コロナ禍で採用の引き締めを行う企業が増えてきました。アクシアも今期の業績は好調ですが、コロナがこれほどまでに経済に大きな影響を与えている状況の中で、いつ自分たちの業界にも不景気の波が押し寄せてくるかと考えると、従来どおりの感覚で採用を行うことなど怖くて到底できません。

採用の引き締めが行われて転職市場が買い手市場となると、求職者側が不安な気持ちになることは当然のことです。IT業界でもほんの1、2年前までは引く手数多の売り手市場でしたが、今は状況が一変して以前のようには転職ができない状況となりました。経験者であっても転職の難易度は上がりますから、未経験者がエンジニアになりたいと思った時の難易度は容易に想像がつくと思います。エンジニア未経験の人が他職種からエンジニアとして転職するのは非常に狭き門となりました。

このような状況の中で「エンジニアに転職したいなら数百社応募しなければダメだ」という主張をする人たちがSNSで見られるようになりました。実際に未経験からエンジニアに転職をした人の経験談でも、数百社応募してやっと内定1社もらえたという話も出てきています。

本日は、エンジニアとして就職するために数百社応募する手法について、私の意見をまとめました。

ある程度数をこなす必要は確かにある

転職活動を成功させるためには、まずは行動しなければ何も始まりません。在籍している会社に不満があるなどで本当は転職したいと思っているのに、全く行動を起こさない人がいますが、まずは行動を起こさなければ転職成功の確率は0%のままです。

また転職したい会社をどこか1社だけに絞って一本釣りのようなことをしている人もいるようですが、転職はどんなに自分が頑張ったところで、その時の相手の会社の事情や、同時期に応募した人の状況等で結果は左右されてしまいます。ある会社への転職成功率が100%になることはありえないことを考えれば、普通はいくつかの会社に応募するのが正しいやり方です。

転職活動はヒット1本打てればOKですが、ヒットを打つためには打席に立たなければいけません。打席に立つ回数が多いほど、1本のヒットを打てる可能性は高まりますから、その意味である程度の数をこなす必要は確かにあると言えます。

やるからには毎回本気で打席に立ってください

ある程度の数をこなすことは確かに必要です。必要ですが単に「数打ちゃ当たる」方式で応募の乱れ打ちをすれば良いというわけではありません。1打席ごとに本気でヒットを打つつもりでやらなければ、いつまでたってもヒットを打てるわけがありません。

本気でヒットを打ちたければ、当然必要な情報は全て調べあげますよね。応募先の企業がどんな会社で、経営者はどんな考えを持った人なのか、会社はどういう方向に向かっていて、今後その会社が必要としているものはどんなことなのか。

こうした情報をきちんと調べて打席に入る人と、何も考えずに繰り返し打席に入る人とでは、ヒットの確率が大きく変わって当然ですよね。

そもそもの話ですが、毎回の打席を真剣勝負で望んでいるならば、数百社も応募すること自体が無理な話だと早く気づいてほしいです。応募先企業のことを真面目に調べていたら数百社も応募できるはずもなく、本当に1社ごとに真剣に向き合って数百社応募しようと思ったら1年も2年もかかってしまいますよ。

数百社も応募している時点で、就職活動に真剣に取り組んでいないことと同じなんです。真剣に取り組んでいたら数百社も応募するなんてことは到底できっこないですから。本人は真剣なつもりでもやり方は完全に間違っています。

またせっかく打席に立ったのであれば、たとえその打席が失敗に終わったとしても、なぜヒットを打つことができなかったのか、自分に足りなかったものは何なのか、次の打席に向けて自分は何をやるべきなのか、こうしたことを毎回真剣に考えなければ、回数を重ねたところで何の進歩もありません。当然ヒットの確率も上がりません。

一度打席に立って失敗した原因を分析した結果、もしかしたら今の自分では力不足だという結論に至るかもしれません。もしその通りであれば、一度就職活動を中断して実力を付け直すという方法を取ることが正しい選択になるかもしれません。あるいはターゲット先の企業に求める内容を見直すという選択肢も有効に鳴るかもしれません。

いずれにしても『応募の乱れ打ち』みたいなやり方は到底まともなやり方とは言えません。応募される側もはっきり言って迷惑です。絶対にやめましょう。

応募の乱れ打ちを推奨する人を信じてはいけない

あまり言いたくないですが、これは転職活動を考えている人たちにとって明確にマイナスになりますのではっきり言いますね。何百社も応募しなければダメだとか、応募の乱れ打ちを推奨する人を信じてはいけません。信用できないのですぐに見切りをつけましょう。

例えばキャリアコンサルタントや人材紹介の人。ちゃんと求職者のことを考えてくれる人であれば何百社も応募しろみたいなことを言うわけがありません。だってそんなことしても求職者のキャリアにプラスになる確率なんて極めて低いですから。

こういう立場の人が何百社も応募しろと言うのは、それでたまたま1社でもかすったら紹介料がガッポリ稼げるからです。しかも求職者に何百社も応募させたところで自分たちの手間は求職者ほどではありませんから。こういういい加減なこと言う人というのは、0.1%でも可能性があるなら応募しろと言います。0.1%を1%に、1%を5%に可能性を高めてくれるようなまともなアドバイスはしてくれません。

なぜ確率が上がるのにまともなアドバイスをしてくれないのか?それは結果が出るまでに時間がかかるからです。時間がかかるとどうなるかと言うと、その人達が紹介料をもらって売上計上できるまでに時間がかかるということです。

それにまともで本質的なアドバイスをするのは結構大変なのもあります。1人ずつ丁寧に話をしていくのは時間がかかりますし、丁寧に説明したところでまともに受け止めてくれない求職者の方が多いという現実もあります。まともに話を聞いてちゃんと行動する求職者は、10人いたら良くて2人くらいだと思います。

そうすると人材紹介する側も「こいつらに色々言っても効率悪いから、とりあえず数打たせとこ」となってしまいます。何のためにあなたはその仕事をしているの?と問いたくなるような残念な話ですが。本当なら「あなたの今の実力だと厳しいのでまずは時間をかけてスキルを身につけましょう」とアドバイスすれば良いと思うのですが、中々こうはならないんですよね。

色々と負の側面を書きましたが、もちろん相手の立場になって真面目に話をしてくれる紹介業の人もいます。せっかく仲介をお願いするのであれば、そういう信頼できる人を見つけることが最初のスタートラインですね。間違っても応募の乱れ打ちを推奨するような人に頼ってはいけません。

結局は王道をシンプルに行くのが近道

楽に良い会社に転職する都合の良い方法などありません。結局は王道をシンプルに行くのが近道です。

  • 自分がどう有りたいのか真剣に考える
  • 自分の実力を磨く
  • 相手企業の情報収集はしっかり行う
  • 業界の情報収集もしっかり行う
  • 毎回真剣勝負で応募に望む
  • 応募の結果分析もしっかりと行う

もしかしたら時間はかかるかもしれませんが、こういう本質的なことをしっかりと行う人が結局は転職で成功しています。当たり前の話ですよね。それがキャリアを積み重ねるということですから。

こういうまともなやり方を地道に行動に移すことができていれば、転職するのに何百社も応募しなければならないようなことにはならないと思いますよ。そもそもまともなやり方で転職活動していたら何百社も応募するなんてことは不可能ですし。

何百社も応募しろみたいな意味不明なことを言う人や、それを信じてしまう人がいなくなることを切に願います。