昨日Twitterでこんな投稿をしました。
プログラマー志望の学生の方は、面接の時に「仕事の時にスーツ着用は義務付けられていますか」と聞いてみましょう。プログラマーにスーツ着用が義務付けられていたらその会社はやめておいた方が良いかと。こんなこと言うとスーツ着用義務の開発会社から怒られそうですが本当のことなので言いました。w
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) November 7, 2017
賛否両論様々な反響がありましたが、賛否両論ある時はもれなくクソリッパーも添付されてくるものですね。議論の範疇を明らかに超えた度が過ぎるものについては迷惑行為として粛々と報告を行いながら、穏やかな心で見守りたいと思います。
Twitterだと字数制限の都合もありあまり詳しくは書けませんでしたが、プログラマーならスーツ着用が義務付けられている会社に行くのはやめた方が良いと思う理由についてブログでまとめてみました。
プログラミング業務にスーツは必要ない
私もエンジニア出身ですしプログラミング業務については身をもって体験してきております。別にプログラミング業務に限ったことではないかもしれませんが、スーツを着てプログラミングを行うと非常に疲れます。
スーツを着て仕事をすると疲れるかどうかは個人によっても違うかもしれませんが、個人的にはスーツの時と私服の時の疲労の度合いは全然違うように思います。
少なくともプログラミング業務を行う上では、スーツを着なければならない必然性など全くありません。別にスーツを着てプログラミングをしたって構いませんが、そこはジャージでもスウェットでも何でも良いはずです。
少なくともプログラミング業務を行う上でプログラマーにスーツ着用を義務付ける理由などどこにもないわけですよ。
顧客と会う時はスーツ着用の方が良いか?
これは正直難しいところではありますが、顧客と会う時はスーツを着ておいた方が無難という考え方については理解できます。世の中まだまだ頭の固いじじいがたくさんいますからね。そういう頭の固いじじいをあえて逆なでするようなことをする必要はありません。
ただし「顧客と会う時はスーツ着用の方が良い」という感覚は多分ほとんどの場合錯覚なのではないかと思っています。多分スーツで会おうが会うまいが顧客に対する印象は変わらないと思います。
なぜそう思うのかというと、日本ではほんの数年前までは夏でもネクタイをしめて仕事をするのが当たり前の社会でしたが、政府が推奨したことによってあっという間にクールビズが広まったからです。
クールビズ前の日本ではノーネクタイで仕事することには今よりもはるかに抵抗があったはずですが、今はネクタイをしていなかったとしても誰も何も言いませんよね。お前何でネクタイしてないんだとか怒り出すおっさんがいたらかなり痛いです。
それと同じで「顧客の前ではスーツを着た方が良い」というのも多分錯覚だと思います。スーツ以外の服装で顧客と会ったところで想像以上にいつもと何も変わらない結果になると思います。
多分重要なのはスーツを着ているかどうかみたいなことではなくて、清潔感のある身だしなみであるかどうかとか、そういうことの方がはるかに重要だと思いますね。たとえスーツを着ていたとしても不潔なイメージになってしまうと良くないと思います。
スーツを着たければ着れば良い
昨日の私のツイートに対して、プログラマーならスーツを着るなんてあり得ないというような極端なご意見もありましたが、私は別にスーツを着たければ着れば良いと思います。弊社でもスーツ着用は義務付けてはいませんが、個人の意志でいつもスーツを着てくる人もいます。
私も普段からスーツだと疲れてしまうのでほとんどの日は私服ですが、別にスーツが嫌いなわけではありませんし、顧客訪問する時などにスーツを着ることはよくあります。全く関係ない余談ですが先日某店にスーツを買いに行った時に、ポケットのところに「adi◯as」のロゴが入っているスーツには誰か止める人はいなかったのかと驚愕しました。w
ちなみに私の場合は取材などの写真を撮られる可能性のある時にはスーツ着るようにしていますね。
というのも前に雑誌の取材の時にいつものようにシャツとスニーカーみたいな格好で取材の写真を撮ってもらって、後日その雑誌を見たら他社の社長さん達が全員スーツで、しかも合成されて他社の社長さん達と並んだ感じで写っていました。しかも全身写真でスニーカーまでバッチリ写って。
取材で写真を撮られても自分1人だけで写っている時は全く気にもしなかったのですが、合成して他社の社長さんと並べられた時に自分だけまるで大学生のように見えてしまったことが嫌だったという些細な理由で、今では写真を撮られる可能性のある時はスーツを着るようにしています。w
私の場合はこんな取るに足りないくだらない理由ですが、身だしなみさえきちんと整っているのであれば、スーツでもスーツ以外でも自分の好きなものを着れば良いのではないでしょうか。
なぜスーツ着用を義務付ける必要があるのか
今時はプログラマーがスーツ着用は義務だと考える人は少なくなってはきていると思います。せいぜい「お客さんと会う時はスーツ着てきてね」くらいでしょう。それでもシステム開発会社にはプログラマーにスーツ着用を義務付ける会社がたくさんあります。
その理由は「常にお客さんと会っている仕事のやり方だから」です。つまり客先常駐(SES)の会社だということです。スーツ着用が義務付けられている会社は客先常駐のスタイルで仕事を行うSESの会社である可能性が非常に高いでしょう。
私は日本のIT業界全体の生産性を高めていくためには客先常駐(SES)は無くしていくべきだと考えています。
SESはその構造上、ブラックに染まっていく要素ばかりがそろっています。そもそも偽装請負という違法行為が当たり前のように蔓延していることはブラックそのものです。SESという客先常駐スタイルの仕事のやり方には、残業時間が長くなりやすく、エンジニアが搾取されやすい構造があります。
だから将来ある若い学生さんにはSES企業に行ってほしくはありませんし、SES企業でスーツ着用が義務付けられていることが多いのであれば、その点については大いに警笛を鳴らしたいですね。
客先常駐の仕事だと現場によって服装の指定が入る場合も普通にあります。しかし雇用関係もなく指揮命令権もない他社の人間から服装の指定をされることがいかに異常なことであるかおわかりいただけるでしょうか。
客先常駐で常に客と接している環境にある、客先から服装の指定をされることがある、このような事情があるので客先常駐のSES企業ではプログラマーにスーツ着用を義務付けるのです。
SES企業で働きたくなければスーツ着用が義務付けられている会社には注意した方が良い
スーツ着用でプログラミング業務を行う必要性がないとか、それだと効率が悪いとかそういう理由ももちろんあります。ただスーツの方が良いかどうかは個人の志向によっても変わってくると思いますし、個人で好きなものを着れば良いと思っています。
それよりもプログラマーにスーツ着用を義務付ける会社はSES企業である可能性が高いという点が、プログラマーにスーツ着用義務の会社には気をつけた方が良いと強く思う一番の理由です。
もちろんスーツ着用が義務かどうかなんて、表向きには私服OKと言っている会社もありますし、一見して私服かスーツかだけで自分が働く会社を選ぶわけにはいきませんが、プログラマーまたはプログラマーになりたい人が会社を選ぶ際の指標の一つくらいには見ておくと良いと思います。