パソコンができないIT業界志望者の行く末を考えてみた


先日こんな記事が話題になっていました。

「パソコンができないIT業界志望者がいる」投稿に共感の声「わりといる」「憧れと適性は別物」

「パソコンができない」と言ってもパソコンでできることにも色々ありますが、ここではパソコンを使ったことがないという意味で使われていると思われます。

そもそもパソコンを普通の人が当たり前に使うようになってきたのって、多分ここ20年くらいの話ですよね。私が学生の頃はパソコン持ってない学生なんて普通にいました。私が初めてパソコンを買ったのが大学2年の冬(2001年頃)です。それまでは当然タイピングなんてできませんでしたし、大学のレポートも全部手書きで書いて提出していましたね。

ちなみにインターネット回線のブロードバンドが一気に普及してきたのもちょうどこの頃の時期ですよね。それまでは電話回線で「ピューヒョロロロ~」とか言いながら今ではありえないくらい遅い速度の回線でインターネットに接続していたものです。

では最近の若い人達がどうしてパソコンを使わない人が増えてきているかというと、それはどう考えてもスマホが普及したからですよね。昔はパソコンがないとできないようなことが今はスマホがあれば普通にできてしまうことが多くなりました。

若い世代ほどパソコンを使わなくなり、スマホ中心の生活となっているデータがこちら。↓

【LINE】〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2017年上期)

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これを見てもわかる通り、若ければ若いほどスマホしか使わない人の比率が多くなってきているわけです。だからパソコンを使ったことがない人が増えてきていることは当然のことと言えますね。

ちなみに余談ですが、アクシアでは創業当時にはプログラミングどころか、パソコンを使ったことがなくてタイピングすらできない人を採用したことがあります。その人には一番最初にタイピングソフトでブラインドタッチを覚えるところから始めてもらいました。w

前置きが長くなってしまいましたが、パソコンができないIT業界志望者の方達が増えてきているとのことで、そういう方達が何も考えずに安易にIT業界を目指してしまうと不幸な結果になってしまうのではないかと思います。

そうやってパソコンができない人達が安易な考えでIT業界を目指してしまうことによるリスクを考えてみました。ちなみにIT業界と一言で言っても広すぎるので、私の会社が属する「ソフトウエア業界」での考察となりますのでご了承ください。

パソコンができなくてもIT業界で就職はできる

結論から言うとパソコンなんかできなくたってIT業界で就職することはできます。はっきり言って簡単に就職できます

今はIT業界に限らず人手不足の時代に突入しましたが、IT業界は昔から慢性的な人手不足と言われています。人手が足りていたのはリーマンショックの時くらいではないでしょうか。あの時は酷かったですね。人売り企業がバッサバッサと人を切っていきました。皮肉を込めて言うと、多重下請け構造の恩恵を最大限に発揮したと言っても良いかもしれません。

今は空前の人手不足の時代ですから、採用に大苦戦している会社がたくさんあります。企業としては経験豊富なスキルを持った優秀な人材を獲得したいところですが、そういう人は色んな企業から引っ張りだこで中々採用することはできませんから、人材を確保するためには「未経験者大歓迎」と打ち出して、プログラミング経験のない方を採用して育成することも必要になってきます。

少し前までであれば「プログラミングはできなくてもパソコンに慣れた方であれば可」みたいな感じで求人募集している企業が多かったと思いますが、それでも人が集まらなければ「パソコンができない方でも可」となってくることは必然となります。

全ては需要と供給のバランスですから、人が採れないのであれば企業としては希望する条件でなくとも採用条件の幅を広げて採用するしかありません。未経験の人を育成するには相応のコストがかかりますが、経験者を採用することができないのであればそれも必要なコストとなります。

そんな感じで採用に関しては「売り手市場」と言われていますので、パソコンができない人でもIT業界で就職することは難しくありません。しかしながら、どんな会社に就職することができるかについてはまた別の問題です。

IT業界で簡単に就職できることと、良い会社に就職できることとはイコールではありません。

パソコンができないIT業界志望者はブラック企業の格好の餌

当たり前のことですけど、どんなに売り手市場と言われていようとも、好条件の良い会社というのは人気がありますので多くの人が集まってきます。だからスキルの低い人をわざわざ悪い条件で採用する必要などないわけです。

パソコンできなくてもIT業界で就職することはできますが、良い会社には簡単には入れません。パソコンできなくてもIT業界で簡単に就職できると安易な気持ちで転職しようとすると痛い目にあうと思います。

IT業界にはブラック企業と言われる会社がたくさん存在します。ブラック企業は全然採用ができなくて困っていますから、IT業界で働きたいという人たちに対して口を大きく開けて待っています。

簡単に就職できるということは、それだけブラック企業であるリスクも高いということです。優良企業はわざわざ悪い条件で人を採用する必要などないですから、パソコンできないままIT企業に就職しようとすれば、従業員を奴隷のように使うブラック企業の餌食にならないように十分に注意しなければなりません。

スキルのある人が良い企業に入れる確率が高いことが当たり前であるように、スキルの全くない人が悪い企業に当たってしまう確率が高いことも当然のことです。

ではスキルを身につけてから転職しようと考える方もいると思います。それは良い考えではあるのですが、無料プログラミングスクールという一見魅力的なものにも注意が必要です。

無料プログラミングスクールでプログラマーを目指す未経験者の方へ

詳しくは上の記事を読んでいただければと思いますが、無料でプログラミングを教えてもらう代わりに、その先で待っている就職先がブラック企業みたいな笑えない話もあります。

パソコンができなくても業界のことはよく理解しておくこと

パソコンができない未経験の人でも受け入れてくれる会社で、かつまともな会社も中にはありますが、それでも自分が就職する業界がどんな業界であるのかについては十分に知っておかなければなりません。

システム開発の業界ではSESと呼ばれる、人を奴隷のように売りさばく会社がたくさんあるのですが、入社するまでそのことに気づかない人はたくさんいます。私自身もサラリーマンを辞めてフリーランスになった時にようやくこの業界の構造を理解しました。

IT業界の多重下請け構造とは何なのか

未経験でもさっさと就職して実務経験を積んだ方が早く成長できるという考え方には一理あるのですが、未経験でソフトウエア業界に就職するのであれば、育成をしっかりしてくれる会社であることが最低条件です。

この業界をあまりよく知らない人達からすると信じられないことかもしれませんが、この業界には未経験者に大して教育を行わないままプロジェクトの現場に放り込むような会社は普通にあります。

それで現場で良い経験が積めるのであればそれでも良いのかもしれませんが、スキルが全くないままプログラミング業務などできるわけがありませんので、その場合に就業先の現場で待っている仕事内容は誰でもできる雑用的な仕事ばかりです。

雑用の経験をいくら積んだところで自分のキャリアにプラスになることなどほとんどありませんから、まともな実務経験を積みたいのであれば、それなりにスキルを習得するための育成をしてくれて、その後にまともな業務経験を積ませてくれる会社を選ばなければ意味がありません。

そういう良心的な会社がないわけではないと思いますが、そんな会社を探し出すことは結構難しいことだと思います。未経験の人でも育ててくれて、その後良い業務経験を積ませてくれる会社に巡り合えるかどうかは、入社してみないとわからない、運任せみたいになってしまいかねません。

パソコンができない人へのお勧めのやり方

ではパソコンができない人がIT業界で就職したい場合にどうすれば良いのかですが、これはもうまともな方法でスキルを習得するしかないですね。魔法のような裏技的な方法なんかありません。楽して簡単に良い会社に就職できる都合の良い方法なんかありません。とにかく自分でプログラムを書いてみることですね。

「やる気だけは誰にも負けません!」とか叫んだところで、そんな気合が通用する相手はブラック企業だけだからやめましょう。そういう精神論的なことを言って企業を騙すのではなくてきちんとした実績を作りましょう。

以下、具体的に未経験の方への私のお勧めのやり方を書いてみます。私が今もしパソコンができない未経験の状態だったらどうやるかを考えたものですので、別にこのやり方でなくても構いません。一つの参考としていただければ幸いです。

1.パソコンを買いましょう

パソコンを持っていない人はまずはパソコンを買いましょう。話はそこからです。パソコンも持ってないくせに「ずっと前からプログラミングに興味がありました!」とか言われてもそんなの嘘ですよね。ずっと前から興味があったならとっくにパソコン買ってますよ。どうせ嘘つくならもう少しバレにくい嘘にしてもらいたいです。

2.プログラミングの本を買いましょう

プログラミングを覚えるために初心者向けのプログラミングの本を一冊買いましょう。本を買いましょうと言いましたが、今はネットにも書籍と同じような情報はたくさんありますから、ネットの方がやりやすい人はそちらでも全く構いません。

ただ最初は右も左もわからない状態でしょうから、ある程度まともな情報がまとまっているものを用意したいのであれば、最初の一冊は書籍を買っておいた方が間違いないかもしれません。

3.プログラムを書きましょう

何でも良いのでプログラムを書いてみましょう。最初は簡単なものでも構わないので、とにかくプログラムは自分の手を動かして書いてみることです。少し慣れてきたら自分で使いたいと思うものを下手でも良いのでプログラムを書いて作ってみると良いと思います。

私がまだ新人の頃にプログラムを覚えかけの時にやっていたことは、当時私がやっていたサッカーのサークルのウェブサイトを作ってました。管理者用の管理画面があって、そこからメンバー情報の更新ができたり、試合結果を登録して掲載したり、得点した人のランキングを集計して掲載したりする機能を作りました。

サーバーも自分で構築してドメインも設定して、一通りのことをやったのでそれでかなりスキル習得はできたと思います。作った機能は大した事ない機能ばかりですが、実際に自分で使いたいものを作ってみることは良い経験になると思いますし、就職活動の時に強力なアピール材料になります。

4.ソースコードを公開しましょう

今だとgithub等で簡単にソースコードを公開する仕組みもありますので、可能であればぜひソースコードを公開しましょう。履歴書にそのURLを書いておけば完璧です。未経験で(経験者でも)ここまでやる人は少数派ですので、もしここまで行動することができるのであれば、ぜひ採用したいと思う企業はかなり多くなり、就職先の選択肢の幅はかなり広くなると思います。

そういう方がいればよろしければぜひ弊社にもご応募ください。w

念のため書いておきますが、公開するソースコードは当然のことですが自分で書いたソースコードにしてください。人が作ったものを自分のものとして公開することは絶対にNGです。未経験者の方でどう考えてもどこかに転がっているサンプルコードを自分で作ったかのように履歴書に書いてくる人が残念ながらたまにいます。

ちなみにエンジニア志望なのに、公開したソースコードに興味も示さないような会社はまともな会社ではありませんのでやめておくことをお勧めします。そういう会社は十中八九、人を奴隷のように売りさばく人売り企業です。

 

私自身はIT業界の仕事はやりがいのある素晴らしい仕事だと思っています。ただし就職する先の会社にはブラック企業も多く、十分に注意しなければならないことも事実です。パソコンがも使えないけどIT業界で就職しても大丈夫?と考えている方には、ブラック企業ではなくて優良な企業へ就職できるように願っております。

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