エンジニアがスキルアップするための勉強を業務時間外でもするべきかどうかについて、「教育してエンジニアを育てるのは企業側の責任だ」「エンジニアであればスキルアップのために当然自分で勉強すべきだ」といったような議論を度々見かけます。

この問題についてはどちらが正解というわけでもないかもしれませんし、企業やエンジニアのポリシーによるところも大きいかもしれません。

いずれにしても今後うちの会社の求人に応募してきてくれる方に向けて、企業として、または会社トップとしての私の考えを明確にしておくことはやっておいた方が良いなと思いましたので、この記事に私の考えをまとめてみたいと思います。

プライベートで勉強しなくても何とかなります

仕事をこなしていくという観点から言えばプライベートでの勉強を一切やらなくても何とかなります。たとえ未経験で入社してきた人であってもそれくらいの教育は行っています。

でも最初にこう書いてしまうとTwitterでシェアした時にクソリプがたくさん飛んで来そうなので先に言っておきます。目の前の業務を消化することを考えればプライベートでの勉強はやらなくても何とかなりますが、それにはいくつもの「但し書き」が付きます。

その但し書きについてこの後書いていきますので、クソリプ飛ばしてくる前に必ず最後までお読みいただければ幸いです。

但し書き1:勉強しない人は勉強する人には勝てません

当たり前ですが自分で勉強しない人は自分で勉強する人には勝てません。時間の経過とともにどんどんどんどん差が開いていきます。差が開くのはあっという間です。

最低限の業務をこなすための最低限のスキルについては業務時間で教えますが、その後自分で勉強しないことで成長がストップしてしまったとしても文句を言わないでください。

勉強する人はどんどん成長して先に進んでいきますが決して嫉妬しないでください。

但し書き2:勉強しない人は勉強する人ほど給料は上がりません

自分で勉強しない人は勉強する人のように給料が上がりませんが文句言わないでください。正確には「勉強すること」は評価しませんが、勉強した結果の「スキル」が評価されて給料が上がります。

プライベートで勉強したかどうかなんて野暮なことは一切聞いたりしません。そんなことは聞きませんが一緒に仕事していればプライベートで勉強している人としていない人との差は歴然としますから一目瞭然です。

そしてプライベートで勉強しない人には必要なことは基本的に全て業務時間で教育しなければなりませんから、その間は一切売上が上がらずコストだけがかかります。

教育の部分をコストと呼ぶとまたクソリプが飛んできそうなので投資でもいいですよ。呼び方は何でも構いません。

企業はコストをかけたらその分の回収をしなければなりませんから、この面でも自分で勉強している人と比べると給料は上がりにくくなりますが文句言わないでください。

但し書き3:勉強しない人は勉強する人ほど重要な仕事を任されません

自分で勉強する人はどんどんスキルアップしてそのスピードは勉強しない人とは比較になりませんから、結果的に勉強している人ほど重要な仕事を任されやすくなります。

結果的に普段の業務の中でも自身の成長につながる重要な仕事を多く任されるようになりますので、さらに成長の速度には差がついていきます。

重要な仕事を任されないのは自分のスキルがないせいなので、そのことで文句を言わないでください。

但し書き4:業務時間で習得したスキルは10年後使えなくなるかもしれません

IT業界の技術は日進月歩です。次々に新しい技術が出てきますので、今日覚えた技術がそんなに遠くない未来には陳腐化してしまっていることもあります。

業務をこなすだけのスキルがない人に対しては業務時間中に必要なことは教えます。入社した時に現時点で業務上必要となるプログラミングやデータベースの技術・スキルは教えます。

しかしここで教えた技術は10年後には陳腐化して使えなくなっている可能性だって大いにあります。

そうすると自分で勉強を怠ってきた人は10年後にエンジニアとして使い物にならなくなっている可能性があるかもしれませんが、その時に文句を言わないでください。

プログラマー35歳定年説はウソなのはもうわかっているのですが、35歳でプログラマーとして限界を迎える人についてはこのあたりに答えがあるかもしれません。

自己の勉強を一切せずに新卒の時に新人研修で身につけた技術だけで食いつないできた人は、10年くらいたってその技術が陳腐化した頃に何もできなくなるのかもしれません。

但し書き5:勉強しない人は転職が厳しくなるかもしれません

企業としても自社の利益により貢献してくれる人を採用したいですから、プライベートで勉強しない人に大きな魅力を感じることは少ないでしょう。

もちろん企業として必要があれば業務時間で育成は行うのですが、育成するにもコストと時間がかかりますから、給与設定だってその分を見越した給与設定にする必要があります。

新卒であれば現時点のスキルがゼロでも将来性を見越して採用ということにもなるかもしれませんが、ある程度経験積んできたにも関わらず大した技能を習得していない人にはその先も期待はできません。

勉強でも経験でも何でも良いのですが、それなりの成長をしてきた人にはこれからの時代好きなだけ転職の機会はあるでしょうけど、全然勉強してこなかった人にはこれからの人手不足の時代であっても転職は難関となるでしょう。

これだけの転職売り手市場と言われている中でなぜブラック企業にとどまる人がたくさんいると思いますか?

自分が勉強してこなかったせいで転職の機会に恵まれず、ブラック企業しか行き場がなかったとしても文句言わないでください。

スキルがないならマネジメントで勝負!は迷惑だからやめてねw

よく勉強せずにエンジニアとしてのスキルが未熟な人が、「俺は技術じゃなくてマネジメントで勝負してる」などと豪語する人がこのIT業界の中には少なからずいます。

マネジメント力が高くて本当にマネジメントで勝負している人ならそれでもいいのですが、マネジメントって簡単ではないですからね。

マネジメントはITスキルの勉強すらおろそかにしてしまうような人が安易な気持ちでできるようなあまいものではありません。

自分が技術習得を怠ったまま時間だけが過ぎていくと、立場的には「先輩」という立場になりますので、技術のある後輩を従えて後輩の手柄までまるで自分の手柄のようにしてしまう輩もいますがこれは迷惑です。

スキルではなくマネジメントで勝負!はあっても良いと思いますが、それならそれ相応の覚悟を持ってマネジメントスキルの習得のための努力をしてください。

きっとプログラミング言語一つ覚えるよりもはるかに大変なことですよ。

企業が行う教育と個人が行う勉強

冒頭でも書きましたが、よくエンジニアのスキルアップの責任について、「教育してエンジニアを育てるのは企業側の責任だ」という議論と、「エンジニアであればスキルアップのために当然自分で勉強すべきだ」という議論と両方あります。

私が思うにこれはどっちか一方だけあれば良いという問題ではなくて、両方必要なのだと思います。

企業は企業として、必要であれば業務時間を使って従業員の育成を行わなければなりませんし、スキル習得を全て従業員のプライベートな勉強時間に依存してしまっているようでは企業としては問題でしょう。

一方で個人は個人として、自分でスキルアップのための努力は怠らないようにしないと、自己努力している人とはどんどん差をつけられてしまいます。

企業が教育に力を入れている・いないに関わらず、勉強する人は勝手に勉強するんです。

世の中には競争原理というものがありますから、そうやって自己努力している人達の方が競争を有利に勝ち抜いていくことは当然のことです。

別に勉強するだけが人生のすべてだとは思いませんし、人それぞれ価値観は異なりますが、「プライベートでの勉強をしない」という選択をするのであれば、上で述べた5つの但し書きの内容についても真摯に受け入れるべきです。

自分では一切努力しないのに、自分で努力している人と同じだけの権利を主張するのは筋違いですよ。

勉強は人にやらされるものではない

勉強は人にやらされるものではありません。人にやらされてやる勉強というものは中々思ったような成果が上がらないものです。

私は以前は従業員にプライベートな時間をスキルアップに使え!とかなり口酸っぱく言っていました。私個人の信条としては今でもプライベートな時間を自己のスキルアップに使うのが良いと考えてはいます。

しかし勉強したくない人に無理に勉強を勧めたところでそういう人は絶対に勉強しませんし、言ったところで余計な軋轢を生むだけだと気づいてからは言わないようになりました。

それに残業がない会社だったとしても人それぞれ、育児、介護、趣味など何に時間を使いたいか、または使わなければならないかは人それぞれ事情がありますからね。

だから勉強したいと思っている人だけ勉強すれば良いのではないでしょうか。ただしくどいようですがその場合自分で勉強してスキルアップしている人と同じ権利は主張しないことです。

勉強は人にやらされてするものではなくて、自分で行うものです。

自分で勉強することは投資である

自分で勉強することは「自己投資」です。投資がなければ大きなリターンも期待できません。給料を上げたい、もっと責任ある面白い仕事をやりたいと考えているならある程度の自己投資はした方がいいですよ。

また企業としても投資をしてリターンをねらっていくわけですが、できるだけ大きなリターンを得られるところをねらって投資していきますよね。

コストと時間を割いて従業員を育成するというのは企業にとっては投資になります。投資である以上は効果の高いところに投資するのが筋です。

つまり企業が従業員に業務時間を使って勉強させるとしても、勉強をやりたいと思っている人、プライベートでも勉強するような人に投資するのが一番です。

だから私は勉強意欲のない人には1分も業務時間での勉強時間は与えません。勉強意欲のある人に集中して投資した方が成果が期待できますからね。

人それぞれ考え方も優先度も違って当然ですが、「プライベートで勉強することは損」という考え方をしている人がもしいるのであれば、「自分で勉強することは投資である」というふうに考え方を少し変えてみると良いかもしれませんね。

 

今日はこれから札幌に行って面接をしてきます。最近は求職者の方が私のTwitterやブログを読んでくださっていることも多く、以前より話がスムーズに進むことも多くなりました。

「残業ゼロはウソじゃないです」ということを一から説明する必要も少しだけ少なくなりました。w