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働き方改革法が施行されました。この法律によって残業時間に上限が設定されたり、有給取得が義務化されたりしています。そんなに厳しい規制ではない、というよりもゆるゆるの規制のように個人的には思うのですが、一部の企業からは悲鳴の声もあがっているようです。

法律という共通ルールを守ることができない、法律遵守するように改善することもできないとなると、本来であればそんな企業は完全に詰んでますのでゲームオーバーだと言えます。本当はもうゲームオーバーで死んでいるはずなのに、ゾンビのように生き続けているブラック企業ということになります。本当に迷惑な話です。

ところが中には色々と理由(屁理屈)をつけながら、法律を守っていたら事業を継続できないなどと主張する人もいます。日本という法治国家の中にあって中々斬新でユニークな主張ですね。これだけブラック企業が批判される世の中で「ブラック企業擁護派」が一定割合で存在するようです。

ブラック企業を擁護するユニークな人々の主張

ブラック企業を擁護する人々の主張は大変ユニークです。その大変ユニークで個性あふれる主張をいくつか見てみましょう。

ブラック企業でも潰れれば雇用が失われる

企業が倒産すれば雇用が失われるのは正しすぎる事実です。しかし自由競争の社会の中で競争に破れた企業が撤退していくのは社会のルールです。この社会の新陳代謝が繰り返されることによって、悪い企業は淘汰され、良い企業は生き残っていくのです。

一つの企業が倒産すれば確かに一時的には雇用が失われます。しかし法律も守れない企業が生き残って雇用を維持したところで、そこで働く従業員に過酷な労働環境を強いるだけですから、そういう企業は社会の貴重な人材リソースをリリースして法律を守れる他の企業に人材を託すべきです。

うちの業種は特殊だから無理

そんなに特殊なことやってる会社って実はほとんどないと思いますし、特殊だから法律守らなくて良い理由にはなりませんね。

そういえばIT業界も10年くらい前まではどこの会社も長時間労働が当たり前で、この業界で残業削減するなんてことは無理だとか多くの人が言っていましたね。やってみたら無理ではなかったわけですが。

「無理」と主張するのは思考停止してるからですね。思考停止している人の得意技は、できない理由探しです。面白いくらいに延々とできない理由を探してきます。

社会的意義があると主張(言い訳)する

社会的意義があるから法律は守れないって、普通に考えて意味不明なんですが。事業に社会的意義があるのはわかったから、法律ちゃんと守って社会的責任も果たせよ。だいたい他の業種は社会的意義がないみたいな言い方も失礼ですね。自分達は特別だと思いこんでいる典型ですね。

こういうこと主張するのは病院とか介護とかの業界で多いですが、実は某介護業界で働き方改革の講演(研修)を今度行うことになりました。同じ介護業界でもこうして改善しようと行動する方達と、何も考えずに言い訳ばかり並べ立てる人達とが存在するということです。

頑張ってる企業に潰れろとか言うべきではない

必死に努力する姿勢は立派です。しかし頑張ってるから法律を守らなくて良いなんてことはありません。

経営は結果が全てなので、うまくいかなかったのであれば退場するのが正しい形です。別に経営に失敗すること自体は恥ずべきことでも何でもありません。チャレンジした結果ですから。

問題は経営がうまくいかないからといって法律を守らずに事業を継続しようとするゾンビ企業ですね。法律を守ったら事業継続できないという時点でゲームオーバーなので、そういう企業は潰れるべきでしょう。

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過酷な労働環境を強いて良い理由など何もない

残業時間の上限なんて守れない、有給取得義務化なんて対応できない、残業代なんてまともに払っていたら事業が継続できないなど、どんなに言い訳を並べ立てたところで法律を守らなくて良い理由にはなりません。

そして何より、そこで働く従業員に過酷な労働環境を強いて良い理由など何もありません。

雇用を維持するためとか、事業に社会的意義があるとか、それはそれで正しいかもしれませんが、なぜそのためにそこで働く従業員が犠牲になっても良いと考えてしまうのでしょうか。なぜ犠牲になって働いている人の問題には目をつぶるのでしょうか。

事業の社会的意義と過酷な労働環境とは全く別の問題です。過酷な労働環境にあるということは、そこには問題があるということなので、決して無視して良い問題ではありません。

事業を継続できないのは単に経営能力が足りないから

法律守ると事業が継続できないのではありません。経営能力が足りないから事業が継続できないだけです。それなのにもっともらしい理由をつけて言い訳してはいけません。

法律守ると事業を継続できないというならば、なぜその事業を始めたのか?なぜその事業を選ぶのか?別に誰からも強制されているわけではないのだから、法令遵守して事業を継続できないのであれば、その事業から撤退するという選択肢もあるはずです。

違法企業のせいで、まともに法律守っている企業が不当な価格競争に巻き込まれることもあります。ゾンビ企業が存続する限りは後続の新規参入の障壁にもなります。

違法なことをして生きながらえるゾンビ企業がいると本当に迷惑です。社会的害悪です。ゾンビ企業を生き残らせると社会に膿がたまったみたいな状態となってしまうので、さっさと消滅させるべきでしょう。

労働環境改善とサービス水準向上はトレードオフではない

よく労働環境を改善するとサービス水準は下げざるを得ないという論調がありますが、これは必ずしも当てはまらないこともあります。

残業を削減して労働時間を減らしたからといって、それが必ずしもサービス品質の低下とイコールではありません。

過酷な労働環境の中で働いていると、生産性が大幅に下がります。生産性が低くなりすぎてトータルの生産量まで落ちてしまうこともあります。ミスも増えるので医療現場などでは医療ミスのようなことも発生しやすくなるでしょう。

大きなミスを犯してしまうと、それの後処理をするためにさらに膨大な時間を使うことになります。そのために本来取り組むべき目の前の業務の進行も停滞します。当然生産性は大幅に下がり、それが原因でさらなる長時間労働を誘引します。こうなるともう負のスパイラルです。

こうした因果関係を考えていけば、労働環境を改善して働きやすくすることは、サービス向上にもつながるということは容易に理解できるのではないでしょうか。

働き方改革法によって、残業上限規制や有給取得義務化に対応できないと文句を言っている人達がたくさんいますが、そういう企業は単に違法企業というだけではなく、経営能力が低く、生産性の低い企業ということになります。

法律を守れないゾンビ企業はどんどん潰して社会を新陳代謝させるべきでしょう。


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