地震などの災害時に会社がとるべき対応について考えたこと


先日の北海道で発生した地震では、北海道各地で被害が発生しました。アクシアには札幌にもオフィスがありますので、9月6日は電気が通らず完全ストップ、9月7日はオフィスのある地域は電気が復旧しましたが、出勤した社員はごく少数にとどまりました。

幸いにも翌週月曜日の9月10日からは札幌オフィスも通常業務に戻れたのですが、今回の地震発生によって、会社も従業員も考えること、思うところが色々とありました。私は地震発生時に北海道にいたわけではありませんが、札幌の従業員とやり取りする中で感じたこと、考えたことをここに書き留めておきたいと思います。

オフィスは開けるなら開いた方が良い

地震などの災害発生時でも、オフィスは開けるなら開いておいた方が良いと思いました。災害の時くらい出勤させるな!というごもっともなご意見があると思いますが、私がオフィスを開いておいた方が良いと思った理由を以下に書きます。

地震発生初日の9月6日は、北海道全域で電気がストップしていたようで、アクシア札幌オフィスももちろん電気がストップしていました。しかし翌日の7日には、北海道の中でも電気が復旧した地域と復旧していない地域とに分かれました。

アクシア札幌オフィスのある場所は、電気が復旧したエリアでした。この時点で札幌オフィスでは電機が使える状態となりました。

しかし札幌の従業員が住んでいる場所はそれぞれ違うので、電気が復旧しているエリア、まだ復旧していないエリアとに分かれました。

7日に出勤してきた社員の話によると、その時まだ自宅の電気は復旧していない状態だったとのこと。

ここにオフィスは開けるなら開いた方が良いと私が思う理由があります。自宅で電気が復旧していない社員でも、オフィスに来れば電気を使える可能性があるのです。

今回の北海道の地震で、弊社札幌オフィスの従業員から聞かれた声で多かったものに、携帯の充電すらできずに非常に困ってしまったというものがあります。

自宅で携帯の充電をすることが不可能であったとしても、オフィスの電気が通っていれば会社に来ることで充電することができるかもしれないのです。普段使っているスマホが自由に使えない、必要な情報を調べる手段がない、連絡とりたい人と連絡も取り合えないというのは、おそろしく不便だということは想像に難くないでしょう。

もちろん電気が通っているからといって、災害時なのに無理にオフィスを開いて誰かが危険な目に遭っているようでは本末転倒です。安全第一なのは言うまでもないことであり、もしも無理なくオフィスを開けられる状態なのであれば、災害時でもオフィスを開けるメリットはあるというのが私が今回強く思ったことです。

出社可能になった人から出社してもらう

これは事前に明確に取り決めをしておくべきだったなぁと強く感じました。災害時は通常時では考えられない状態に陥るわけで、会社に出勤することなど二の次です。自分や家族の安全を確保することが何よりも優先されるべきであることは言うまでもありません。

そのような状況の中でも社員が会社の状況を気にしてくれるその責任感には頭が下がる思いなのですが、会社からたった一言、「災害時には無理なく出社可能になった人から出社してきてくださいね」と事前に言っておくだけで、どれだけ従業員は安心することができたか。

携帯の充電すら不自由しているその状況で、わずかな電池を消費して「今日は出勤できません」と連絡してきてくれた社員には大変申し訳ない気持ちになりました。

普段会社を休む時には必ず連絡を入れることは社会人として当然のことですが、異常事態に陥っている災害時は例外。状況が落ち着くまでは、出勤できなかったとしても連絡不要で会社を休んでよいルールとしておくべきでした。

ルールなんかなくてもそうするべきだというのは私もその通りだと思うのですが、ルールがあることで安心する人もたくさんいるということです。ルールがないと責任感の強さから何とかして連絡しなければと考える人もたくさんいるわけです。

会社から社員に連絡をすべきではない

社員の安否が気になるのは当然ですが、会社側から従業員に連絡をすべきではありませんでした。理由は、携帯の充電すら不自由している可能性があるからです。

東日本大震災の時の東京は、電気が完全にストップしてしまうような状況ではありませんでした。そのため、携帯の充電ができない可能性について考えが及びませんでした。

北海道での地震発生時に、連絡の取れない社員の安否を確認しなければと思い、緊急連絡先として提出してもらっているある従業員の携帯番号に電話をかけました。

電話は通じて無事であることは確認できたのですが、その時にその従業員が「電気が使えないので車の中で充電しながら話しています」と言っているのを聞いて、こちらから電話をかけるべきではなかったと深く反省しました。

大きな地震でしたので従業員の安否は気になります。気になりますが、よくよく考えたら安否確認は後からでも十分ですし、たとえその時に従業員の状況を確認したところで、その時すぐに会社でできることなど特にないということに気付きました。

会社として従業員の安否確認を第一に行わなければならないという漠然とした義務感のようなものもありましたが、これもよくよく考えれば全く根拠のないものでした。

災害時に会社側から従業員に対して連絡を取ることは、従業員にとっては迷惑でしかなかったのです。(厳密に言うと相手の形態の電気を消費する可能性のある手段は良くないということ)

安否の確認は後からで良いし、社員自らが状況が落ち着いてきたと判断できた時点で連絡なり、出社なりを自分の判断ですれば良いと思います。決して災害のような異常事態の時に、会社が余計なことをするべきではないでしょう。

社員からの連絡を待ち、落ち着くまではそっとしておいてあげることが会社としてできることだと思います。

社員から会社に連絡を取りたいこともある

地震などの災害のような異常事態時には会社から社員に連絡を取るべきではないと書きましたが、逆に社員の方から会社に連絡を取りたいと思うこともあります。

自分の状況が落ち着いたので、オフィスが開いているようであれば出勤したいが会社の状況がどうなっているのか確認したい、というようなケースです。アクシアでも、会社に連絡したかったけど連絡手段がなくて困ったという従業員がいました。

電話をかけることができるのであればそれでも良いですが、災害時には電話は使えないことが多くなります。これは東日本大震災の時も同じでしたよね。

電話が通じなくとも、従業員の方から会社へ連絡することができる、会社の状況を知ることができる手段は整備しておいた方が良いと思われます。

様々な貴重なご意見いただきありがとうございました。

  • 災害用伝言版
  • アナログ電話
  • LINEやSNS
  • 社内グループウェア
  • 衛星電話
  • ポケベル

会社に置いて準備しておくものではなく、各従業員が自宅にいても利用できるものと考えると現実的なものとしては災害用伝言版、LINEやSNS、社内グループウェアあたりになってきますね。

これらの中でどれでも良いので、緊急時の連絡方法として会社でルールを決めておくと良いと思います。

アクシアで検討している緊急時連絡手段

ここから先は会社の状況やポリシーによって選択する手段は変わってくると思いますが、参考までにアクシアで検討を行っている緊急時の連絡手段についてご紹介します。

LINE、Twitter、Facebookなど

連絡手段としては決して悪くはありません。東日本大震災の時も携帯電話や携帯メールがほとんど使えない状況の中で、Twitter等は普通に使えていました。

実はアクシアでも東日本大震災後には緊急連絡手段としてFacebookの利用を行うようにしていました。

ところがこの辺りのSNSを利用する場合に難しいのは、社員の中にはFacebookのアカウントを持っていない、Twitterのアカウントを持っていないというようなケースも普通にあることです。

それよりも難しいのは、アカウントは持っているけど会社の人とはつながりたくないというケースでしょうか。リアルのつながりのある人には見せられない趣味全開の人も中にはいることでしょう。w

別のアカウントを作れば良いという考えもあると思いますが、何かあった時にいつでも見られる状態にしておかないと意味がないんですよね。いざという時にパスワード忘れてログインできませんでは無意味です。

LINEとかだと既読通知機能などもありますので、面倒くさいので会社の人とはLINEで連絡とりたくないという人は結構いるはずです。

このようなSNS系のサービスを緊急時の連絡手段として利用することは、一部の人からは極めて評判が良くなかったために、アクシアではこの方法はやめることにしました。

Slack

アクシアでは社内のコミュニケーション手段としてSlackを使用しています。今はもう社内でメールを使うことは原則ありません。

これをそのままスマホアプリに入れて連絡手段として使用しても良いのですが、実はアクシアでは役員以外はSlackのスマホアプリの使用を禁止しています。理由としては、セキュリティ上の理由と、業務時間外でも業務に関連する情報にアクセスできてしまうことを防止したいからです。

社内の各種業務システムについては、業務時間外になると社外からVPN接続できなくなるような仕組みにしてあるので、在宅勤務の人であってもこのあたりの管理はできているのですが、Slackだと残念ながらそれができません。

そこでスマホアプリ禁止などのルールで運用しているという事情があります。よってSlackのスマホアプリを許可して、緊急時の連絡手段とするかについて今回社内で議論したのですが、Slackの「シングルチャンネルゲスト」という仕組みを使う方法を検討しました。

まず最初にSlackで緊急連絡用のチャンネルを一つ作ります。各社員は普段業務で使用しているアカウント以外にもう一つ、シングルチャンネルゲストでアカウントを作成します。そしてそのシングルチャンネルゲストでアクセスできるのは、緊急連絡用のチャンネルのみにします。

シングルチャンネルゲストでは一つのチャンネルにしかアクセスできないので、これを使ってこちらのアカウントでスマホアプリを利用すれば、スマホから業務関連の情報に一切アクセスできなくなります。

Slackのスマホアプリからアクセスできるチャンネルをアカウントごとに制御できるようになれば一番手っ取り早いのですが・・・。

yammer、チャットワークなど

アクシアでは以前社内のコミュニケーションツールとしてyammerを使っていたのですが、Slackの導入と併せて廃止にしました。yammerとは、社内限定のtwitterのようなイメージです。

yammerを緊急連絡手段で使用するツールとして復活させるか、チャットワークのような通常業務で使用しているSlackとは別のチャットツールを使用するかを社内で検討しています。

会社のドメインを持つメールアドレスのみに限定するのであればyammerが良いでしょう。会社ドメイン以外の人とも連絡手段を確保したいのであればチャットワークのようなシステムとなるでしょう。

まとめ

2011年の3月11日に、東京で東日本大震災を経験しました。その時に色々な教訓を得たはずですが、今回の北海道の地震ではその教訓が十分に活かすことができたのかというと、私自身反省するべきところがたくさんありました。

言い訳になるかもしれませんが、東日本大震災の時は「金曜日の昼間」に発生したということも、今にして思えば色々と気づくことができなかった原因となったのではないかと思います。

東日本大震災では平日の昼間に地震が発生したため、会社の人達とはその時に遠隔で連絡を取り合う必要がなく、その場でどのように行動するのかの意思決定を行うことができました。

また金曜日に地震が発生してからすぐに土日の週末を迎えたため、翌週月曜日は電車が完全には動いていなかったとはいえ、少し状況が落ち着いてから次の勤務の日がやってきました。今回の北海道のように、地震のあったその日にどうすれば良いか、翌日にどう行動すれば良いかを判断する必要はありませんでした。

このあたりのことについて、東日本大震災の2か月後くらいに警告しているブログを見つけました。

東日本大震災 襲われた時間帯や曜日が違っていたら、もっと恐ろしいことに…

当時このようなことに気付いていた人もいながら、我々はその教訓を今回の地震発生時に十分に活かしきれていなかったのかもしれません。

次にまたどこかで地震をはじめとした災害が発生した時に、少しでも今回の教訓が次に活かすことができるようにという思いを込めて、今回のブログを書きました。

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