SESを正当化する主張でまともなものを一度も見たことがない件


私は普段から客先常駐で開発の仕事を行うSESに対して批判的な立場をとっております。

人売りIT派遣企業は現代の奴隷制度そのもの

その昔私もSESという仕事の世界にどっぷりと浸かり、この業界の仕事の形態がSESばかりだったこともあり、それが当たり前だとすら思っていた時期もありました。それくらいIT業界にはSESが当たり前のように横行していますよね。

別に客先に常駐すること自体が悪だとは思いませんが、「客先常駐+多重下請け」のコンボになるとほぼ間違いなく偽装請負の問題が発生しますし、偽装請負が当たり前に発生してしまう状況に陥ってしまうと、どうしても現場のエンジニアは過酷な環境に追い込まれやすくなってしまいますし、プロジェクト全体の生産性も上がらなくなってしまいます。

SESはその違法性の問題はもちろんですが、それ以外にもシステム開発の業界の生産性を高めてエンジニアの労働環境を改善していくことを考えた時に、SESの存在は害悪にしかならないというのが私の主張です。

こういうことをSNS等で主張しているとですね、SES界隈の方々がSESを正当化する反論をされてくるわけです。中には取るにならないクソリプしてくるどうしようもない連中もたくさんいますが、真面目に考えて主張されてる方もたくさんいらっしゃいます。

しかしながら私自身はSESを正当化する主張でまともだと感じたものは一度も見たことがないように思います。やはりSESはその存在そのものが無い方が良いものという認識です。これについて、よく見かけることのある「SESを正当化する主張」についてまとめてみました。

クリーンでエンジニアのためのSES企業を経営している的な主張

SES企業の経営者が全てマージン搾取目的のクズというわけではありません。中にはエンジニアのためだと思って真面目にSES企業を経営されている方もいるのでしょう。しかしSES企業はどこまでいっても所詮はSES企業でしかありません。

SESは実質やっていることは「派遣会社」なんですよね。それなのに派遣会社としてきちんと免許を取得して経営せずにSESとかいう意味の分からないグレーなことをやるからおかしなことになってしまいます。

私自身も色々な現場に派遣されて様々なプロジェクトを経験できる働き方は一つの働き方であると思いますし、そういう働き方を否定するつもりは全くありません。ですがそれならどうして派遣会社でやらないの?という話なんですよ。

きちんとした派遣会社でやろうとすると色々と法律的な要件が付いていて面倒くさいですからね。多重派遣が禁止されているのでSESの中間マージン搾取構造とは真っ向からぶつかりますし、SESでは当たり前に行われているエンジニアの事前面接も派遣だとできませんね。

要はSESとは派遣会社が本来背負うべき法律的な責任を放棄しただけの違法企業に過ぎないわけですね。技術者派遣事業で本当にエンジニアのことを思うのであれば、きちんとした派遣会社として会社経営されるのが筋というものだと私は考えます。

請負だと仕事請けてくれる開発会社がないからSESは仕方ない的な主張

これも前出の「クリーンで技術者のためのSES企業を経営している的な主張」とかぶるところがあるのですが、エンジニア派遣してもらいたいなら派遣会社に依頼してくださいよという話です。

結局のところ都合よくエンジニアを自社に派遣してもらいたいけれど、派遣契約だと色々な制約が付いてきちゃうから会社にとって良いとこ取りしてエンジニアの権利を搾取したSES的な契約でお茶を濁しているだけですよね。

請負だと仕事請けてくれるところがない理由もよくわかりませんが、きちんと必要なシステムの要件を出して必要なお金を支払えば請負で請けてくれる会社はあるはずなんですが。それを自分のところの会社の奴隷のように言いなりになってくれる開発会社を請負契約でお願いしますとか言ってもそれが無理なのは当たり前の話なわけで。

請負だと仕事請けてくれるところがないとか言ってる会社がほしいのは結局のところ奴隷のように言いなりになってくれる人材が欲しいだけなのではないでしょうか?派遣契約にしちゃうと色々制約がついて面倒くさいからそういう制約がつかないSESでやっちゃいましょう的な。

請負だとシステム開発の仕事請けてくれるところがないなんてことはありませんし、だからSESは仕方がないなんて主張はSES界隈の人達が自分達の存在意義を擁護するための詭弁でしかありません。

SESは未経験のエンジニアの受け皿になっている的な主張

もちろん業界としては未経験の人を受け入れる受け皿が存在していることは良いことだと思います。ただしその受け皿がまともな受け皿であればです。SESがまともな受け皿だとは私は思いません。

では未経験を受け入れるためのSESに代わる別の受け皿はどうするの?という話ですが、そもそも未経験のまま自らは何の自己投資もしてないのに受け入れてくださいという考え方がおこがましいのではないかと私は思います。

IT業界(もしくは他業界でも)でエンジニアとして働いていきたいと思うのであれば、本来であればそこで働くための相応のスキルは身に付けてから企業の門を叩くのが筋だと思います。

もちろんSES以外のまともな企業で未経験の人を受け入れて育成してくれる会社があったら大いに活用すれば良いとは思いますが、そういう会社は人気があって未経験者の応募も多数でしょうから、他に際立った能力があるとか、相当のポテンシャルがある等、何かアピールできるポイントがないと採用してもらうのは厳しいでしょうね。

やはり王道としては自己投資してスキルを身に付けてから企業の門を叩くことですが、あまりお金をかけたくないのであればせめて自分の時間はしっかり投資して独学でスキルを身につけるくらいの努力は必要です。

同じ未経験者の応募者であっても独学でスキルを身につける努力をしてきている業務未経験者と、全く何もやっていない未経験者とでは選考のスタートラインで既に雲泥の差となっています。

自ら情報収集して独学でスキル習得することが難しい、またはもっと効率よくスキル習得したいと考えるのであれば、お金を払ってプログラミングスクールに通うのが良いでしょう。無料のプログラミングスクールもあるようですが私はお勧めできません。

無料プログラミングスクールでプログラマーを目指す未経験者の方へ

タダほど怖いものはないと言いますね。何かを得たいと思ったらそれ相応の対価を払うことは当たり前のことです。何の投資もしないのにリターンくださいというのは虫が良すぎます。そんなのはほとんど乞食と同じレベル。皆さんがよく批判しているブラック企業と同じレベルということです。

SESは雇用を生み出しているんだからいいだろ的な主張

雇用を生み出すことはもちろん素晴らしいことではあるのですが、逆に雇用さえ生み出せれば何でも良い訳はないですよね。じゃあ雇用生み出してれば違法な闇金の仕事でもいいのかよみたいな話です。良いわけないですよね。

SESというものはその違法性ももちろん大きな問題であるわけですが、何よりもエンジニア目線で見た時にSESのメリットって何も無いんですよね。もちろんSESのプロジェクトであっても経験すればそこから得られるものはあると思いますよ。でもだからといってSESがエンジニアにとって良い環境かというとそうではないわけです。

SESの仕事が無くなったらエンジニアの雇用が無くなってしまうという意見もあると思いますが、私はそうは思いませんね。SESという仕事の形態が存在するからそういう雇用のやり方をする企業も存在するわけで、そこに仕事も発生するわけです。

SESが無くなったからといってシステム開発の仕事が無くなるわけではありませんから、必要な仕事はSES以外の別の形態の会社に流れていきます。そうすればSES以外の形態の雇用は必然的に増えますよね。

SESを叩き潰せば他のまともな開発会社や派遣会社の仕事と雇用が増えるので全く問題ないと思います。

 

色々とSESを擁護する主張も出てくるわけですが、どれもこれも正当性に欠けた主張ばかりです。SESのせいでそこで働くエンジニアの労働環境は悪化し、生産性も低下していることは明らかです。

SESという形態を無くしていくことがエンジニアにとって働きやすい環境を作り出し、生産性の向上につながると考えています。このような考え方に賛同される方とのつながりを今後はたくさん作っていきたいと考えています。