いつでも転職できる社員は会社にとってリスクなのか


社員にとってはいつでも転職できるだけのスキルを身に着けておくことは自分にとって重要です。実際に転職するかしないかについては、その時の状況によって変わるため、必ず転職しなければいけないわけではありませんが、いざ転職しようと思った時に転職するだけのスキルがないことは働く人にとっては大きなリスクです。

一方で企業側の視点から見た時に、社員がいつでも転職できる状態はリスクであるという主張を時々見かけることがあります。

この考え方はばかげていると言わざるを得ません。いつでも転職できる社員を抱えることはリスクではありません。 企業にとって(特に解雇規制が厳しい日本企業にとって)本当のリスクは、どこにも転職できない社員を抱えてしまうことです。

戦力になるのはいつでも転職できる社員

なぜどこにも転職できない社員を抱えてしまうことが企業にとってリスクかというと、そういう社員は戦力にならないからです。戦力になるのはいつでも転職できる社員です。

よって企業はいつでも転職できるような社員を採用するべきだし、採用した社員はいつでも転職できるように育成するべきです。言い換えれば企業は市場価値が高い社員を雇用するべきです。当たり前すぎる話ですね。

他社に転職されたら困るからと言って、市場価値が高まるスキルアップの勉強会に難色を示すような変わった経営者も世の中には実際いるようです。私のところにもそのような変な会社に勤務しているエンジニアの方から相談が寄せられることもあります。そんな会社は1秒でも早く辞めた方が良いでしょう。

さて、そういう変な会社の話は置いておくとして、企業にとって戦力になるのがいつでも転職できる社員であるならば、社員としてもいつでも転職できるようにスキルアップすることが望ましいと言えるでしょう。

社員にとってスキルアップして自分の市場価値を高めることは、自分の資産を築くことだと言えます。そうしていつでも転職できるスキルを身に着けた社員は会社にとって大きな戦力となります。これはWin-Winの関係だと言えます。

どこにも転職することのできない恐ろしさ

自分が30代、40代と歳を重ねた時に、どこにも転職できない状況を想像してみてください。その時に自分の勤めている会社が超ブラック企業だったらどうですか?考えただけでも恐ろしいですね。

自分の勤務する会社がブラック企業なのに転職しようとしない人達が世の中にはたくさんいます。彼らはなぜ転職しないのか?ツイッターでアンケートをとって聞いてみました。

ブラック企業を辞めない理由

「転職する自信がない」が50%超えています。「辞めるための気力がない」も合わせると8割以上になります。彼らは自分が勤める会社はブラック企業だと思いながらも転職することができないわけです。

いつでも転職できるようにスキル習得することを怠り、転職する気力すらも失ってしまった状態に陥ってしまうことがいかに恐ろしいことであるかがわかるでしょう。

こうなってしまうと労働者は今いる会社にしがみつくしかなくなってしまいます。今の会社にしがみつくためには、会社から理不尽なことを言われても黙って従わざるを得ないことも多くなるでしょう。これこそまさに社畜です。

最近は脱社畜という言葉が一部で流行っているようですが、「脱社畜=会社を辞めること」みたいな変なことを言う人もいます。しかし上記のような状態を社畜であると考えるのであれば、本当の脱社畜とは、いつでも転職できるようにスキルアップしておくことですね。

スキルアップすることを怠り、何か楽で良い方法ないかな~みたいな思考をしてしまうような人達が、情弱をカモにした変なサロンとかに引っかかってしまうのではないでしょうか。楽で手っ取り早い方法ないかな~みたいな考え方をすると悪い人にカモにされてしまいますので、地道にコツコツ努力しましょう。

習得するなら転職しても通用するスキルを

いつでも転職できるようにしておくことが大切なことはよくわかった。じゃあ早速スキルアップに励もうと思った方。スキルアップする内容は少しだけ立ち止まってよく考えましょう。

一番無意味なスキルアップは、転職したら役に立たないスキルアップです。その会社でしか通用しないスキルは市場価値が低いのであまり頑張る必要はありません。その場をしのげるくらいに頑張れば十分です。

私は学生時代にマクドナルドでバイトしていたことがあるのですが、いくらハンバーガーの作り方を覚えたところで辞めてしまえばそのスキルはほとんど役に立ちません。無意味です。こういうスキルはその場をしのげる程度に頑張れば十分です。より良いハンバーガーの作り方とは?とか考えて突き詰めて考えなくても大丈夫です。

ところがマクドナルドではマネージャーになるとアルバイトでもマネジメント関連の膨大なトレーニング資料にアクセスできるようになります。これはどこに行っても通用する貴重なスキルです。今に至るまでマネジメントに関してあれほど緻密に体系化された資料を他で見たことがありません。

ハンバーガーの作り方には全く興味ありませんでしたが、マネジメントに関しては業務時間外でも夢中で学んでいたことを記憶しています。学生時代に習得できたマネジメントスキルはたかが知れたものだったとは思いますが、あの時の経験は今でも活きています。

ブラック企業の決め台詞 – お前の代わりはいくらでもいる

ブラック企業経営者からよく聞かれる名台詞として「お前の代わりはいくらでもいる」という言葉がありますね。こんなことを言われて気分の良い人はいません。

私の経営する株式会社アクシアもかつて長時間残業のブラック企業でしたが、「お前の代わりはいくらでもいる」みたいなひどい言葉を吐いたことはさすがにありません。ですが彼らがなぜこういう言葉を吐くのか、その心情は理解できます。

ブラック企業経営者がなぜこういう脅し文句を言ってくるのかというと、要するに辞められたら困るのです。辞められたら困る、辞めさせたくないという気持ちがあるから、その気持ちがこういう幼稚な脅し文句となって現れてくるのです。

それにおそらく本当にブラック企業であれば、「お前の代わりはいくらでもいる」が事実であれば有無を言わさずさっさと辞めさせると思います。それをしないということは辞められたら困るのです。

私もアクシアがブラック企業だった頃には、辞めると言い出す社員がいると本当に頭を悩ませていたものです。しかし会社の労働環境が改善してからというもの、辞めていく社員は劇的に少なくなりましたし、ありがたいことにアクシアで働きたいと言って応募してきてくれる人の数が激増して、採用には一切困らなくなりました。

辞める人が少なくて採用にも困らない状況ですので、心に余裕ができました。心に余裕ができたので、辞めると申し出てきた社員がいた場合にも、その社員にとって良い選択なのか?ということを最初に考えられるようになりました。以前のようにまず最初に引き止めることを考えたりはしなくなりました。

一つだけ間違いなく言えることは、他に代わりがいることが本当に事実なのであれば、経営者は無理な引き止めなんてしないということですね。

まとめ

社員がいつでも転職できることが会社にとってリスクであるというのは真実ではありません。社員がいつでも転職できるような状態になっておくことは、会社にとっても社員にとってもプラスになることなのであり、Win-Winの状態です。

堂々と自分の市場価値を高めて、いつでも転職できるように準備しておきましょう。