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システム開発を初めて発注しようと検討されている企業の方にとって、どこに発注すれば良いのかという問題は非常に悩ましい問題です。正直どうやって発注先企業を選定すればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

発注先となるシステム開発会社の選定を誤ると、想定していたような成果を得ることができずにプロジェクトは失敗に終わります。システム開発のプロジェクトの7割は失敗に終わるとも言われています。

システム開発のプロジェクトが失敗する要因は様々ありますが、その中でも大きな失敗要因となるものの一つに「発注先となる開発会社の選定に失敗してしまった」ということがあげられます。

状況に応じて発注先となる会社を選定することになりますが、アクシアではシステム開発を行うのであれば自社開発を行っている会社を推奨しております。その理由について解説します。

システム開発ではどんな発注先があるのか

SES企業にだけは絶対に発注してはいけない

システム開発を引き受けてくれる会社の中には色々な会社がありますが、まず絶対に発注してはいけない相手はSES企業です。SES企業は自らのことをシステム開発会社だと平気で名乗ることがありますが、彼らのやっていることはシステム開発事業ではなく、違法な派遣事業です。

システム開発とSESは全く別の業種として明確に区分すべき

SES企業にシステム開発を発注するということは、派遣会社にシステム構築の依頼をするようなものです。SES企業の中には一部システム開発の仕事を行っている場合もありますが、システム開発に関するノウハウは乏しいことが多く、システム開発事業では常に炎上していたり赤字になっていることが多いです。

大手企業に依頼しておけば大丈夫か

大手企業に発注しておけば大丈夫かと言うと、もちろんそんなことはありません。大手企業に発注する場合のメリットは、得体の知れない安心感です。これは大手SI企業の営業の人が言っていました。「はっきり言ってうちの会社に発注してもらうメリットはない」と。w

多重下請構造

多重下請構造

IT業界はこんな感じで多重下請構造になっていまして、この中に多くの企業が組み込まれています。この多重下請構造のピラミッドの下の方は上で述べたSES企業の人達です。この構造はとにかく無駄だらけなので、この多重下請構造に組み込まれている会社にシステム開発の仕事を発注するメリットは特に何もないと考えていただいて差し支えありません。

大手企業に発注したとしても、その実態は下請け企業に丸投げだったりすることもありますので、そうすると何のためにその会社に発注してるのかわからなくなってしまいます。ではなぜ意味がないのにそういうところに発注するのかと言うと、だいたいは発注責任者の保身のためです。

「この会社に発注して失敗したら仕方がない」と言い訳ができるから、無駄だとわかっていても名の知れた大手企業に発注するようです。こういうことをすることによって後々問題になることも多いですから、システム開発を発注しようとしている会社の社長さんは十分に注意してください。

ウェブ制作会社はシステム開発の会社ではない

業務システムなどでは最初から発注先としてシステム開発の会社を探すことが多いようですが、それがインターネットに公開されたシステムの場合だと、発注先としてウェブ制作会社を選んでしまうことが時々あるようです。

しかしウェブ制作会社はシステム開発の会社ではありません。会社ウェブサイトのようなものを作ることを専門としていますが、会員機能だったりショッピング機能だったり、そういう動的な仕組みはプログラミングが必要となる部分で、ウェブ制作会社では構築することができないことが多いです。

簡単なプログラムであればウェブ制作会社でも作れることもありますが、少し難しいシステムになると太刀打ちすることができなくなり、本当は技術的に実現可能な機能であるにも関わらず、顧客の要望に対して「それは技術的に実現不可能です」みたいな回答をしてしまうこともよくあります。

きちんとしたプログラマーや開発会社と組んでやっているところであれば技術面で問題になることはありませんが、ガッツリとしたシステムを構築する場合はウェブ制作会社は発注先としては適切ではありません。

自社でシステム開発できない会社は問題になることが多い

以上見てきた通り、システム開発で問題になることが多いのは、いずれも自社ではシステム構築を担当する能力がない場合です。様々な発注先のタイプがありますが、共通点としては自社で開発を行うことができないという点です。

逆にシステム開発を自社で行うことができる会社に発注することで、そうではない会社に発注する場合に起きうる問題を色々と解消できます。次からはシステム開発を自社開発の会社に発注するメリットについて解説していきます。

適正なシステム開発費用となる

自社開発していない会社に発注すると、下請けに仕事を流すことになるので当然ですがそこにはマージンが発生します。マージンが発生することが悪いのではありません。下請けに流している会社が提供する付加価値と、受け取るマージンに見合っていない場合が問題となります。

多重下請構造になっていたりすると、マージンが何重にも発生することになりますし、何重にも発生しているマージンが適正となることはほとんどあり得ません。払わなくて良いはずの費用が無駄に積み重なることになります。

その点、自社開発している会社にシステム開発を発注する場合は、その価格は適正な価格となる可能性が高いです。安いとは言いませんが、余計なマージンが発生していない分だけ、適正な価格であると言うことはできます。

通常の価格交渉を範疇を超えて、無駄にシステム開発費用を安くするように開発会社に要求する行為は、ブラック企業が行うことですのでやめていただきたいです。それはシステムを作るためには必要な費用ですので。

しかし無駄に発生しているマージン費用を抑えたいということでしたら、自社開発しているシステム開発会社に乗り換えを検討することは有効なコストカットの手段となり得ます。

見積もり、開発、保守の対応スピードが早い

自社開発をしている会社は見積もり、開発、保守の対応スピードが早くなります。

自社開発している会社であるかどうかを見極める一つの方法として、見積書が出てくるスピードを見ると良いと思います。自社開発をしている会社は自社で見積もりをしてすぐに見積書を提出しますが、システム開発の仕事を下請けに流す会社は見積もり作業も下請けに流しますので、返答が返ってくるまでにその分時間がかかります。

多重下請構造になっていたりすると、何回も伝言ゲームのように見積もり作業が下請けに流されていきますので、見積書が出てくるまでに1ヶ月も2ヶ月もかかることもあります。

下請けに全て流していて見積書が出てくるのが遅い会社は、開発のスピードも遅いですし、運用保守の対応スピードも遅いです。開発時にスピードが遅いことについては、適切にスケジュールを組んでいれば大きな問題になることはありませんが、保守運用時のスピードの遅さは致命的になることがあります。

システムの保守運用時とは、つまりシステムが本番稼働中の状態となります。この時に何か問題が発生した場合に、発注先に連絡をしたら「確認します」とか言われて、その後伝言ゲームのように下請け企業に連絡が流れていくことを想像してみてください。

トラブルが発生しているのに簡単な確認事項ですら返答が返ってくるまでに何日もかかってしまうような状況では、何かあった時にまともな対応を取ることができません。

既存システムの保守を別会社に移管する場合の注意点

システム開発は、プロジェクトスタート時の初期開発の時よりも、本番可動してからの保守運用時の方が本番です。初期開発だけではなく、保守運用時のことまで考えて発注先は検討する必要があります。

コミュニケーションがスムーズに行える

自社開発している開発会社であれば当たり前のことなのですが、普通はシステムの開発や保守を担当しているエンジニアが社内に在籍しています。最近は在宅勤務という形態も普及してきていますが、基本的にすぐに連絡が取れる状態となっていることに変わりはありません。

しかしシステムの開発や保守の仕事を下請けに流している会社ではこれが当たり前ではありません。システムの担当をしているエンジニアが社内にいないことがあるからです。下請け企業のエンジニアであれば当然のことですね。

そうするとどんな連絡をしたとしても即答してもらえることがなく、「担当に確認します」と言われてしばらく待たされることになります。このストレスは実際に体験してみると想像以上のものになるでしょう。

システム開発の仕事は決して簡単な仕事ではありません。顧客側と開発会社側が十分なコミュニケーションを取っていないと簡単にプロジェクトは失敗します。システム開発の発注先として、コミュニケーションが取りやすいかどうかも重要なポイントです。

システム開発のノウハウが豊富

システム開発を全て自社開発で行っている会社に発注するメリットは、やはりノウハウが豊富であることが一番のメリットでしょう。

当たり前のことですが全て自社で開発しているため、過去の開発プロジェクトやシステム保守運用のノウハウが全てノウハウとして蓄積されています。成功体験が蓄積されているため、それを元にアドバイスすることもできますし、逆に失敗体験も積み重なっているため、失敗しやすい進め方については警告することもできます。

これが開発の仕事を下請けに流す会社だと、プロジェクトの成功体験も失敗体験も自社に蓄積されていないことは普通にあります。何年もその仕事をしてきているはずなのに、ほとんど素人同然の営業担当者とか普通にいます。

目に見えにくい部分ではありますが、自社開発を行っている会社には開発や保守のノウハウが豊富である点は重要なポイントです。

「下請け=悪」というわけではない

ここまで自社開発をしている会社を推してきました。アクシアもシステム開発を全て自社で行っている会社ですので、開発や保守をご検討の方はぜひご連絡をいただければと思いますが、下請けが必ずしも悪だと言っているわけではありません。

要は下請けと役割分担をしていることに意味があれば問題ありません。元請け、下請け含めてそこに関わっている会社全てが、受け取っている料金にふさわしい付加価値を提供していれば良いのです。

複数の会社がチームを組んで各社それぞれが役割を担ってプロジェクトを進行するやり方は至ってまともなやり方です。

問題となるのは、間に入ってマージンだけ搾取して、自社ではまともな付加価値を何も提供していないような会社です。こういう会社は間に入ると単に邪魔になるだけだし、無駄なコストが発生するので全力で排除するべきです。

「下請け=悪」ではありませんが、下請け企業に仕事を流している会社があった時には、その会社が間に入ることに妥当性はあるのかどうかを十分に見極める必要があるでしょう。


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