SES勤務のエンジニアが社内開発の会社へ転職できない5つの理由


エンジニアからは極めて評判の悪い、エンジニアを客先常駐で働かせるSESと呼ばれる形態について、このブログにおいて私自身も何度となくSESを批判してきております。

人売りIT派遣企業は現代の奴隷制度そのもの

これだけエンジニアに評判の悪いSESですが、そんなに嫌ならなぜSESを辞めて他の会社に転職しないのかという疑問が自然と出てきます。そこには何か理由があるはずで、転職することが容易であればSES企業から他の社内開発を行っている会社へのエンジニアの転職がもっと当たり前にあっても良いはずです。

その点について私自身もずっと疑問に感じてきており、自分の中でいくつかの仮説は持っておりましたが、今回改めて現役でSES企業に勤務されている方、または過去にSES企業に勤務されていた方に向けて、ツイッターで質問を投げかけてみました。

フォロワーの方の数が増えてくると、こうしてツイッターで質問をするだけでたくさんの方が有益な情報を返してくれるのは非常に便利ですね。たくさんの有益な情報をご提供いただきありがとうございました。

おかげさまでたくさんの有益な情報が集まりましたが、お寄せいただいた情報を私の方で系統別に分類してみたところ、大きく分けて次の5種類に分類することができました。

  1. 社内開発の会社を見つけられない
  2. SES企業以外の選択肢が頭にない
  3. 転職活動をする余裕がない
  4. 自身のスキル不足への恐怖
  5. 環境が変わることへの恐怖

なお、系統別に分類するためにある程度私の判断でいただいた情報を取捨選択している部分もありますので、寄せられた全ての情報をご覧になられたい方は、上記の私のツイートへのリプライ及び、引用リツイートの一覧をご覧いただければと思います。

1.社内開発の会社を見つけられない

客先常駐ではなくて社内開発できる会社に就職したいと多くの客先常駐エンジニアが思っているわけですが、そもそも社内開発をやっている会社を探そうと思ってもそういう会社を発見すること自体が困難という問題があります。

  • 社内開発をやっている会社を探すのが困難
  • 地方だと100%自社開発の会社がほとんどない

下記ブログ記事にもあるように、SES企業の見分け方を私自身も記事に書いたことはありますが、何も知らない人が一見するだけではその会社がSESであるかどうかを簡単には判別できないことはよくあります。

人売りIT派遣企業(SES・客先常駐)の見分け方

SES企業はシステム開発会社とは全く別業種としか言いようがなく、一括りにIT企業としてしまっていることによって各方面で弊害が出てしまっています。SES企業とシステム開発会社は業種を完全に分けて求人サイトにも掲載するべきだというのが私の主張です。

システム開発とSESは全く別の業種として明確に区分すべき

また東京だとSES以外の会社を探すことも不可能ではありませんが、地方へ行くと本当にSESの会社しか存在しないような場合もあります。アクシアでは札幌にもオフィスがありますが、札幌進出する際の事前調査でも札幌にはほぼSES企業しか存在しないことがわかっていました。

もちろん地方にもSESではない普通のシステム開発の会社もあるにはあると思いますが、東京以上にそういう会社の数は圧倒的に少ないというのが現状ですね。

この辺の問題を解決するための何かしらの仕組みはアクシアとしても今後考えていきたいと思っています。どこか一緒に組んでやってくれる人材会社とかあればぜひご連絡いただければ幸いです。

とりあえず客先常駐一切無しを約束してくれてエンジニア募集されている企業さんがあれば、ご連絡いただければ求人情報をツイッターでシェアするくらいのことは私の方でもやらせていただきますのでこちらもご連絡お待ちしております。

2.SES企業以外の選択肢が頭にない

寄せられた多くの意見の中には、下記のようなものも多く見受けられました。

  • 自社開発をやる「予定」の企業ばかり
  • SESがやっている社内案件は炎上案件が多い
  • SESで社内開発しててもアサイン次第でSESをやらされてしまう

これはまあ、その通りですよね。SESあるあるですが、自社開発やる予定ですよー、と言っているSES企業は山ほどあります。しかし悲しいことに予定は予定のまま終わることが多いものです。本気で自社開発する気がある会社なら既に何かしらの行動に着手していることでしょう。

そしてSES企業で手がけている社内開発案件では炎上案件となってしまうものが多数あるようです。そりゃそうですよね。SES企業の実態は開発会社ではなくて派遣会社ですから。派遣会社が請負でシステム開発の仕事を行うようなものです。そりゃ炎上もしますよ。

あとSES企業が社内開発案件でエンジニアを釣って、そのプロジェクトが終わるといつの間にか客先常駐プロジェクトにアサインされていたなんて話もSESあるあるですよね。

これらいただいたご意見はどれも正論でごもっともなんですが、でもこれってSES企業以外の選択肢が頭にないですよね?転職先が社内開発もやっているSES企業前提の意識になってしまっていて、SESを全くやっていない会社への転職という発想がないようです。

世の中にはSES以外の会社だってあるわけですよ。アクシアでも客先常駐の仕事は一切ありませんからね。毎日のようにSES企業から営業されますし、たまに既存顧客から客先常駐の依頼を受けることもありますが全部断ります。

もっと言えばエンジニアが働く会社は別にシステム開発の会社以外にもたくさんあるわけですよ。ウェブサービスを運営している会社のエンジニアになるとか、全然ITとは関係ない会社の社内エンジニアになるとか。

転職先がSES企業しかないという考え方はあまりにも視野が狭いとしか言いようがありません。もう少し柔軟な発想で色んな選択肢を検討してみるべきでしょう。

3.転職活動をする余裕がない

これは別にSESに限った話でもないかもしれませんが、長時間残業や休日出勤が当たり前になってしまうことが多いSES企業では現実問題として転職活動をする余裕がなくなってしまうこともあるようです。

  • 残業が多すぎて転職活動する時間がない
  • 有給が取れないから平日転職活動できない
  • 低賃金なので辞めてから転職活動もできない
  • 気がついたら転職活動困難な歳だった

確かにSESで働いていると過酷な状況に追い込まれることもありますので気持ちはよくわかります。でもそんなこと言っていてもいつまでたっても状況が変わることはありませんので、自分で何か行動して何とかするしかないです。

これ見ていただいてもわかる通り、文句を垂れ流しているだけではいつまでたっても無限ループから抜け出すことなんてできません。給与アップの交渉をしてみるなり、スキルアップをしてみるなり、転職活動してみるなり、何かしらのアクションが必要です。

残業が多いとか有給が取れないとか確かにそうかもしれないですけど、私だったら仮病使ってでも休んで就職活動して面接に行きますけどね。この辺りはSESの問題と言うよりはエンジニア個人の問題も大きそうです。

4.自身のスキル不足への恐怖

今までSESでたいした業務経験を積むことができなかった等の理由で、自身のスキルに不安があり、SES以外の会社でやっていけるかどうか不安に感じているエンジニアも多いようです。

  • 実務経験に乏しくスキルに自信が持てない
  • 自分はSESでしかやっていけないと洗脳されている
  • 今までのSESの経歴だと断られてしまう

これについては質問箱からもよく「自分の今のスキルで雇ってくれる自社開発の会社はありますか」のようなご質問をいただくことがありますが、まずはあれこれ悩むよりも転職活動してみないことには何も始まらないと思いますよ。

転職活動もやらずに得体の知れない不安に悩まされるよりも、実際に転職活動してみてからその先の行動は考えれば良いと思うんですよね。転職活動してみてやっぱりスキルが不足しているとわかったのであれば、次にやるべきことは何とかしてスキルアップすることだとはっきりするわけですし。

今は特に人材不足の時代ですし、エンジニアの採用には頭を抱えている会社はたくさんありますから、実際に転職活動してみたらあっさり社内開発できる会社に転職できてしまったというようなこともあるかもしれませんね。

5.環境が変わることへの恐怖

今まで慣れ親しんできたSESという環境が変わることへの漠然とした不安のようなものもあるようです。

  • 現状のSESの環境で何とかなってしまっている
  • 社内開発してる会社に転職してもどうせブラックだと思う
  • ごまかしのきかない環境に行くのが怖い

中には現状のSESの環境に特に不満がないという方もいますよね。私としてはSES以外の選択肢も見てもらいたいという気持ちも正直ありますが、現状に満足しているのであればそれはそれで良いかもしれません。

社内開発の会社に転職してもどうせブラックだというご意見については、もちろん社内開発の会社に転職すれば何もかも全て解決してバラ色のエンジニアライフが送れるとは私も思っておりません。SES以外にもブラックな会社は世の中たくさんありますからね。

これはSESから他の会社に脱出する時に限らずだと思うのですが、新しい環境に挑戦して転職することが必ずしもすんなり簡単にいくとは限りませんよね。自分の希望を実現するためには何かのスキルを新しく身につける努力が必要になるかもしれませんし、転職を成功させるためには何社も面接を受ける必要だってあるかもしれません。

楽して良い環境を手に入れようとか考えてもろくなことにはならないと思いますし、新しい環境に適応していくことを拒絶し続けていると気づいたら転職できない年齢になってしまっていたなんてことにもなりかねません。

今の環境が変わる恐怖と、ずっと今の環境のままでいる恐怖とは、よく比較してみた方が良いかと思います。

 

今回ツイッターで私が投げかけた質問に対して、非常に多くの有益な回答をいただけたことに感謝いたします。たくさんの有益な情報をいただけましたので今回その結果をブログにまとめさせていただきました。

エンジニアの人材不足は深刻で、色々な会社でエンジニアを採用したいと考えています。SESのようなエンジニアが搾取される環境ではなくて、エンジニアが幸せなエンジニアライフを送れるような会社にどんどん人材がシフトしていくことを私としては願っております。

環境を変えようと思うと色々と不安はつきまとうと思いますが、エンジニアを必要としている会社は世の中いくらでもありますので、SESに不満を感じているエンジニアの方はぜひ一歩踏み出していただければと思います。

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