日本の労働環境については海外の人からよくバカにされることがありますね。私が知らないだけかもしれませんが日本があまり褒められることは少ないような気がしています。日本人はどうして死ぬまで働くのかとか、日本の労働生産性は低いだとか、日本の残業は多すぎるとか、日本の給料は安すぎるとか、色々なことを言われます。
良くするためにもっとこうした方がいいんじゃないの?という話であれば大いに歓迎なのですが、単にバカにされてるだけだと日本で頑張っている身としては非常に悔しい思いをすることもあります。
こんな中でもたまに前向きに応援してくれる人がいると非常に嬉しくなります。
さて、批判されることの多い日本の労働環境ですが、「休日数」についてもその一つです。海外ではこんなにたくさん休日がある、日本の有給消化率はこんなに低くてかわいそうといった感じで指摘されることがあります。
日本の有休取得率が低いことは有名
日本の有休取得率が海外と比べて低いことはかなり有名な話ですね。年によってとか、あるいは統計の取り方によって多少上下することはあるようですが、日本の有休取得率はおおよそ50%といったところのようです。
ブラジル、フランス、スペインなどは支給される有給数が30日と、日本よりも大幅に多いにも関わらずこの図によると有休取得率は100%です。正式な情報を見つけられなかったのでリンクは載せませんが、ネット上の情報を見ているとフランスでも一部有給を取れていない人もいるという話や、ブラジルでは有給が買い取られることもあるという話もありました。
何がどこまで本当なのかはわかりませんが、もしかすると日本のサービス残業のように見えない部分の闇が存在している可能性はあります。ですがたとえ100%でなかったとしてそれが90%とかであったとしても、有休取得率に関しては日本よりも相当進んでいると考えられます。
しかしながら、有給だけが休日ではありません。有給以外にも土日や祝日という休日が存在します。次は祝日について見てみます。
実は日本は世界でもトップクラスで祝日の数が多い国
有給だけではなくて祝日なども含めたトータルの休日数で比較しないと意味がありませんよね。そこで有給消化率と祝日の国際比較を調べて書こうと思ったのですが、検索してみたら既にそれについて書かれたサイトがたくさんあったので引用させてもらうことにしました。ざっと見た中で比較的情報が新しかったサイトです。↓
こちらのサイトによると日本の年間祝日数は17日で世界トップです。15日となっているサイトが多かったのですが、情報が古かったので最近増えた祝日(山の日など)が反映されていないのかもしれません。
そして日本の有休取得率を50%として計算した、祝日数と有給取得数の合計は日本は27日となっています。フランス、スペイン、ブラジルあたりは休日数がずば抜けて高い感じですが、トータルの休日数で見た時に日本は他国と比較してそんなに悪くないポジションにランキングしているのではないでしょうか。
日本は確かに有休取得率が50%と低くなっていますが、それを踏まえてもトータルの休日数はアメリカなどよりも多いのですね。
日本は有休取得率は低いが年間休日数はそんなに少なくない
以上のデータから見ても、日本は確かに有休取得率については低い状態となっていますが、年間のトータル休日数で見た時には世界的に見てもそんなに休みが少ないとは言えないようです。有給消化率という一部のデータだけ切り取ってそこだけ突っついて批判するというのはちょっと違う気がします。
また上記で引用させていただいたサイトには夏季休暇や年末年始休暇については考慮されていないようですね。日本では通常の休日や有給以外に、夏季休暇と年末年始休暇が別途付与される会社がほ通常だと思います。日本ではそれが当たり前ですが、海外ではクリスマスや元旦は祝日扱いですがその他は有給を消化して休むのが通常のようです。
そうすると実質的な日本のトータル休日数はもっと増えるということになりますね。夏期休暇と年末年始の休みも加味すると、日本の休日数は世界のトップクラスにかなり近いところにあると言っても良さそうです。
有休取得率100%なら休日数で日本は世界トップクラスになれる
日本の有休取得率が100%になった場合、有給+祝日の数は37日となり、フランス、スペイン、ブラジルなどの世界トップクラスの休日数にほぼ並びます。さらにここに夏季休暇と年末年始休暇を加えると、日本はフランスなどを抜いて世界トップの休日数になれる可能性があります。
日本の有休取得率が低いことだけをクローズアップして日本企業を叩く人もいますけど、日本が有休取得率100%を達成するというのはこれだけ難易度の高いことなんです。祝日が多いために元々のベースとなっている休日数が多いわけですからね。
これは経営者にとっては結構辛い・・・。実際祝日が多い中で年間20日間有給を取ってもらおうとすると、分散して休んだ場合だとほとんど週休3日みたいな感じになってきます。辛いです。本当に辛いです。経営者としては頭が痛いですがそれでも、
日本が世界に誇れるものがあるならそれは素晴らしいこと!
日本のエンジニアの年収が少ないのでシリコンバレーのように1500万、2000万にしろよという話もよくあります。将来的に収入面についてもそういう水準に近づけていければいいなという想いは持っていますが、すみません。。それについては今の私の能力では無理です。今後精進します。
でも有休取得率100%にして年間休日数を世界トップクラスにすることなら今の私の能力でも何とかできそうです。まずはこっちを頑張りたいと思います。
現在のアクシアの有休取得率は70%くらいですが、今期中にこれを100%にすることを一つの目標にして現在取り組んでおります。有給取得を促進するための自社システムも開発中でして、当初予定よりも順調に遅れておりますがもうすぐ完成予定です。
元々祝日が多い中で有休取得率100%は中々大変ですが、それでも毎日終電まで仕事していた状態から残業ゼロに改革したことに比べれば正直楽勝なのではないかと、かなり楽観的に考えております。
残業削減の時もそうでしたが今まで本気になって取り組んでこなかったから実現できなかっただけで、有休取得率100%は本気になって取り組みさえすれば普通に実現可能な目標と考えています。残業削減の時のノウハウと通じるものもありますしね。油断はしませんが達成できる自信はあります。
有休取得率100%の先で目指しているもの
本当は有休取得率100%よりも先に今すぐにでもやりたいことがあります。私が本当にやりたいこととは、「裁量労働制のようなもの」を取り入れたいと考えています。裁量労働制と聞くと「え!?ブラックじゃん!!」と思われますよね。裁量労働制を悪用して残業代を不正に削減している会社はたくさんあります。
でも私がやろうとしていることは、1日の最大労働時間は8時間のまま維持して残業は絶対に発生させない、でも仕事が早く終わった人は8時間働いてなくても早く帰っていいよというものです。つまり労働時間が短縮されることはあっても延長されることはない裁量労働制のようなものです。
プログラマーは裁量労働制の対象職種外ですが、早く帰らせるだけなら労基署も文句は言わないでしょう。
なぜこんなことをやりたいかというと今よりもさらに生産性を高めるためです。偽善とかではないですよ。生産性を高めるための経営戦略です。
今よりも生産性を高めていくためには従業員に意識を高めてもらって生産性を高めるための創意工夫をしてもらう必要があります。そのためには従業員にある程度の裁量を与えることが有効です。
自分で工夫や努力をしてやるべき仕事をきちんと消化していれば定時を待たずに帰ってもいいよと言えば、従業員も頭をフル回転させて仕事を早く進めるための方法を考えるようになるでしょう。本来は裁量労働制のような制度はこういったことを目的として活用されるべきなのに、制度に欠陥があるために残業代削減のメソッドとして悪用されていることは残念なことです。
裁量労働制という制度には欠陥があると思いますが、労働時間が後ろに伸びないようにして残業ゼロとセットにすることで、裁量労働制の欠陥を補い生産性を高めることに主眼を置くことができると考えた次第です。
以上述べたようにやりたいことはさらなる生産性の向上なのですが、今すぐやりたいところですが有給消化ができていない状態で早く帰ってもいいよと言ったところで、「お前それより先にやるべきことがあるだろ」という冷ややかな声が聞こえてきそうです。
どことは言いませんが、残業まみれのくせに”週休3日制”などと世間の人気取りのための制度を取り入れている会社に対して私は冷ややかな視線を送っております。それより先にやることがあるでしょう。
やりたいことを実現していくためには超えなければならない壁がまだまだいくつもあると思いますが、一つ一つクリアしていきたいと思います。
私の電子書籍を読んでいただいた会社の方からもっと詳しく話を聞きたいというお問い合わせをいただきまして、今日はこれから働き方改革の勉強会みたいなものを行うために外出してきます。私自身としても有意義な時間になるのではないかと今から非常に楽しみにしております。