アクシアは今度の2月で設立からちょうど15年になるのですが、形だけは一応ビジョンを掲げてはいたのですが、それがきちんと機能しているとは言い難いものでした。それをこの度、トゥモローゲート株式会社様にご支援をお願いしながら、全面的に刷新しました。
実はわたくし、15年間ビジョンをないがしろにしてきたくせに、元々はビジョンに対しては並々ならぬ想いを抱いて起業した経緯があります。本日はその辺りの経緯も含めて、ビジョンに対する想いについて書いてみたいと思います。
ビジョンについて考えるようになったきっかけ
ビジョンについて私が初めて考えるようになったきっかけは、今を遡ること約20年前の、私がまだ大学3年生だった頃の話です。
当時就職活動中だった私は、サイバーエージェントさんの会社説明会に参加したのですが、そこで当時まだ28歳だった若かりし日の藤田社長と出会い、強烈な衝撃を受けました。
「30歳までには自分の会社を作ってみたい」とぼんやりとした将来イメージを当時の私は持っていたのですが、藤田社長の何に衝撃を受けたかというと、とにかく若かったことです。色々な会社説明会に参加してみても、どこの会社の社長さんも皆さん年配の方ばかり。これだけの若さでここまでの実績を既に作っていた藤田社長に大きな衝撃を受けたのでした。
そこからはサイバーエージェントさんの選考を通過することからは興味がそれてしまい、この人達がどうやってこの若さで会社を作り、実績をあげてきたのかということに完全に興味が奪われてしまいました。面接の中でも「会社の作り方を教えてください」というようなことばかりを質問してしまい、順当に面接は不合格となりました。
選考に無関係な質問にも丁寧にご回答いただけた、当時面接していただいた役員の方には心から感謝しております。本当にありがとうございました。そしてご迷惑おかけいたしました。
それからは藤田社長のブログや書籍を徹底的に読み込みました。ブログや書籍の内容はもちろんのこと、藤田社長がブログを書き始める前に社内に発信していたメールの文章もどこかのサイトに載っていたので全部読みました。
そうした情報を読みあさっていく中で、藤田社長がビジョンに対して強いこだわりのある経営者だということを理解しました。そして藤田社長が強く影響を受けたという「ビジョナリー・カンパニー」という書籍も読みました。この本を読むとビジョンの重要さがよく理解できると思います。
こうして藤田社長の影響を色濃く受けてサイバーエージェントのファンとなった私は、その後もサイバーエージェントさんの情報を追い続けるようになり、サイバー関連会社の某役員の方からは「内部の人間よりもサイバーエージェントに詳しい」と言われたこともあります。w
こうして、将来自分が会社を作る時には「自分もビジョンを重視した会社を作りたい」と考えるようになりました。
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ビジョンに根ざした会社を作るのは簡単ではなかった
その後、2006年2月16日に私は株式会社アクシアを設立することとなり、もちろんビジョンも掲げていました。しかし実際にやってみると、ビジョンに根ざした会社を作るというのは簡単なことではありませんでした。
ビジョンが社員に浸透しない
会社としてビジョンを掲げることはできたとしても、これが中々社員に浸透しないのです。なぜ浸透させることができなかったのかについては色々な要因がありますが、ビジョンは作りさえすれば会社の隅々まで浸透するような便利な代物ではありませんでした。
ビジョンの内容がしっくりこない
当時もビジョンは真剣に考えたものではあったのですが、経営者である私自身がどこか腹落ちできずにいるような状態でした。今にして思い返してみれば、自分たちの価値観を十分に言語化できていなかったのだと思います。今ならわかりますが、「価値観の言語化」は非常に難易度が高く、かつ会社にとっては非常に重要なものとなります。
ビジョンを使いこなせていない
せっかくビジョンを作ったのに、これを会社経営の中で全く活用できていない状態でした。ビジョンは作るだけではほとんど意味がなく、ビジョンを有効活用できてこそ掲げる意味があります。そのためには経営者がビジョンを浸透させて、使いこなすために必要なことを色々やらなければなりませんが、当時の私はこういうことを全く理解できていませんでした。
ビジョンに対するあきらめ
ビジョンに根ざした経営というものが中々できずにいた私は、「うちの会社はビジョンに根ざした経営は無理だ」と、いつしかビジョンに対して諦めてしまうようになっていました。恥ずかしながらこの15年間は、形骸化した無意味なビジョンがあるだけで、ビジョンという基盤がないままにグラグラした状態で経営してきたようなものです。最近は良くも悪くも色々なノウハウが身につき「器用な経営」ができるようになっているので、何か問題が発生したとしても大抵のことは難なく乗り越えられるようになっていたことも「ビジョンがなくてもまあいいや」という気持ちに拍車をかけていたように思います。
ビジョンを考え直すことになったきっかけ
上述の通りビジョンに対して諦めの気持ちを持っていた私が、ビジョンを考え直すきっかけを作ってくれたのが冒頭でご紹介したトゥモローゲートさんでした。
トゥモローゲートの西崎社長とは前からお会いしたことはあったのですが、ビジョンマップの件は全く別ルートで、トゥモローゲート社員の山下さんからTwitterのDMで営業を受けたことがきっかけです。
トゥモローゲートさんのことは元々知ってましたし、このDMをいただいた前の月に西崎社長とお会いしていたので、西崎社長からの連絡を受けてDMしてたのかな?と思いましたが、後で聞いたら違ったようです。
後で西崎社長からお聞きしたところによると、私はトゥモローゲートさんの「営業してはいけないリスト」に入っていたそうで、そのリストは営業するなら西崎社長が直接営業する対象になっているそうです。
でも私としては山下さんがこうしてDMしてきていただけたおかげでビジョンマップ作成の「きっかけ」をいただけていますので、この貴重なきっかけをいただけた山下さんには本当に感謝しております。ちなみにトゥモローゲートさんのミッションは「世の中にきっかけを。」です。まさにアクシアはトゥモローゲートさんからきっかけをいただくことになりました。
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ビジョンマップは欠かすことのできない地図
そしてトゥモローゲートさんにご支援いただきながら半年以上の時間をかけてアクシアのビジョンマップを作ってきました。会社設立してから15年。設立当初はビジョンに対する並々ならぬ想いを抱いていたのに、いつしかビジョンを諦めるようになってしまっていた私ですが、今回は心の底から腹落ちするビジョンを作ることができたと実感しております。
写真のような感じでデスクトップの背景画像にビジョンマップの画像を私は設定しております。よく見ていただくとわかる通り左と右で内容が異なりますが、アクシアのビジョンマップは情報量が多く、2枚構成となっております。
ビジョンマップは会社にとっての地図と同じです。自分たちの存在意義(ミッション)は何で、どこに向かっているのか(ビジョン)、そして自分たちが守るべき価値は何なのか(バリュー)。自分たちの会社は今どこにいて、これからどこに向かっていくのかがわかるものとなっています。まさに地図です。
今までのアクシアはこの地図がない状態でした。アクシアは歩いていく道の途中に危険なものを見つけた時にはそれを回避する能力はおそらく相当に高いですし、進んでいく道を安定してスムーズに進んでいくことには長けています。しかし「なんとなく向こうに行ってみよう」みたいな感じで先に進んでいっているようなふらふらした状態だったと思います。
アクシアにとって大きな転機となった出来事がこの15年間の間にいくつかありました。
- SESから脱却した時
- 残業ゼロになった時
- 情報発信を始めた時
これら3つのどれをとっても、会社にとっては非常に大きな転機となりましたが、今回の「ビジョンマップ作成」は過去の3回の転機と比べても、おそらく一番大きな転機になると強く感じております。
それくらい企業にとってビジョンというものは大切であり、ビジョンが重要であることがわかっていても私の能力不足によりこの15年はビジョンに根ざした経営ができなかったわけです。15年会社経営の経験を積んできた私が、もし今もう一度起業するとすれば、何よりも一番最初にやることはビジョンの作成であり、自分たちの価値観の言語化です。
トゥモローゲートさんの力を借りて、15年経った今、ようやくアクシアも腹落ちするビジョンを掲げることができました。これが今までで一番大きな転機にならないわけがないと確信しております。
従業員への説明、浸透はこれから行いますが、役員間でビジョンマップを有効に活かしていくための作戦会議も長時間かけて行う予定でおりますので、今後のアクシアの経営に存分に活用していきたいと思います。
ブラックな企業について
ブログで書いてほしいテーマを緩募してみたところ、西崎さんに書けと言われた気がしたので本日のブログの最後に少しだけブラックな企業についてご紹介したいと思います。
今回ビジョンマップでお世話になったトゥモローゲートさんは「ブラックな企業」として有名な会社で、主に企業ブランディングを手掛けている企業さんです。
「ブラックな企業」と聞くと、知らない人は「え!?」と思うかもしれませんが、「ブラックな企業」であってブラック企業ではありません。ちなみにアクシアは本当に元ブラック企業です。
初めて西崎社長にお会いした時にこのコーポレートカラーに込めた想いを聞いてみました。赤とか青とか世の中にはたくさんの色がある。それらの色が全部混ざると最後はブラックになる。トゥモローゲートで働く人も、赤い人とか青い人とか様々な個性を持った人たちが混ざりあった真っ黒な会社にしたい。そういう想いから生まれた会社がトゥモローゲートという「ブラックな企業」だということでした。
トゥモローゲートさんが手掛けている企業ブランディングという仕事の本質は「企業づくり」です。アクシアが今回ご支援いただいたビジョンマップ作成に関しても、今回ご説明してきた通り「ビジョン」は企業の根幹にある最も重要なものだと言っても過言ではありません。
見せかけのブランディングではなく、本当の意味で「企業づくり」を行うためのブランディングにご興味のある会社さんは、ぜひ一度相談されてみてはいかがでしょうか?あと西崎社長はYou Tubeにも大変力を入れられていて面白いので、西崎社長のYou Tubeも個人的におすすめです。
ちなみにトゥモローゲートさんとは他にも様々な取り組みでご一緒させていただいております。まだ公開できない情報も多々ありますが、時期が来たらこちらも情報発信していこうと考えております。