ブラック企業の経営者は人間のクズなのか


ブラック企業という言葉も世の中にすっかり定着し、少し前とは比べ物にならないくらいにブラック企業に対する風当たりは強くなりました。ブラック企業経営者は「人間のクズ」として叩かれることも多いと思います。今朝のニュース記事にこんな記事がありました。

賃金不払い、再三の勧告に応じず… 沖縄の老舗事務用品店「安木屋」社長と店長送検

割増賃金の不払いがあったとして2年以上にもわたって行政指導を受けてきたにも関わらずそれに従わなかったというものですね。労働基準監督署の勧告に従わないというのは悪質ですね。送検されるようなことはないと舐めていたのでしょうか。

ブラック企業は叩かれて改善されなければなりませんし、改善できないのであれば世の中から淘汰されていかなければならない存在です。ブラック企業を淘汰するためにもブラック企業で働いている人はきちんとやめましょうというブログも昨日書きました。

いつまでもブラック企業のせいにしている社畜が救われることはない

ブラック企業を擁護するつもりなど全くありませんが、何を隠そう私も元々はブラック企業経営者でした。今でこそホワイト企業アワードという大変名誉ある賞も受賞させていただき、第三者からホワイト企業としても評価いただいています。今は自分の会社が良くなったことを良いことにブログなどで散々偉そうなことを好き勝手に書いていますが、私も元々はブラック企業経営者です。

ブラック企業は擁護しませんが、元ブラック企業経営者としての視点で「ブラック企業の経営者は人間のクズなのか」について書いてみたいと思います。

ブラック企業の経営者も普通の人間

当たり前のことですがブラック企業の経営者も普通の人間です。人間としての弱さもありますし、決して聖人君子などではありません。それなのにどこか経営者には何か一つのミスも許されないような「完璧」を求める人が多いように思います。

ブラック企業は間違ったことを行ってそこで働く従業員を苦しめているわけですので、批判してたたいていかねばなりませんし、ましてや擁護する必要などもありません。しかしあまりにも経営者に対して完璧を求めすぎることに対してはいかがなものかと感じます。

以前私が「クソリプ」という言葉を使ったことに対して、「経営者がそんな言葉を使うな」とか頭の悪いことを言っていた人がいたのですが、その人は一体経営者に対してどんな人間でいてほしいのでしょうか。聖人君子でいてほしいとでも考えているのでしょうか。

別にクソリプという言葉を使ったからと言って誰かが害を受けるわけでもありませんし、私は誰かがこの言葉を使っていたからといってその人に対する印象がプラスになることもマイナスになることもありません。こんなことを一々気にしてくだらないことを言ってくるってどれだけ器が小さいのですか?

何か経営者は特別な人間で完璧でなくてはならないみたいな妄想をしている人が結構多いように思いますが、経営者だからといって会社の中での役割がそういう役割であるというだけで普通の人間ですよ。別に人間として偉くもないし完璧でもありません。間違ったことだってしますし弱いところだってあります。

私も普通の人間ですのでたくさんクソリプもらうと心がたいへん傷ついてひどく落ち込みますのでやめてくださいね。w

経営者も普通の人間なので間違いを犯すこともある

繰り返しになりますがブラック企業を擁護するつもりはありません。擁護するつもりはありませんが、経営者も普通の人間ですので間違ったことをしてしまうことだってあります。大事なことは間違いだとわかったらそれを改めようとする姿勢であって、冒頭で引用した記事にある沖縄の会社にはその改めようとする姿勢が全く無かったことが問題だと思います。

改めればそれでいいのかとかそういうことを言うつもりはありませんが、それでも経営者だって普通の人間ですから間違いもしてしまいますし知らないことだってたくさんあります。私は間違いを犯さないようにするために会社経営に関係する法律の情報等は調べたり弁護士さんに確認したりするよう努めてはいますが、それでも法律家ではありませんし知らないことの方が圧倒的に多いでしょう。

正直なところ会社創業時には36協定なんて聞いたことも無かったですし、付与しなければならない有給の数が法律で定められていることなども知りませんでした。何も知らなかった私は、入社から半年間も有給がないことは大変だろうと考え、入社から1ヶ月ごとに1日有給を付与するようにしていました。でもこれだと年間で12日にしかならず、入社から3年半後には違法状態となってしまいます。そのことを知ってからは従業員に説明をして法令で定められている形で有給付与するように改めました。

偽装請負のことも全く知りませんでした。IT業界では客先常駐の形でシステム開発を行うことは当たり前に行われており、フリーランスで仕事をしていた時にもこの形がこの業界での仕事のやり方の標準だと思い込んでおり、まさか偽装請負という違法状態にあるとは思いもしませんでした。これについては従業員から指摘があり、色々調べてみた結果やはり違法状態であると判断し、1年かかってしまいましたが客先常駐の仕事からは完全撤退しました。

経営者は従業員を雇用する側ですし大きな責任が伴います。知らなかったでは済まされないこともあるとは思いますが、それでもどうしても間違いを犯してしまうこと、ミスをしてしまうこと、無知であるが故にしてしまう過ちも出てきてしまいます。ミスをしてしまった時にその責任を取る必要はあると思いますが、一番大事なことは間違った時には改善していく姿勢を持っていることだと考えています。

ブラック企業経営者の中でも本当の人間のクズは限られているのではないか

Twitterやブログで情報発信をするようになってから知らない人から「一度会ってお話がしたい」というご連絡をいただくことが多くなりました。そういう方はどこかの会社の経営者であることが多いですね。でも私は人見知りなので知らない人から何の目的かもわからないのに「一度会ってお話がしたい」とか言われても華麗にスルーしてしまいます。

それでも私も経営者としての立場上、友人知人含む多くの企業経営者の人達と接する機会があります。中には残業まみれになっている会社だったり、どう考えてもブラックなことをやっている会社もあります。

でも会社がブラックだからと言ってその会社の経営者が必ずしも人間のクズだとは正直私には思えないのです。そのブラック企業で働いている従業員の方からすると「冗談じゃないふざけんなしね」と思われると思いますし、それは当然のことだと思いますしそう思われても仕方がないと思います。

それでも実際に友人知人のブラック企業経営者などと接していると、従業員からできるだけ搾取してやろうというような考えでブラック企業経営をしているわけではなく、本当に心の底から社会貢献したい、従業員にもプラスになるようにしたいと考えているのにブラック企業になってしまっている会社も数多くあるように思うのです。

これは私自身の経験からも言えることです。決して褒められたことではありませんがアクシアはかつてブラック企業でした。毎日終電まで仕事し、毎週休日出勤は当たり前のブラック企業でした。でもその時に私自身が従業員から搾取してやろうとかそういう気持ちで会社経営していたのかというと、そんなことは全くありません。今と全く同じ気持ちで何とかこの状況を良くしたいと思って必死になって働いていました。

ブラック企業経営者は人間のクズというよりは経営者として無能

では一生懸命働いていたのにどうしてかつてアクシアがブラック企業に陥ってしまっていたのかというと、それは私が経営者として無能だったからだと思います。単に能力不足です。営業力だったり、経営や法律に関する知識だったり、あるいはコンプライアンスということに関しての意識の低さだったり。

今にして思えばあまいところばかりですが、決して手を抜いていたり搾取してやろうというような意図があったわけでもありません。だからといって経営者は責任が大きいので何の言い訳にもなりませんが、人間のクズだからブラック企業になってしまうのではなくて、無能だからブラック企業になってしまうのではないかというのが私の考えです。

だからブラック企業で働いている人達は、自分にそれなりの裁量があって会社を変えていけるだけの権限が与えられているのであればその会社を変えていく方向で頑張っても良いとは思いますが、ほとんどの一般従業員の人にはそんな権限はないと思いますので、いつまでも無能な経営者の下で働いていても何も改善されることはありません。

もし自分の会社の経営者に対して「あなたが無能だから会社がこうなっている」と突きつけることができるなら経営者に行動を改めてもらうように促しても良いかもしれません。でも普通そんなことは難しいでしょうから、無能な経営者が経営するブラック企業からはさっさと立ち去ることが労働者としてできることだと思います。そうすることで経営者が深く自らを反省して行動を改めるためのチャンスが生まれますし、そうすればブラック企業から脱却できることだってあるかもしれません。

本当に人間のクズのブラック経営者も存在する

私の経験上では比率は大きくはありませんが、本当に根っこから腐っている人間のクズのブラック企業経営者も確かに存在します。そういう人間のクズは従業員などから利益を搾取することばかり考えています。本当にどうしようもないクズです。

こういう人間のクズ的なブラック企業経営者は、イメージとしてはネズミ講や情報商材屋に近いイメージですね。彼らも人から利益を搾取することばかりを考えていて、頭の中が「金・金・金」となってしまっています。いや別にお金がほしいならそれはそれで構わないのですが、人から利益を「搾取」するというところが、ネズミ講や情報商材を扱うようなクズと本当の意味で人間のクズであるブラック企業経営者はそっくりなんですよね。

客先常駐のSESで人身売買をやっている企業経営者の中にはこういうどうしようもないクズが結構多いと思います。偽装請負という違法行為に手を染めてピンハネを生業としているような人達です。まっとうな考え方をする人であれば人の利益を搾取しようとはならないはずですが、彼らは本当の意味で人間のクズですから何とかして末端のエンジニアから利益を搾取することばかり考えています。

こういう会社からは今すぐにでも逃げ出しましょう。