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残業ゼロを目指す企業の特集が昨日のテレビ東京ガイアの夜明けで「残業やめられますか?」と題して放送されていました。

「残業ゼロ」を目指す企業側と、労働者側…。日本人の労働のあり方を考える。【ガイアの夜明け】

電通で起きた過労自殺事件の問題をきっかけにして、働き方を見直す動きがますます活発化しているわけですが、こちらの番組でははるやまとフレスタという2つの企業の残業削減への取り組みが紹介されていました。

2つともやり方としてはトップダウン。社員が個別に残業削減に取り組むだけでは中々成果までたどり着くことは難しいという声をよく聞きます。やはり組織の体質を変えるのであればトップが率先して取り組まなければ駄目でしょう。

アクシアも残業まみれでしたが私が方針転換したことによって一気に残業ゼロを実現することができました。トップの意思は大事です。

Twitterで様々な意見を見ていると、残業が多ければ多いで文句を言うくせに、残業削減に取り組んでいる企業があったらそれはそれで文句言う人が多いですね。こういう何をやっても文句ばかり言ってる人への対策が実は一番重要な気もします。w

ただこの番組を見てこう思った方も多いのではないでしょうか。

社員がかわいそう。

方向性としては間違っていないものの、いくつかこれではかわいそうだなと思うところが私もありました。働き方改革はやり方を間違えれば単に社員を疲弊させるだけになってしまう恐れもあります。

今まで何度も言ってきていますが、残業ゼロは決して楽な働き方ではありません。残業ゼロの方針に共感してアクシアに転職してきたのに、結局残業ゼロの環境に適応できずにやめていってしまった人がいることも事実です。

残業ゼロで効率的に働くことは楽々パラダイスな働き方では決してありませんが、単に社員が疲弊するだけとならないように気を付けたいものです。

残業削減への第一歩は見える化から

残業削減への施策で最初に考えられることは見える化です。

番組の中でははるやまさんで行われていた取り組みとして、残業時間の多い人がわかるように紙の表を張り出していましたね。また別の取り組みとして袋詰めの時間をストップウォッチで計測するということもされていました。

残業時間が多い人がわかる表の張り出しについては、従業員側からするとちょっと嫌な気持ちもあるかもしれません。でも実際にああやって改善したい数字を一人一人が見えるようにすることは大事なことです。それにより意識の変化が生まれますし、マネジメントもしやすくなります。

袋詰めの時間をストップウォッチで計測してた件については、計測自体はやってみることは良かったと思いますが、あれによって時間を短縮しようとすることについては結果的にたいして効果を生み出さないかもしれません。

見える化は何も残業削減に限った話ではなくて、マネジメント全般で必要な考え方だと思います。

改善したい対象を数値化するなどして見える化されていないと、具体的にどこを改善すれば良いのか、何をやれば良いのかの判断も難しくなると思います。

アクシアでは日々のシステム開発の生産性がすべて細かく見える化されています。これによってエンジニア個人の生産性への意識が高まりますし、どこかに問題が生じていれば瞬時に判別して対策が打ちやすくなります。

アクシアでは残業ゼロを実現するための必須のツールとなっています。

仕事を終える時間を決める

フレスタさんが18時になると強制消灯してしまう取り組みをされていました。仕事をする時に終了時刻をあらかじめ決めておくことは時間に対する意識を持つためにも重要なことです。

会議の場合だと、メリハリをつけて会議ができるようにあらかじめ会議の終了時刻を決めておく取り組みをされている会社はたまに見かけますよね。

でもなぜか業務時間そのものの終了時刻については曖昧な場合が多いですね。フレックスタイム制でなければ出社時刻はきっちり決まっているのに退社時刻はあやふやなまま。もちろん定時は定められているのにみんな守るつもりなんてさらさらないなんて会社はたくさんあると思います。

退社時刻が曖昧であることは何時まででも仕事してて良いと言っているようなもの!

残業削減の成果があがらず苦しんでいる会社ではまず退社時刻のルールを決めるところから始めてみてはいかがでしょう?

いきなり残業ゼロは厳しいということであれば、とりあえず20時や21時を退社時刻として設定しても良いと思います。そのかわり決めた時刻は徹底して守ること。そうして決められた時間までに仕事を終わらせる習慣を作っていくことが大事です。

フレスタさんが18時に強制消灯する様子を見ると、まだ18時に仕事を終えることが習慣となっていない方がたくさんいるようでしたね。人事部の方が根気強く指導していたようですしきっとこれから根付いてくることでしょう。

決められた時間までに仕事を終える習慣を作ること

習慣が作られてくるまでには何か月もかかるので中々根気のいる作業です。アクシアでも誰から言われなくても18時で仕事を終える習慣を組織に根付かせるまでには半年ほどかかりました。

付加価値の高い仕事を見極める

はるやまさんの取り組みの中で、残業をなくすための取り組みとして、それまで定時後に行っていたごみの片づけや品出し作業を営業時間中の空いた時間に行うようにされていました。

営業時間内に仕事を行うように改める取り組み自体は良いと思います。しかしこの様子を見て私は思いました。

うわ!もったいない!

何がもったいないかって、

なんでトップセールスの人にごみの片づけやらせてるの?

ということです。

番組で紹介されていたはるやまの百合草さんという営業の方、番組見てた多くの方が感じたと思いますけど、相当優秀な営業マンですよね。

別に暇なら全然いいですよ。でも全社的に残業ゼロにしようと取り組んでいて暇な時間なんて全くない。こういう状況の中でトップセールスの営業マンにごみの片づけをやらせてる。

ごみの片づけなんて誰でもできることなのに!

私だったら営業以外の仕事は全部他の人に任せますね。ごみの片づけなどの雑用をしてくれるアルバイトを1日2~3時間雇ってもいい。

そして営業成績トップの百合草さんには営業だけに専念してもらう。その方が優秀な営業マンの能力をフルに発揮できるし絶対に売り上げも伸びる。

はるやまさんはもう一つ大きな失敗をしているように思いました。それはあろうことか、営業成績トップの百合草さんに、接客時間が長すぎるから削れと指示をしていたことです。

営業成績トップの百合草さんのやり方は接客方法の正解として見るべきだし、営業成績トップの人のやり方を他の営業の人にもシェアしていくべきであって、成果を出している人に対して一律に時間削れはおかしいでしょう。

これは営業マンもやる気そがれますわ。

カットするべきなのはムダな時間、非効率な時間であって、高い付加価値を生んでいる時間を削ることはほとんど自殺行為ですよ。

残業削減する方向性は良いと思いますけど、削るべき時間を見誤っている感じがしますね。一律で削れ削れで乱暴すぎます。

他に削れるべきムダなことがたくさんあるわけですからこういうところにメスを入れて、優秀な営業マンには付加価値の高い仕事、この場合だと接客に専念させてあげる環境を作ってあげることが、残業削減と売上アップを両立させるポイントだと思います。

残業削減した人が損をしない仕組みづくり

はるやまさんでは「ノー残業手当」というものを導入されています。

「ノー残業手当」なぜ導入? スーツ販売大手が残業ゼロで1万5000円支給

残業しなかった人に対して手当を支給するという制度ですね。

色々な企業で起きている問題だと思いますが、効率的に残業なしで働いている人よりも、ダラダラ長時間働いている人の方が残業代を稼げてしまうという問題がありますね。

ダラダラ残業して残業代を稼ごうとしている人に対して個人的には怒りを感じます。ですがダラダラ残業して残業代を稼いで自己嫌悪に陥っている全国の皆さん、安心してください。

残業した方が稼げるなら残業する方がまともです。

聖人君子じゃないんですから、たくさん残業した方が評価されて稼げるようになってるなら稼ぎたい人は残業しますよ。残業した方が得する仕組みにしている企業が悪いんです。

それに対してはるやまさんの場合は、残業してもしなくても手当がもらえる仕組みを導入したので、残業しない方がお得になりました。これなら残業やめようというモチベーションにもつながりやすくなりますので良い制度だと思います。フレスタさんの残業少ない人ほど賞与を増やす仕組みも一緒です。

残業代前提の生活設計は間違い

今まで稼げていた残業代がなくなった人の苦悩も紹介されていましたね。この問題も度々話題になることがあります。

残業代ないと生活が苦しいとか、残業代なくても生活できる給料支払えとか、言いたいことはわかります。

でも残業代って必ずもらえる給料とは違います。みんなわかっているはずです。毎月残業代がもらえるかなんてわかりません。入ってくるかどうかわからない収入を当てにして生活設計するなんて危険極まりない。

そんなの当たるかどうかわからない宝くじを当てにして生活設計してる人と同じ!

生活費増やそうとしてパチンコに行っちゃう人と同じですからすぐにその考え方は改めた方がいいですよ。

残業代を稼ぐことにはまっちゃうと中々そこから抜け出せないんですよね。中毒みたいなものです。やめなきゃいけないとわかっていてもやめられない。やめられないとまらないみたいな。

そういう人達が効率的に働こうというモチベーションを持つことは難しいですよね。だって効率的に働いて残業時間減っちゃったら残業代も減っちゃうわけですから。むしろダラダラ長時間働くことを好んだりしてしまうわけです。

こういう人達がたくさんあふれかえっているのもムダな残業が一向に減らない要因の一つだと思います。

でもそういう考え方もそろそろ改めていかないと働き方改革なんてできません。稼ぎたいと思うなら残業時間を増やすという物量作戦ではなくて、自分の時間当たり生産性を高めて単価を上げていく方向にシフトするべきです。

量から質へシフトしましょう。

残業代で生活費稼ぐなんて自分の時間を切り売りしてるだけですからどんどん疲弊していくだけですよ。

残業削減はこれからの時代の経営戦略

番組の中ではるやまの百合草さんが言っていた言葉です。

なんでノー残業なんですか

短くも中々重たい言葉ですね。

でもカメラが回ってるときに上司を呼んで疑問をぶつけていたのはタイミング良すぎじゃないか。

組織の方針や意図がきちんと従業員に伝わっていないと「なぜノー残業なのか」という疑問が出てくることは自然なことだと思います。そう考えると番組で紹介された会社さんではまだまだ組織の経営方針が伝わっていないのだと思います。

これからは労働人口が不足する時代です。高度経済成長期とは全く時代が違います。

労働力人口、2060年に1170万人減 女性活用でも…

今後人口が減少していくことは確定していて、それに伴って労働人口も減少していく時代です。AIの発達によって状況が変わる可能性もあるかもしれませんが、現時点の状況ですと人手不足は今後ますます深刻化していくわけです。下手すると2060年には労働人口が今よりも3000万人近く減少してしまう可能性があります。

今までは労働人口が足りていたので、フルタイム残業バリバリできる人だけ働いていれば良い時代でした。

しかしこれからは労働人口が足りなくなる時代です。フルタイム残業バリバリでは働くことが難しい育児や介護に携わる人達にも活躍してもらわねばならない時代です。そうした人達にも働いてもらえるような労働環境を企業は提供していかねばならなくなりました。

だからこその残業削減であり、働き方改革です。慈善活動や単なる企業イメージアップではないですからね。

そして働く労働者の意識も時代とともに大きく変わってきました。新入社員が会社に臨むこととして、今年初めて「給料が増える」を「残業がない・休日が増える」が上回りました。

2017(平成 29)年度 新入社員意識調査アンケート結果(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

これまでは優秀な人材を集めたいと思ったら、多少残業が多くて労働環境が悪くても、高い給料を提示することが正解でした。しかし労働者の意識が変わったことにより、優秀な人材を集めたければ労働環境を整備することが正解となる時代となってきたわけです。

労働人口の減少、働く人の意識の変化によって、労働環境を整備できない企業は人を採用することができずに、時代に取り残されていくことになると思います。

このあたりのことについては以前下記の記事にも詳しく書きましたので良かったらあわせて読んでください。

残業が多いと採用が厳しくなる時代がやってきた

こうした時代背景の変化によって、経営戦略にも変化が必要であることを経営者と従業員で意識共有することも大事なことです。

こうした背景を共有することが「なんでノー残業なんですか」という従業員の疑問に対する答えになるのではないかと思います。


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