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日本のIT業界にとってもエンジニアにとってもSESの存在は害悪で、SESなどというものはさっさと消滅させるべきだと私は考えています。そのためにSESを批判する情報発信を行う取り組みも日々行っている次第であります。

ただ、昨日ふとこんなことを思いました。

SESで働く人達は本当にSESを嫌がっているのだろうかと。

SESで働く人達は自社開発の会社で働くことを本当に望んでいるのだろうかと。

もしかしたらSESを害悪だと思っているのは私の勝手な感情であって、たとえ偽装請負で違法行為であったとしても、そこで働いている人達は望んでSESの現場にとどまっているのではないかと。

もしかしたらSESは私が思っているほどにはエンジニアから嫌われていないのではないかと。

 

こんな不安な気持ちがふつふつとわいてきて押しつぶされそうになり、Twitterでアンケートを取って数値化して見える化してみることにしました。そのTwitterのアンケートがこちら。

まだアンケート途中経過ではありますが、想像のはるか上をいく結果に絶句しました。

SESの会社のままが良いと思っている人はわずか1%!

「別にSESの会社のままでも良い」を含めても全体のわずか1割です。そして自社開発の会社に転職したいという人が60%。SESで働く多くのエンジニアは「自社開発の会社で働きたい」と願っていることが数値化されました。

自社開発で働きたいという願望は、他の業界からしたら別に普通すぎることなんですよね。単に「自分の会社で仕事したい」と言っているだけですから。こんなささやかなエンジニアの願いですら叶えることができないのがSESという世界なのです。

そしてもう一つ着目すべき点が「SESって何?」が30%も存在すること。

これは以前からそういう問題があることは認識していたのですが、IT業界で多重下請構造の客先常駐スタイルで働くSESという形態があまりにも多く、それが当たり前となってしまっており、そこで働くエンジニアがSESの存在を問題だと認識していないことが想像以上に多いのです。

以上から、SES問題を解決するための方向性として、

  • 自社開発でエンジニアが働ける会社が増える
  • エンジニアが自社開発の会社を見つけられるようにする
  • SES問題を認識していないエンジニアに向けて情報発信を行う

といったことが考えられます。

どれも簡単なことではありませんし、具体的な即効性のある解決策というものは存在しないのかもしれません。でもすぐに解決が難しいからと言ってそこから目を背けていたのではいつまでたっても良い方向には進みませんね。

SESで働くエンジニアの皆様におかれましては、もしSES問題を認識して、これは良くないことだと思っていただけたのであれば、簡単ではないかもしれませんが自社開発を行っている会社へ転職することを目指していただけたらと思います。

私も私にできることを続けます。SES問題を認識していない人に向けてこれからも情報発信を継続していきます。また簡単ではないかもしれませんが、少しでも多くのSESで働くエンジニアの皆さんが自社開発の会社へ転職できるような流れや仕組みを考えていきたいと思っています。

なぜSESで働くエンジニアは自社開発の会社に転職したいのか

自社開発の会社に転職したいというエンジニアの方から寄せられたコメントから、SESから脱却したい理由をピックアップしてみました。

評価されるのは労働時間で技術が評価されない

SESでは長く働けば働くほど会社の売上が上がります。業務効率化して労働時間が減少したり有給を使ったりすると売上が落ちますので評価されません。怒られます。評価軸が技術や成果ではなく労働時間となってしまいがちです。

技術を習得しても評価されないので、中にはスキルアップへのモチベーションが低下してしまうエンジニアもいます。もちろん全ての人がそうだというわけではありませんが、やる気を失いダラダラと働く方向に流れがちです。

会社都合によってプロジェクト(勤務地)が変わる

SESではプロジェクトがころころ変わることがありますので、その度に勤務地が変わることになります。そうするとせっかく現場の近くに引っ越したとしても、引っ越した直後に遠くの現場に飛ばされるというようなことが起きてしまいます。

SESは転勤がないという話もありますが嘘です。確かに東京のSESでは転勤はほとんどないかもしれません。しかし地方のSES企業では転勤は珍しいことではありません。なぜなら案件が東京などの都市部に集中しているからです。

案件の取りやすさ重視でキャリアパスなど無視される

会社という組織に所属している以上はある程度は組織の都合が入ってしまうことは仕方ありません。しかしSESの場合は案件がころころ変わりますし、顧客都合で突然プロジェクト離脱となることもありますので、そうするとSES企業としてはその時にアサインできるプロジェクトにアサインするしかありません。

SES企業はよく「色々な案件があるので希望にあった好きな案件を選べる」とか言いますが、そんな多彩な案件を用意できる営業力があるなら最初からSESなんてやらないで受託開発やりますよ。実際にはパートナー企業から流れてくる案件メールがたくさんあるだけです。どこのSES企業も同じです。SES企業に意図する案件を取ってくる能力なんてありません。

客先の休みを考慮する必要があるので休みが取りにくい

SESで働いていると、自社と客先の両方の休日を考慮する必要があります。大型連休や年末年始、夏季休暇の時などは自社と客先の休みの日がずれるという現象が発生することがあります。

自社から有給の許可が出たのに客先からNGが出ることもありますし、その逆で客先では休んでいいよと言われたのに自社からNGが出ることもあります。客先では休日なので休んだら、自社では営業日だった場合には欠勤扱いとなってしまうようなこともあります。

良い環境かどうかは常駐先次第で完全に運

プロジェクトが良い環境であるかどうかは完全に運です。SES企業は事前に常駐先の労働環境のチェックなどしていませんし、そんなこと普通はできません。良い現場も確かに存在するでしょうけど、完全に運次第となります。

また客先常駐の現場では「低スペック開発マシン」「長机」「パイプ椅子」の三種の神器が定番となっており、狭いスペースでエンジニアにとっては人権侵害スペックのパソコンで開発を強いられることがよくあります。

重要な仕事は元請けが行うので任される仕事が限定的

システム開発の仕事はざっくり言うと、要件定義、設計、製造(プログラミング)、試験、保守運用という流れとなっていますが、この中でも要件定義あたりや設計の中でも基本設計(外部設計)については元請け企業が担当するケースは比較的多くなります。

末端のSES企業のエンジニアがこのような上流工程に携われるチャンスは限られており、開発の仕事をワンストップで担当したいと思っているエンジニアにとっては、開発の中のごく限られた一部分しか経験できないということになります。

そもそもSES企業の存在意義が見いだせない

SES企業で働く多くのエンジニアが感じてしまうことですが、SESで働いていると会社に対する帰属意識が著しく低下してしまいます。この会社で働く意味がないと多くのエンジニアが感じてしまうのです。

自社の従業員(同僚)と会う機会がほとんどなかったり、自社に戻ることもほとんどなければ自社に戻っても自分の席が用意されていなかったりします。単にマージンを抜かれているだけで、SES企業の存在意義に疑問を感じているエンジニアは多くいます。

自社開発の会社が全部良い会社だというわけではないのは当たり前の話

「別にSESの会社のままでも良い」を選択されたエンジニアの方のご意見で多かったのが、自社開発の会社だからと言って必ずしも良い会社だと言えるわけではないというものが多かったです。

これは当然の話です。自社開発=優良企業ではありません。しかしだからと言ってSESが正当化される理由にもなりません。

自社開発の会社の中にも劣悪な環境の会社は存在するでしょう。自社開発の中には良い会社も悪い会社もあるはずです。しかしこれはどの業界の会社でも良い会社もあれば悪い会社もあることと同じです。

SESの場合は個別の会社が良い悪いという話ではなく、SESという仕組みそのものに問題があるという話なのです。偽装請負という違法行為が必然的に行われる仕組みとなってしまっており、労働環境が悪化しやすく、生産性が低下しやすい環境です。そういう仕組みになっているからです。

仕組みそのものが悪であるSESから脱却し、普通にエンジニアが自社開発できる環境の中から自分にとって良い環境を探すべきだというのが私の考えです。


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