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顧客からの要望は基本的に全て受けなければならないと考えている人はとても多いです。顧客の要望を断ったら契約してもらえないという恐怖から、顧客に逆らえなくなってしまうのです。

気持ちは痛いほどわかります。私も以前は同じ考えでした。顧客の無茶な要求でもきっちり応えていくことで、会社にとってプラスになる、会社の売上につながり従業員の給与アップにつながるのだと。

しかしそういう経営者や管理職の想いと多くの従業員の想いとの間にはギャップがあります。昨日こんな感じのツイートをしたところ多くの賛同の声をいただきました。

顧客の無茶な要求に応えることが従業員にとってどれだけのストレスになっているのかは計り知れません。

顧客から無茶な要求をされたのであれば、それは毅然とした態度でお断りするべきです。顧客が高圧的な態度でプレッシャーをかけてこようとも、契約解除をチラつかせてこようとも、無茶な要求には絶対に応えるべきではありません。

私は今までも何度となく、「顧客の無茶な要求は断らなければならない」ということを言い続けてきていますが、なぜ顧客の無茶な要求を断らなければならないのかを改めて書きたいと思います。

残業を求めてくる顧客はブラック企業である

自分達に残業による対応を強要してくるような顧客(乞客)はブラック企業です。以前このようなブログ記事を書きました。

残業を求めてくる顧客はブラック企業です

この中で下記のようなことを書いています。

  • お客様は神様ではない
  • ブラックな体質は感染していく
  • ブラックな要求は断らないといけない

なぜ無茶な要求を断らないといけないのかと言うと、ブラックな体質は感染していくものだからです。

自分達が感染源となって勝手にブラックなことをやっている場合もありますが、なぜブラックになりたくない人までブラックな働き方に陥っていくのかというと、顧客や上司から無茶な要求をされるからです。

金曜日の夕方になってから、「この対応、月曜日の朝までに必ずお願いね」と顧客や上司から言われてしまうと、その対応を行うためには金曜日の夜遅くまで残業したり、週末に休日出勤して対応しなければならなくなります。

なぜ上司が無茶な要求をしてくるのかというと、さらに上の上司や顧客がその上司に対して無茶な要求をしているからです。その上司が無茶な要求を飲んでしまうと、対応するためには自分の部下にも無茶な要求をしなければならなくなります。

このようにブラックな体質は放っておくと次々と感染していくのです。だからどこかでストップする必要があります。

自分達がブラックな体質に染まりたくないのであれば、ブラックな顧客とは関わらないようにするしかありません。ブラックな顧客と取引しながら自分達をホワイトに保つためには、顧客とバチバチ闘いながら無茶な要求全てを断り続けるしかなく、これはブラック顧客にとっても自分達にとっても大変なストレスとなります。

だからこそ顧客の無茶な要求は断らないといけないのです。プレッシャーに負けて無茶な要求を飲んでしまったら最後、自分達が今度はブラックな体質に染まっていくことになります。

一部の顧客の無茶な要求を受けると他の顧客に迷惑がかかる

一部の顧客の無茶な要求を受けるということは、そのために自社のリソースを投入する必要があるということです。本来投入する必要のないところに時間やお金や人を投入しなければなりません。

ただしリソースは無限ではなく有限ですから、無茶な要求に対応するために投入したリソースは、どこか他のところから補填してくる必要があるということです。「他のところ」というのは他の顧客に本来割くべきだったリソースです。

つまり一部の顧客が理不尽なことを言っている、それに対して一生懸命対応するということは他の顧客に迷惑をかけるということです。一見すると誠実そうにも見えますがそうではありません。

ブラック顧客に余計な時間をかけて、本来優遇すべき優良顧客にあまり時間をかけられなくなるということでもあります。

このことが意味することは企業にとっては大変恐ろしいことです。パレートの法則というものがありまして、企業の8割の売上は2割の優良企業が生み出しています。そして無駄な時間の8割は2割のブラック顧客によって発生します。(ここで言う8割とか2割はイメージをつかむための参考値なので突っ込まないように)

これの意味することは、無茶な要求をしてくるブラック顧客に無駄な時間をいくら費やしていても中々売上にはつながらず、それどころか売上を生み出してくる優良顧客に必要な時間を使うことができずに売上が減少し、最悪の場合は優良顧客が顧客離れしてしまうことにもなりかねないということです。

売上を失うことが怖くて無茶な要求にも応えているはずなのに、もっと大きな目で見てみると実際にはもっと大きな売上を失ってしまっているという恐ろしさ。だからこそブラック顧客をいつまでもかまっている場合ではなく、無茶な要求は毅然とした態度で断らなければなりません。

それによって一時的には目の前の売上を失うこともあるかもしれませんが、長い目で見れば必ずプラスに作用するはずです。

従業員のモチベーションを考えたら顧客の無茶な要求は拒否の一択

顧客の無茶な要求を受けてしまうことによるダメージは直接的な売上だけではありません。何よりも深刻なのは従業員への心理的なダメージです。最悪の場合は離職にもつながりかねません。

顧客の無茶な要求に応えるためには、その無茶な期待に応えるために自社の従業員にも無茶な要求をしなければなりませんから、従業員が残業まみれに陥ってしまったりします。

そうなるともう負のスパイラルです。労働環境の悪化によるモチベーションの低下、生産性の低下が発生し、場合によっては離職まで発生し、効率が極めて悪くなるのでさらに労働時間を増やしていくという悪循環。昔はアクシアもこういうことをやっていたので気持は良くわかります。

従業員のモチベーションを鼓舞していくことは難しくても、従業員のモチベーションを無駄に下げないようには注意しなければなりません。従業員のモチベーションが低下してしまうと、モラルハザードも起こします。

普通だったら考えられない不正が行われるようになっても、モチベーションが下がりきった従業員は全部過酷な労働環境のせいにするようになります。全ての問題を労働環境のせいにするようになるので、何を言っても響かなくなります。正論を言っても無駄になります。

どんな正論を吐いたところで「だったら先にこの労働環境を何とかしろ」と心の中で従業員は思うので、さらに不満が蓄積していくだけです。この辺りの負のスパイラルというものは、実際にこの地獄絵図を体験してきたブラック企業経験者にしか理解し難いかもしれませんね。

顧客の無茶な要求を断った方がメリットが多い

顧客の無茶な要求を断ることによるデメリットがあるとすれば、目先の売上を失う可能性があるということくらいです。それも既に書きましたがもっと長い目で見た時には売上は拡大します。

そもそも顧客の無茶な要求を断ることでどれだけのメリットがあるのかを理解していない人が非常に多い。デメリットの方が大きいと思っている人が多いようです。無茶な要求を飲んでしまうことで従業員にどのような悪影響が出るのかということについて、世間の感覚というものを理解できていない経営者や管理職が多すぎるのではないかと思います。

自分が従業員の立場だったら簡単に理解できていたことが、管理する側の立場になると途端に理解できなくなることは不思議ですよね。でもそういうものです。かつて私もそうでしたからよくわかります。

しかし冒頭で紹介した私のツイートに対する反応を見ていただければ、世間の感覚というものが理解できるのではないかと思います。

https://twitter.com/yanagy17/status/997043393627734016

顧客の無茶な要求を断るだけ。たったそれだけのことで世間の賛同を得ることができる。この採用難の時代に求職者からも賛同され求人応募者も増える。既存の従業員もしっかり守ってもらえているという実感を得て頑張ろうというモチベーションにもつながる。

実現できるようになった今だからこそ簡単に言えることではあるのですが、実際こんなお手軽で簡単な施策はないと思う。売上アップにも採用力強化にも有効な施策ですし、何より理不尽な顧客からの精神的ストレスから解放されます。

ブラックな顧客にお困りの経営者や管理職の方は騙されたと思って一度試されてみてはいかがでしょうか。


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