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どこの業界にも理不尽な要求をしてくる顧客というものは存在します。目の前の売上や今後の取引継続のことを考えると、理不尽な要求だとはわかっていてもついつい飲んでしまうのが経営者という生き物なのです。先日Twitterでこんなツイートを投稿してバズりました。

私もかつては顧客から検収や支払いを盾に理不尽な要求をされて、目の前の会社経営のことを考えて泣く泣く要求を飲んでいたこともありました。なぜそんな要求を飲んでしまっていたのか?やっぱり怖いんですよ。「この顧客の売上がなくなったらどうしよう」「この顧客から今後の取引を停止されたらどうしよう」ということを経営者はいつも頭の中で考えています。

正直今でも怖いです。ブログやTwitterでは威勢よく理不尽な顧客を切り捨てたエピソードを語ったりもしますが、内心は恐怖との闘いでもあります。目の前で掴みかけていた売上が消えるということは、経営者にとっては本当に怖いことなんです。自分だけならまだしも、従業員やその家族の生活にまで責任が及ぶ立場ともなると、目の前の売上を是が非でもつかみにいきたくなる気持ちは、私も経営者ですから痛い程よくわかります。

しかしそれでもやはり、理不尽な顧客は切り捨てなければならないということを私は過去の経験から学んできました。顧客を切り捨てる時には恐怖を感じるかも知れませんが、少し長い目で見れば理不尽な顧客は切り捨てることが正解です。そのことについて、私自身の過去のエピソードを振り返りながら綴ってみたいと思います。

目の前の売上が欲しくて理不尽な要求を飲んでいた

かつての私は、目の前の売上欲しさに顧客からの理不尽な要求も飲んでしまっていました。

  • 契約にはない対応を、納品後に色々と要求される。対応しないと支払いは行わないと言われる。
  • 毎月発注してくれる顧客から、安くしないと今後の取引は見合わせると言われる
  • 普通に開発したらどう考えても1ヶ月かかる開発を、2週間でやれと言われる。やらなければ取引停止をほのめかされる。

今ならどれも全部お断りする内容です。しかし当時の私には断ることができませんでした。売上と顧客を失うことが怖かったからです。しかしそれが過ちでした。

無駄な時間が膨大に増えていく

当たり前のことですが、無茶な要求、無茶な金額、無茶な納期に対応するために、無駄な時間がどんどん増えていきました。顧客の理不尽な要求に応えるために、全員で深夜まで残業していました。

残業まみれに陥ると、さらに負のスパイラルに突入していきます。長時間労働の環境にいるとどんどん体力を削られていきますから、体力や集中力が低下し、生産性が極限まで低下していきます。

こうなるともうどんなに業務効率化を試みても無駄です。いわゆるデスマーチの状態です。

世の中で今デスマーチ状態に陥っているプロジェクトの方は、「顧客からの理不尽な要求を断る」ことはデスマーチから抜け出すための絶対条件の一つだと考えてください。

顧客の理不尽な要求というものは、他でどんなに業務効率化のための努力をしたとしても、全ての努力を簡単にぶち壊すくらいの破壊力があります。ここで理不尽な顧客に対して鉄壁のディフェンスができるかどうかは、長時間労働から脱することができるのかの重要なポイントとなります。

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優良顧客に時間を使えなくなっていく

無駄な時間が膨大に増えていった結果どうなったのかというと、優良顧客に使える時間がどんどんなくなっていきました。なぜなら、理不尽な顧客からの要求に対応するためにほとんどの時間を使ってしまうからです。

無駄な時間の8割以上はごく一部の理不尽な顧客から発生しています。嘘だと思うならざっくりとでも良いのでぜひ計測してみてください。無駄な時間の大部分は一部の顧客のみから発生していますから。パレートの法則って本当秀逸ですよね。

理不尽な顧客に対応するために業務時間の多くを使ってしまうので、本来なら本当に時間を使いたい優良顧客に使える時間がどんどん少なくなっていきます。そしてその結果がさらなる悲劇を生み出していきます…。

売上・利益が落ちていく

優良顧客に使える時間が削減されていった結果、売上と利益が落ちていきました。

売上・利益が落ちた原因の一つは、優良顧客の離脱です。優良顧客に使える時間が少なくなってしまったことにより、優良顧客へのサービス品質が低下し、それによる不満が発生して、優良顧客から取引を停止されてしまうということが発生しました。

理不尽な顧客からの取引停止を恐れて理不尽な要求を飲んでしまったばかりに、優良顧客から取引停止されてしまうという悲劇を生んでしまったのです。

売上・利益が落ちたもう一つの大きな要因があります。それは、優良顧客の方が売上や利益が高く、理不尽な顧客の方が売上や利益が低い傾向があるからです。大きな売上や利益を与えてくれる優良顧客を手放し、大して売上も利益ももたらしてくれていない理不尽な顧客を必死につなぎとめるという壮大で笑えないコントを展開してしまっていたのです。

負のスパイラルに陥っていく

ここまでくるともう結構なジリ貧です。最初に「売上や顧客を失うのが怖い」という気持ちから理不尽な要求を飲んでしまっていたわけですが、そのために優良顧客を結果的に失ってしまっているわけです。状況が悪化してさらに後に引けない状況になってしまっています。

最初に理不尽な顧客の要求を断ってでも、優良顧客の方を大事にしておけばよかったのに、それをしなかったので本当に失いたくない方の顧客を失ってしまっているわけです。

優良顧客が残ってくれさえすれば、理不尽な顧客を切り捨てるという選択もいくらかやりやすかったことでしょう。しかし優良顧客が去ってしまった以上、以前よりも理不尽な顧客への依存度が高まってしまった状態です。以前よりも理不尽な要求に従わざるを得ないような状況となってしまっているわけです。

こうして、理不尽な顧客の要求を飲んでしまった結果、優良顧客を失い、理不尽な顧客への依存度が高まり、さらに理不尽な要求でも飲まざるを得ないという負のスパイラルに陥っていきました。

怖くても理不尽な要求は断りましょう

冒頭でも書きましたが、今でも私自身理不尽な顧客の要求を突っぱねるのは怖いのです。経営者にとっては売上や顧客を失う怖さは尋常ではないのです。自分の勤めてる会社の経営者に対して「理不尽な顧客なんか切り捨てればいい」と上から目線で正論だけ吐くのは気の毒なのでやめてあげてください。w

それでもやはり理不尽な要求は断らなければなりません。感情では怖いと感じますが、理性で考えれば理不尽な要求はお断りすることが正解です。

アクシアの場合は色々あって2012年10月1日からいきなり残業ゼロにしました。理不尽な要求に従うと残業をやらざるを得なくなりますが、逆に残業ゼロにすると理不尽な要求を断らざるを得なくなりました。そうしないと残業ゼロを維持できないからです。

残業禁止にして、理不尽な顧客の要求をお断りするようになってから、それまでとは逆の現象が次々に起きるようになりました。

無駄な時間が少なくなった

理不尽な顧客の要求を断るようになると、無駄な時間が少なくなります。既に書きましたが、業務の中の無駄な時間のほとんどは一部の理不尽な顧客のせいで発生していると考えて間違いありません。

そうすると理不尽な要求をしてくる一部の顧客がいなくなるだけで、今まで発生していた膨大な無駄な時間がなくなるということになります。優良顧客から発生する無駄な時間はほとんどありませんから、考えてみれば当然のことです。

優良顧客に使える時間が増えた

それまで理不尽な顧客のせいで発生していた膨大な無駄な時間がなくなったので、優良顧客にたくさんの時間を使えるようになりました。

そしてその結果として、売上と利益も増えていくことになります。

理不尽な顧客っていくら時間使っても全然売上増えないんですよ。無駄な時間が増えるだけで。それに対して優良顧客の場合は時間を使えば使うほど売上が増えていくイメージです。

当たり前ですが時間は有限です。残業すれば時間は無限にあるとか錯覚している人は今すぐにその考え方は改めてくださいね。時間が無限にあると発想するのは頭の悪い人がすることですよ。

有限の時間をどこに振り分けていくのか。これは非常に重要な経営判断です。はっきり言って、時間使っても全然売上増えない理不尽な顧客の要求に貴重な経営リソースを割いている場合ではないのですよ。限られた時間という貴重な資源は、売上の上がる優良顧客にこそたくさん使うべきです。

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取引先は分散しておく

理不尽な顧客の要求を断りやすくするために行っておくべきことは、取引先(売上)を分散しておくということです。

取引先や売上が極端に偏っていると、その相手が理不尽な要求をしてきたとしても簡単には切り捨てられなくなります。仮に取引先が1社しかない状態で、その相手を切り捨てるということは、自ら自分の息の根を止めるに等しい行為です。

取引先1社あたりの売上が全体の20%を超えないようにしておくなどしておくと、万が一理不尽な要求をされてそれを断り、取引停止になったとしても致命傷を負わなくてすみます。

顧客と交渉する時は「取引しない」という選択肢を常に持っておくべきです。これがないと相手の理不尽な要求に屈して奴隷に成り下がってしまいかねません。納得できない条件のときには「取引しない」という選択を取れるようにしておくことで、余裕を持って対等な交渉が行なえます。

理不尽な要求をされなかったとしても、取引先が倒産したりするリスクもありますから、取引先を分散しておくことは経営の基本ですね。

理不尽な顧客の要求を断れば良いスパイラルに入る

理不尽な顧客の要求を受け入れていると、優良顧客を失いどんどん負のスパイラルに陥っていくことは既に述べたとおりです。

これは逆のことも言えます。理不尽な顧客の要求を断っていけば、結果的に理不尽な顧客が去っていき、優良顧客ばかりが残るようになります。その結果としてどんどんとプラスのスパイラルに入っていきます。

ホワイト企業はホワイトな客と取引し、ブラック企業はブラックな客と取引する

これが真理だと思います。だからこそ理不尽な要求はきちんと断らなければなりません。


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