたすらはぐれメタルやメタルキングを倒し続けた経験のある方も大勢いると思いますが、あれはあとどれくらい経験値を上げれば次のレベルに上がるのかが見えているから楽しいんです。後どれくらい頑張れば次のレベルに上がるのか全く見えない状態だったらあんなに退屈で辛い作業はないですよね。w
仕事も同じです。数値が見えているとたとえ退屈な作業であったとしても結構楽しみながら頑張れるものなんです。
生産数値が見える化されているので、その数値に問題があれば従業員が自発的に対策を考えやすくなることも重要なポイントです。メンバー個人だけではなく、チームの周りのメンバーやリーダーにも数値が見える化されてますので、問題が発生していればすぐにわかりますし早めの段階でチームで協力して解決することができます。
アクシアでは他にも色々なものが見える化されていまして、仕事の見える化については他にも色々ご紹介できることがありますので、また別の機会にまとめてご紹介したいと思います。
2.仕事の廃止
ムダな仕事を無くしていくことは多くの会社で取り組まれていることではないでしょうか。今までやっていたムダな仕事を無くすことができれば手っ取り早く生産性を高めることができますからね。
多くの会社で取り組んでいることとして、ムダな会議の廃止やムダな資料の廃止があると思います。アクシアでもムダな会議や資料を無くす取り組みをしてきました。
以前は毎朝10分くらいかけて進捗ミーティングをやっていたのですがアクシアではこれを廃止にしました。上で挙げた生産性管理システムを導入してからは進捗は毎日最新の情報を誰でも見れるようになりましたし、問題点はその都度相談しながら解決しているので改めて毎朝時間を取ることがムダになりました。
よくありがちですが、今までやっていたからという理由で惰性で定例ミーティングみたいなものをやっていることは結構あると思います。やるのが当たり前になってしまっているので何も疑問に思わないわけです。以前は必要だったミーティングが状況が変わって今は不要というケースでも惰性で続けていたりします。
ムダな資料についてはシステム開発の現場ではかなりあると思います。システム開発で作成される設計書というものは、顧客との合意を得るために必要なもの、開発生産性を上げるために必要なもの、運用開始後のシステム保守を行うために必要なものなど、それぞれ目的があるはずです。
しかし中には「それ、無くても何も困らないよね」という設計書が存在していることも多々あります。たまにムダにカラフルでグレートなオリジナリティあふれるドキュメントを作成するエンジニアもいますがあんなの全部ムダです。そこに時間をかける意味がない。
逆に必要なものも含めて一切ドキュメントを作らないという強者揃いのプロジェクトもたまにあるかもしれません。
ムダかどうか判別するのにオススメの方法は、もしその会議や資料が無くなったらどうなるかを想像してみると良いと思います。もし特に不都合なく仕事が進められるならムダなので廃止候補、無いと困るものなら必要なものです。
3.仕事の自動化
これはそれまで人間が手動で行っていた仕事をシステムで自動化することです。例えば手作業で作成していた請求書をボタン一つで出力できるようにしたり、毎月発生する数十件の銀行振込を一括でデータ出力して銀行に送るようにしたりといった感じです。
仕事の廃止ではムダな仕事を無くしますが、ムダではない必要な仕事であっても人間がやらずにシステムで自動化することで大幅にコスト削減できることは色々あります。いつも同じような定型的な作業をしていたとしたらシステムで自動化できる可能性を考えてみると良いと思います。
アクシアではプログラミングのソースコード作成を自動化しています。もちろん全部自動化というわけにはいきませんが、作成した設計書からプログラムのソースコードを自動生成します。多分全体の半分くらいは自動生成で作られてると思います。
登録機能、更新機能、検索機能、削除機能などのわりとシンプルな機能の場合だと自動生成でほぼ全部作れちゃうこともありますね。w
これを他社のエンジニアの人に話すと嘘だと思って信じてもらえないこともたまにあります。
お前それでもエンジニアかよwww
って内心思ってしまいますが。仕事の自動化なんてエンジニアが最も得意とするところですよ。仕事の自動化をしたい企業さんいればいつでもご相談ください。w
こういうのも長年組織として蓄積してきたチームのノウハウですね。プロジェクトごとに解散してしまう常駐開発をやっている会社ではこういうノウハウを蓄積するのは無理でしょうね。
4.仕事の標準化
廃止もできず、自動化も難しい仕事の場合は標準化することを考えます。標準化とはできる限り誰でもできる仕事に昇華させていくことです。言い換えれば属人化を防ぐことです。
仕事の標準化の方法としては、まずは1人しかできない仕事を無くしていくことです。1人しか担当できない業務は他にできる人を増やしたり、あるクライアントの担当が1人しかいなければ担当を複数人体制にするなどです。
またマニュアル作成や教育によって標準化できる仕事もたくさんあります。社内に1人しかできない仕事があって一見難しそうな仕事に見えたとしても、実はマニュアル化するだけで誰でもできる業務に落とし込めたり、教育することによって他の人でもできるようにできたりします。
仕事を標準化するためには、仕事を細かく分解することも重要です。エンジニアの仕事で言うと、プログラマーが開発も行ってプログラムの試験も行っているような会社はたくさんありますが、実はプログラム試験の中には誰でもできるような試験も結構あります。こういう仕事はマニュアル化や教育によって他の人でもできるようにします。付加価値の高いエンジニアに全部やらせる必要はありません。
まとめ
- 仕事の見える化
- 仕事の廃止
- 仕事の自動化
- 仕事の標準化
ここまで4つの業務効率化の方法を見てきましたが、仕事を見える化し、仕事を廃止し、仕事を自動化し、仕事を標準化し、それでも最後に残る仕事があります。それこそが付加価値の高い仕事であり、本来あなたが取り組むべき仕事です。こうやって業務効率化や仕事の分担は進めていきます。
業務効率化して残業削減することは決して不可能なことではありません。しかし闇雲にやっても中々成果となって表れてこないと思いますので、正しい手順で進めていくことが重要です。
ここでご紹介したことが少しでも残業ゼロに向けてのヒントになれば幸いです。