成長するために長時間働くことは正しいのか


昨日はとある企業様からご依頼をいただきまして、働き方見直しに関する講演のために大阪へ行ってきました。同じ業種ということもあり、まだまだ長時間労働が当たり前で業界全体としては「働きにくい仕事」というイメージが拭えない仕事ですので、残業ゼロを実現してきた弊社の経験が少しでもヒントになればという想いでお話してきました。

その時の講演の質疑応答の時にいただいた質問で、成長するために長時間働いた方が良いのかどうかについてのご質問をいただきました。ご質問された方は超絶ブラックだった時代にそういう働き方をした経験がなくて、「成長」のためにもっと働くべきかどうか迷っているような感じでした。

成長するために長時間働く。長く働けば成長することができる。

そういう考え方も一理あるのかもしれませんが、私はそういう働き方が効率的だとは思いませんし、今もし新人だった頃に戻ったとしても再び長時間労働が当たり前の働き方をすることはしないと断言できます。

もちろん長時間働くことで成長できないなどと言うつもりはありませんので、一意見として私の意見を書きたいと思います。

働く時間は長ければ良いというものではない

長時間働くことで成長できるかどうかという話はいったん置いておいたとして、少なくとも一つ言えることは、働く時間が長くなれば効率が落ちるということです。

好きで長時間働くのがなぜ悪いのか

長く働くとというか、人間が集中力を維持できるのは朝起きてから12~13時間までだそうです。だからそれ以降に仕事をしたところでどうせ集中力が低い状態で非効率なやり方となってしまうわけです。

このように仕事の効率は間違いなく落ちるわけですが、効率が悪いなりにも長時間働いた方がより成長はできるのではないか?と考える人もいるかもしれませんが、それも微妙なところです。

例えば中学生や高校生が勉強する時に、毎日深夜まで勉強したり徹夜で勉強したりする方が効率的に学習できるかどうかというと、多くの人がそれは違うと思うのではないでしょうか。

短期的に試験対策のために一夜漬けをして結果を出したいのであればそれもありかもしれませんが、そのやり方が長期的に見た時にベストな学習方法かと考えてみた時に、そんなやり方が長く続くわけがありません。

またスポーツの世界で一流のプロスポーツ選手が毎日朝から晩まで練習をしているかというと、もちろんそんなことはありませんよね。朝から晩まで根性のみに頼って毎日練習するような部活動があれば今時は時代遅れなやり方だと誰もが感じるはずです。

一つ言えることは、ひたすら長く働くやり方が成長するために最も効果的なやり方とは言えないということです。長く働けば働くほど非効率に陥っていくことは間違いありません。

ただどれくらいの時間であれば集中力を維持できるかについては、多少個人差があるかもしれないので具体的に何時間までというような提示の仕方は難しいと思いますが、人間の集中力を維持できるのは起業してから12~13時間までと厚生労働省のウェブサイトに載っていますので、それは一つの参考値となるのではないでしょうか。

長く働くことが成長のためのベストな方法ではないと思う決定的な理由

成長するために長時間働いた方が良いかどうかについては色々な考え方があると思いますし、長く働くことで成長できる側面もあるとは思います。

ただ、長く働くことが成長するためのベストな方法ではないと私が思う理由がありまして、それはもし「長く働くことが成長するためのベストな方法」だと仮定した場合、世の中のブラック企業の社員はみんな成長しまくりということになってしまいます。

成長するためのベストな選択肢は、ブラック企業に就職して長時間労働の荒波にもまれてくることということになってしまうわけですが、もちろんそんなことはありません。もし従業員が成長するためのベストな方法が長時間労働させることであるならば、世の中のブラック企業は軒並み大きく成長してどこも好業績を残しているはずです。

もし長時間労働させることが最も従業員が成長する方法なのであれば、今日からうちの会社ホワイト企業やめて毎日終電まで働かせるブラック企業になります。w

まあ昔はうちの会社も毎日終電まで仕事する超絶ブラック企業だったわけですが、その頃の従業員の成長スピードと残業ゼロになった今の従業員の成長スピードを比べた時に、どう考えても今の方が従業員の成長スピードが早いというのが実際の体感としてあります。

よって残業まみれの超絶ブラック企業の時代と、残業ゼロのホワイト企業の時代の両方を経験してきている立場から言わせてもらうと、長く働くことが成長のためのベストな選択肢ではないと思う次第です。

しかし世の中の天才と呼ばれるような人達の中には、ものすごく長い時間働くことが当たり前の人も存在します。例えばイーロン・マスク。

【世界最高の起業家】天才イーロンマスクの野望と経歴が異次元すぎる!

これによるとイーロン・マスクの週の労働時間は100時間を下回るようなことはなく、起きている時は常に働くこと、地獄のように働くべきとあります。このように長時間労働を主張している企業家は結構多くいて、私もそういう企業家の言うことを信じて自分にも従業員にもそういう働き方を強いていた時期もありました。

しかし色々やってみて正直に思ったことは、こういう天才と呼ばれる人達と、自分のような凡人とは根本的に違うということ。多分ですけど世の中の99.99999%の人達はこういう狂ったような働き方には適応できないのだと思います。普通の人達がこういう天才の真似事をしようとすると鬱になったり体を壊したりしてしまう。

普通の人が集中力を維持できる時間は、厚生労働省のウェブサイトにあるように起床してから12時間~13時間が限界なのだと思われますが、イーロン・マスクのようなごく一部の限られた天才はもしかすると起床してから寝るまでずっと高い集中力を維持できるのかもしれません。(わからないけどw)

とにかく私の場合は、世界の中でも限られたごく一部の天才が当たり前にやっているようなことを、99.99999%の普通の人達に強いることは経営として決してやってはいけないことだと今では思うようになりました。

成長したければ勉強でもなんでもやれば良い

組織や制度というものは弱い人に合わせて作られるものなので、企業としては長時間労働を前提とした働き方にはならないようにするべきであり、そういうふうにしないといつか過労死が出てしまいます。

では自分はもっと働けるしもっと働きたい、たくさん働いて早く成長したいという人はどうすれば良いのか。

これからのご時世、世の中全体で長い時間働きすぎることは許されなくなってきますが、別に成長する方法は仕事をするだけではないですよね。そんなに強く成長したいと思う気持ちがあるのであれば、別に仕事でなくても勉強でも何でもやればいいのではないですか。

イーロン・マスクのような天才は仕事が好きで好きで仕方がないのだと思いますが、この「好きで好きで仕方がない」という人がおそらく一番成長する人ですよね。もし仕事が好きで好きで仕方がなくてもっと働きたくてしょうがないというのであれば、そういう人は自分で会社作って起業した方が良いと思います。

どこかの会社に雇用されるのではなく、自分で起業して自分で事業を行うのであれば誰にも止められることなく好きなだけ自由に働くことができます。もし自分で起業するところまではできないというのであれば、その程度しか仕事が好きではないということですので、その場合は潔く諦めて企業の方針に従いましょう。

起業まではできないとしても、別に成長する方法は「仕事だけ」ではありませんので、頭を固くして長時間働きたいといつまでも思考停止してないで、他にも色々成長できる方法はあるはずなので、せっかく早く帰れて空いた時間を有効活用してみてはいかがでしょうか。

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