2019年も残りわずかとなりました。本日は仕事納めの人も多いかと思います。私も仕事納めです。あと数日で新しい年が始まりますが、そういうタイミングでは心機一転して新しいことを始めてみようと思う人も多いと思います。よし、エンジニアになろう!と考えている人もいることでしょう。
どんな職業でも当たり前ですが、誰もが最初は業務未経験者としてスタートします。最初から経験者の人なんて当たり前ですが存在しません。みんな少しずつ仕事を通して業務経験を積んでいきます。
そこで時々登場するのが「エンジニアに興味があります!全くの未経験だけどやる気だけは誰にも負けません!」という、やる気のみなぎっている人。
やる気のあることは良いことです。やる気は物事を前に進めるための原動力になります。それは間違いありません。ただそのやる気が他人から評価されるかどうかは別の話です。他人から見れば正直やる気が無くても求めている成果さえ出してくれれば良いわけです。逆にやる気があっても期待する成果が出なければ全く意味がありません。
年の変わり目に新天地を目指して、やる気だけは誰にも負けません!と声高に叫んで、履歴書にもしっかりこの台詞を書いてしまっているような人に読んでほしくて、今年最後のブログを書くことにしました。
本当にエンジニアをやりたいの?
エンジニアに興味があります!全くの未経験だけどやる気だけは誰にも負けません! と言っている本人は、本当にやる気だけは誰にも負けないつもりでいるのだと思いますが、我々採用する側から見るとどのように見えているかについて例え話も交えながら説明しますね。
エンジニアだとちょっとわかりにくいので、ギターが好きでプロのミュージシャンを目指そうと思っている人で例えてみます。プロのミュージシャンを目指すのでとりあえずアーティストの事務所の門を尋ねることにしたとします。ただしギターを弾いたこともないし音楽経験も何もありません。
その状態で事務所を訪問し「ギターに興味があります!ギターがやりたいんです!やる気だけは誰にも負けません!」と叫んでいる人がいたらどうですか?「お?こいつはやる気があって見どころがあるな?」となりますか?ならないですよね?私はならないんですよね。
ギターに興味があるなら、せめてギターを買って自分で弾いてみろよと私なら思うわけです。プログラミングに興味があってエンジニアになりたいと思っているなら、せめて自分でパソコンを買って、実際にプログラム書いてみろよと思うわけです。多分採用する側の人間はみんなそう思っています。
実際にギターを弾いてたくさん練習している人と、単に「ギター大好きです!やる気だけは誰にも負けません!」と叫んでいる人と、どちらの方が本当にギターが好きなんですかね?どちらの方が本当にやる気がある人なんですかね?
正直言って「やる気」などという計測できないものに対して、どちらの方が上なのかなんてわかりませんよね。だから私は言葉でいくらやる気を語られても「ふ~ん」と聞き流します。見るのは過去の実績です。過去の実績からその人がどんな人なのかを見るよう心がけています。まあ言葉だけを信じて騙された経験をしてきているというのもありますが。w
やる気あります!という台詞を言う人も、別に嘘をつこうと思っているわけではないと思います。でも本当に「やりたいこと」と、ちょっと興味を持っただけの「やってみたいこと」は違います。
プログラミングに興味を持って、エンジニアになりたいと思うことは別に悪いことではないですし、IT業界としては歓迎すべきことです。ただ職業にしたいと思うならもうちょっとちゃんと考えるべきです。
仮に全くのプログラミング未経験で就職できる会社があったとして、プログラミングを実際に自分で試して見る前に就職なんかしてしまって本当に大丈夫ですか?職業体験とまではいかなくても、プログラミングを実際に自分で試すくらいのことはしてみてから、それを仕事にするのかどうか考えてみても遅くはないのでは?
実際の開発費用・期間をまとめた資料を無料で差し上げます。資料請求はこちら>>
手っ取り早く業務で経験した方が良いのか?
独学で地道に学ぶよりも、どこかの会社に就職して業務経験を積んだ方が手っ取り早いと主張する人もいます。確かにそれは一理あります。最初は誰もが業務未経験なのでそれは良いとして、プログラムすら自分で書いたことが一度もないような人を採用して育ててくれるような良心的な会社があるならば、その環境を利用した方が早く成長できることは間違いないでしょう。
ただしプログラムすら自分で書いたこともない人を採用する会社がまともな会社なのかどうかはよく考えた方が良いです。
また例によってプロのミュージシャンを目指す人を例え話に使いますが、自分ではギターすら触ったこともないくせに「ギター大好きです!やる気だけは誰にも負けません!」という人を採用する事務所があったらどうですか?何だか怪しくないですか?w
そんな怪しい事務所に所属してもプロのミュージシャンになれるわけがないですよね。いや、プロのミュージシャンを名乗るだけなら確かにできるかもしれません。でも名乗るだけですよ?活躍できるかどうかは全くの別の話ですし、雑用みたいなことばかりやらされていても、一応ギターを弾くことがあればプロのミュージシャンと名乗る人もいるかもしれません。
悲しいことにIT業界にはそんなエンジニア?がたくさんいます。延々とエクセルにスクショを貼り付けるだけの仕事を2年も3年もやらされ続けて「エンジニアのキャリア3年です」と言っている(言わされている?)人がたくさんいます。別にそういう仕事がダメだと言っているわけではありません。ただそれが本当にエンジニアの仕事なのか?という話ですね。
未経験でも手っ取り早く就職させてくれる企業に就職して、そこで業務経験を積むというのは考え方としては一見正しくも見えますが、それが成り立つのはまともな業務経験が積める場合に限られます。とてもエンジニアとは言えないような経験をいくら積まされても、それでエンジニアとしてのキャリアを積めることにはなりません。
IT業界には「プロのミュージシャンになれるよ!ギター弾いたことなくて音楽経験も全然なくたって大丈夫!」みたいな怪しい勧誘をしている事務所みたいなところもたくさんあります。「業務経験積めるならOK」と安易に考えることは避けた方が無難です。
美味しい話にはたいてい裏があります。世の中、そんな美味しい話なんてありませんよ。気をつけましょう。
まずはプログラミングをやってみよう
いきなりエンジニアという職業を目指そうとするとそれなりの努力も必要になりますが、ありがたいことに今は趣味でもプログラミングができる時代です。プログラミングやエンジニアという職業に興味を持った人は、いきなり企業に突撃する前に、そんなに肩肘張らずに気軽にプログラミングを試してみることを強くおすすめします。
ギターが数百万払わないと変えないようなものしか存在しなければ趣味で気軽にギターを弾くなんてことはできないかもしれません。でもそんなことはありません。同じように今の時代プログラミングは数十万、数百万かけないと経験できないようなものではありません。経験するだけ、趣味でプログラミングするだけなら無料でもできます。
エンジニアは稼げるよ!みたいなことを言って、変な煽り方する人達がたくさん増えてきてしまったというのも良くないのですが、趣味でやるならともかく、仕事とするならもう少し真剣に考えた方が良いです。いきなり職業として考えると色々大変なので、まずは気軽にプログラミングに触れてみるというところから始めてみてはどうでしょうか?
実際にプログラミングやってみて、やっぱり自分はこれを仕事にするのはやめておこうとなっても、それはそれで全然OKだと思います。プロのミュージシャンにならなくても趣味でギター弾く人だっていくらでもいますし、趣味でプログラミングやったって全然良いと思います。(趣味でプログラム書くような人は技術力高い人が多いですがw)
実際にプログラミングに触れてみて、自分のキャリアを真剣に考えてみた上で、エンジニアを職業とすることを考えてみたいと思った方は、その時に下記の記事も読んでみていただけたらと思います。とりあえずプログラミングを試してみた後のことも書いてあります。
私は本日で仕事納めにするので今年のブログはこれで最後です。2019年はあまりブログを書きませんでしたが、来年はもっとたくさん色々な記事を書いていこうと考えています。
皆様良いお年をお迎えください。2020年もよろしくお願いいたします。