人口減少に伴う労働人口の減少もあって、現在はバブル期並みの採用難の時代と言われていますね。求人倍率がバブル期並となっているようで、様々な企業で採用には四苦八苦しているようです。
この図を見ての通り、これから数千万人規模で労働人口の減少は進んでいくと予想されています。人口の多い団塊ジュニア世代がもうすぐ出産適齢期を過ぎてしまうので、多少出生率が改善したところで人口増加は絶望的な状況です。
求人倍率に関してもご覧の通りとんでもない状況になっています。特に中小企業にとっては悲惨な倍率になっていますね。この状況ではどこの企業でも「人が取れない」と嘆いているのは無理もないかもしれませんね。
採用するために求職者に選んでもらう方法
労働人口が減少しようが求人倍率が厳しかろうが、企業が事業を継続していくためには何とかして必要な人材を採用するしか方法はありません。採用できるように、求職者から自社を選んでもらえるように何かしらの施策を打たなければなりません。
では求職者に選んでもらうために企業は何をすれば良いのか?については今までも何度もブログに書いております。
もうこんなことは世の中の流れ的にもわかりきっていることなのではありますが、労働環境を改善することが採用力強化のために有効な施策となります。上記のブログ記事でも詳しく書いておりますが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査レポートから以下いくつかグラフを引用させていただきます。
この図の通り、2017年度は初めて「給料が増える」ことよりも「残業がない・休日が増える」の方が、労働者が会社に望むこととして上回りました。このことは今までだったら優秀な人材を採用するための戦略としては「給与水準を上げる」ことが重要な施策であったが、これからは「労働環境を改善する」ことの方が重要な施策となったということを意味します。
この図を見ても、給料が増えなくても残業が少ない方が良いという人が増加してきており、今後もその増加傾向は続きそうな状況と言えます。
もちろん依然として給料が増えることを望む人は多く存在しますので、給与水準を改善していくことも引き続き有効な施策とはなるわけですので企業は待遇を改善していけるように企業努力するべきです。
しかし残業が多い、休日出勤が多いというような劣悪な労働環境が理由で企業が求職者から選ばれなくなってしまうリスクは今後ますます強くなっていくことは間違いありません。企業が求職者から選択してもらうためには、労働環境の改善は必須のテーマになったと言えます。
ちなみに「どうせ給料が上がらないと諦めて残業が少ない・休日が多いを選ぶ人が増えただけではないのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この調査の対象となっているのは新卒の人達ですので、どうせ給料が上がらないとすねる前の人達への調査結果となっております。
労働環境を改善したり給与水準を引き上げたりといった施策は、採用力強化のための根本的な施策と言えますが、労働者のご機嫌を取るような表面的な小手先のテクニックをいくら駆使したところで、それは求職者を欺いているにすぎず、まともな人材を採用できるわけがありません。
「うちの会社に入ったら美味しいご飯が食べられます」などと意味不明な施策で求職者にアピールしているSES企業は恥ずかしいと思ってくださいね。w
労働環境を改善したら実際に求職者が次々と応募してくるようになった
アクシアでは労働環境を改善することによって、この採用難の時代でも求職者の方から勝手に次々と応募してきていただけるようになりました。特にどこかの求人媒体に掲載しなくとも、会社のウェブサイト経由で日々多くの方達からのご応募をおかげさまでいただけております。
エンジニア経験10年、20年のベテランからのご応募も多数いただきますし、学生からは新卒採用の問い合わせやアルバイト採用の応募もたくさんいただいています。昔エンジニアをしていてエンジニアとしての経験は豊富なのに出産してからは残業の多いこの業界で復帰することは無理だと諦めていた主婦の方からのご応募もたくさんあります。高いプログラミング能力を持っているけどプライベートで自分で運営したいサービス(副業)があるので週3日だけ働きたいというような人も採用しております。
ほぼ毎日のように求人応募者からのお問い合わせを会社ウェブサイト経由でいただいており、今月は1日1件以上のペースでご応募をいただいております。以前は自社サイト経由の応募なんて1年に1件くらいしか発生しておらず、ほとんど何かの間違いで応募してきてしまったレベルだったので、その頃と比べるととんでもなく応募数が増加しています。
応募の数が増えただけではなく、応募者のほとんどの方が私のブログ、Twitter、書籍等を読んできていただけるので、アクシアのことをかなり深いレベルでご理解いただけた状態でご応募いただけることが多いので、面接の時の話も非常にスムーズです。内定を出した場合の内定辞退はほぼ無いですね。
もちろん積極的に情報発信するようになったことも応募者数の増加に非常に大きく影響しているわけですが、その情報発信についても労働環境の改善という根本的な対策があってこそです。バブル期並みの採用難であっても、しっかりと労働環境の改善を行えば採用に困るようなことは全くありません。
逆の見方をすれば、採用に苦しんでいる企業はまだまだ労働環境の改善が不足していると言って良いでしょう。
自社ウェブサイト経由で求職者からが次々と応募をしてもらえるメリット
求人媒体に掲載しなくても求職者の方から勝手に次々と応募してきてもらえるメリットは非常に大きなものがあります。
まずわかりやすいところでは求人媒体に掲載するコストが全くかからないところですね。求人掲載コストがかからないという直接的なメリット以外にも、求人掲載コストが発生しないと納得のいく人材を採用できるまで腰を据えて採用選考を続けられるという点は大きなメリットです。
普通の企業は人材が不足しているから求人媒体にお金を払って求人を出します。そうすると掲載料金が発生しますから、どうしても払った料金分の成果を出そうという意識が働きます。その場合だとたとえ完全に納得できる人材に出会えなかったとしても、多少妥協してでも採用してしまうということが起こりうるということです。弊社も過去このような失敗をしたことがあります。
一方でアクシアの場合はほとんどの場合、今すぐに人材が必ず必要というわけではなくても自社の会社ウェブサイトに求人を出し続けて日々応募をいただくことができます。納得のいく人材と出会えなければ今は絶対に採用しません。採用に妥協する必要が全くなくなりました。
逆に素晴らしいエンジニアの方と出会えた時には多少無理してでも採用するスタンスでいます。すごいエンジニアの方とは出会おうと思っていつでも出会えるわけではありませんからね。チャンスに巡り合わせた時に採用するべきだと考えています。
応募者数が今も増えていっているような状況なので、そうすると今度は採用の水準を高めることができるようになります。アクシアでは先日未経験者の方の募集をいったん打ち切りました。そのことで何人かの方からちょっと待ってくれと一部ご批判もいただきましたが、我々も採用に無限に時間をかけるわけにはいきませんのでご理解いただければ幸いです。
コスト削減で他にお金を回しやすくなる
自社ウェブサイト経由で多数の求人応募者となることで、採用コストの削減につながります。また労働環境改善によって離職率が飛躍的に下がりますから、離職率が下がると教育コストの削減につながります。
応募者増加 → 採用コスト削減
離職率低下 → 教育コスト削減
コストを削減するとそのお金を別のところに回せるようになります。アクシアでは先日、社内の生産性を高めることが主なミッションとするエンジニアを採用しました。
社内システムの開発や開発環境の改善によってさらにアクシアのエンジニアの生産性を高めていってもらうことがミッションなのですが、もちろんこれまでもそのような活動はしてきたのですが、採用コストや教育コストを削減できて利益率が向上したことにより、このような将来への投資によりいっそう力を入れていくことができるようになりました。
この採用によってさらにアクシアの生産性は改善していく見込みですので、生産性向上によってさらに収益を良くして、今後は会社の給与水準を上げていきたいと考えています。アクシアの給与水準は業界の平均程度となっており、残業ゼロなのでそれはまだ良いのですが、アクシアより高い給料を払える会社は他にいくらでもあります。
今後はどんどん会社の生産性を向上させて、残業ゼロであるだけではなく、高い給与を払える会社を目指していきたいです。高い給料を払える会社を目指す理由は別に私が聖人君子だからではありません。さらに優秀な人材を採用しやすくするための単純な戦略です。
給与水準を改善してさらに採用力を強化できた際には「この人材不足の時代でも待遇を改善すると求人応募者が勝手に押し寄せてきてくれる件」というブログ記事を書こうと思います。w
確かに労働人口が減少していく中で今が採用難の時代であることは間違いありません。しかし絶対的な労働人口が減少したとしても、採用活動も企業間での競争ですから採用活動がどれだけの難易度であるかは、他社との採用競争においての相対的なものでしかありません。
採用難の時代であってもアクシアのように採用に困らない会社も存在します。労働環境を改善することは間違いなく企業の採用力強化につながります。労働環境改善は働き方改革が叫ばれる今の時代ニーズにもマッチするテーマでもありますので、採用に苦しんでいる企業は真正面からこの大きなテーマに取り組んでみてはいかがでしょうか。
労働環境改善は大変かもしれませんが実現できた時のメリットは計り知れないですよ。私もこれから従業員の給与水準改善という大きなテーマに真正面から逃げずにチャレンジしていこうと思います。