プログラミング未経験ですが残業の少なくて待遇の良いホワイト企業に就職する方法はありますか?といったご質問をいただくことが最近非常に多くなりました。ご質問はTwitterでいただいたり、最近だと匿名で質問できる「Peing」のようなサービスもあり、こちらの方でもご質問いただく機会が増えてきております。
私の場合は「未経験」といった場合に、特に業務での実務経験は気にしません。業務経験としては未経験でもプライベートでレベルの高いソースコードを趣味で書いている人も世の中にはたくさんいますから。ただ「未経験」に対して業務での実務経験を意図している企業もあると思いますので、この辺は企業によって扱いは違うと思います。
ではプログラミング全くの未経験で残業が少なくて待遇の良いホワイト企業に入れるかどうかについてですが、これは少し考えてみればそんなことは無理だとりかいできるはずなのですが、自分では特段努力もせずにただひたすらに「ホワイト企業に入りたーい!」と叫んでいる方達にとってはそこまで頭が回らないのでしょうね。
本音で話すとこういう人達はブラック企業経営者と同じくらいたちが悪いと私は感じておりましてものすごく不快なのですが、その理由について書いてみたいと思います。
良い条件の会社にはみんなが入りたいと思うから倍率が高くなるという当たり前すぎる事実
ブラック企業と言われるような会社には誰も行きたがりませんから、そんな企業に応募でもしようものなら入れ食い状態でそういう企業には誰でも入ることができてしまいます。
よく他業界で働いてきたプログラミング未経験者がIT業界に転職しようとしてこの手のブラック企業の餌食になっている事例が見受けられますが、こんな形でIT業界に転職しても不幸な結末が待ち構えているだけですから本当に注意してくださいね。
しかし条件の良いホワイト企業となると誰でも簡単に就職できるというわけにはいきません。条件が良い会社にはみんなが入りたいと思いますから、必然的に採用の倍率も非常に高くなることは当たり前のことですね。
この当たり前の事実に本当に気付くことができないのか、それとも自分にとって不都合な真実を見て見ぬふりをしているのかはわかりません。そういう当たり前のことを普通に理解しているのであれば「未経験で全くプログラミングの経験はないけど給料高くて残業の少ない良い会社に入りたい」みたいな傲慢な発言は出てこないと思うんですよね。
何かしらの魅力的な特徴があって人気のある企業となるとたくさんの求職者からの応募がありますし、その中には企業側にとって好条件の良い人材も含まれていますから、今の人材不足の時代であっても好きな人材を選び放題の状態となります。
そういう人材選び放題状態の中でわざわざ条件の悪い人を採用するようなボランティア精神にあふれた会社は世の中に存在しません。良い条件の会社に入りたいのであれば、そういう激しい競争に勝ち抜いていくための努力が必要になってきます。
安い給料でハイスペック人材を求めているブラック企業のことは批判するのになぜそれと同じことをするのか
全くの未経験で特に何の努力もしてないけど条件の良い会社に入りたいと叫んでいるような人達は、一方でブラック企業を痛烈に批判する傾向にあるように思います。
劣悪な労働環境のブラック企業が安い給料でハイスペック人材を求めている事例というものはよく見かけますが、そういう企業は世間から厳しい批判にさらされますよね。そんな企業はどうせ採用できないですし募集するのは自由ですが、私もそれは批判されても致し方ないと思います。
こういうケースでブラック企業が批判されてしまうのは、企業側が自分達のことは棚に上げて求職者に対してのみ異様に高い期待値を示したりするから批判されてしまうわけですよね。良い人材がほしいのなら給料上げろ。労働条件を改善しろ。至極まっとうな主張だと思われます。
会社を良くするための努力は特段何もしていないくせに、良い人材がほしいなんてとんでもないことですよね。こんなブラック企業は批判されてしまっても当然なわけです。
一方で「未経験で何もできないし努力もしてないけど良い待遇の会社に入りたい」と夢見ている人達はどうでしょうか。私の目にはこういう人達は自分のことを棚に上げて求職者には異様に高い期待を示すブラック企業の経営者と全く同じに見えるのですが。
自分のスペックが低いことは棚に上げて、相手にだけ好条件を突きつけようとする考え方や姿勢はブラック企業のそれと全く同じですよね。やっていることはブラック企業と全く同じです。だからこういう人達はたちが悪いなと思ってしまうわけです。
断言しても良いと思いますが、こういう自分勝手なことばかり言って企業側にだけ厳しい条件を要求するような人達が会社経営する立場になったら、間違いなく従業員から搾取しようとするブラック企業経営者になると思いますよ。自分のことは棚に上げて相手にだけ色々と求めようとする考え方や姿勢が全く一緒ですから。
マイクロソフトさんが新卒社員に年収700万円を提示している事例について
マイクロソフトさんが新卒社員に年収700万円を提示しているということで少し前に話題になりました。マイクロソフトさんは給料だけではなくて労働環境なども含めて素晴らしい企業だと思いますし、私も色々と見習いたいと思っております。
マイクロソフトさんが新卒社員に年収700万円を提示していることについては素晴らしいと思いますが、マイクロソフトは別に「未経験で何の努力もしてない普通の人」に対して700万の条件を提示しているわけではないはずです。
この条件で募集しているからには採用される人は相応の努力をしてきていたり、平均と比べて極めて高いスペックを持った人達が採用されていくと思います。間違いなく優秀だろうし相当の努力はしてきている人達のはずです。
マイクロソフトさんのこの給与水準が当たり前で他の大多数の会社の給料が低すぎると批判する人達もいますが、どちらにせよ能力のない人は年収700万円で新卒採用されることなんかありませんから。
新卒で年収700万円で採用してもらいたいのであればそれなりの努力をしてきてくださいねという話です。「未経験で何もできないし努力もしてないけど良い待遇の会社に入りたい」と夢見ている人達には一生無理ですよね。
結局のところ、良い条件の会社に入りたいと思うのであれば、その良い条件に見合うだけの「良い人材」になるしかないのではないですよね。自分のことは棚にあげて相手にだけ高い要求をしようと思っても無理な話です。
良い条件のホワイト企業に入りたいという人は何か小手先のテクニックを考えるのではなく、そういう企業に選んでもらえるようにスキルアップの努力をするというのが王道で近道ですね。