本当に売り手市場?従業員規模別に見た求人倍率


労働人口が減少していき、これからますます人手不足が深刻化していく時代となりますね。出生率が突然急上昇するようなあり得ない出来事でも起こらない限りは、これはもう避けられない事実です。

今行われている2018年3月卒業となる人達の就職活動でも、学生側の売り手市場ということで連日ニュースになっています。下記の記事によると既に3割くらいの学生が企業から内定をもらっているようです。

残業40時間ありえない 就活生100人調査

経団連加盟企業の面接解禁が6月1日でしたので、これから就職活動が本格的になる人もいると思われます。まあ経団連加盟企業であっても、裏でこっそり内定出したりはしているみたいですが。w

売り手市場と言っても実は大企業は関係ない

毎日ニュースで売り手市場と叫ばれているのでそうなのかなと思っていたのですが、大企業に限って見ると必ずしもそうとも言い切れないようです。

従業員規模別求人倍率

従業員規模別求人倍率

グラフは株式会社リクルートホールディングスのリクルートワークス研究所が公開している資料から引用させてもらいました。

大卒求人倍率調査(2018年卒)

これを見ると従業員数300人未満の企業の求人倍率は6.45倍となっており、去年の4.16倍と比較しても今年はさらに跳ね上がっています。

しかし従業員数5000人以上の企業の求人倍率は0.39倍となっており、去年の0.59倍と比較するとむしろ厳しくなっていますね。それどころか2010年以降の中で2番目に低い水準です。

300人~999人、1000人~4999人の規模でも多少の上下はあるものの、ここ10年ほとんど倍率が変わっていないことがわかります。

大企業志向の学生の方はこのことを理解した上で勘違いしないように注意しましょう。大企業に就職するのは今までずっと競争率高かったし今年も高いです。売り手市場と言われていますけど、現時点ではそれは300人未満の中小企業に限った話のようです。

今年の学生に就職活動を一言で表現してもらったものに「楽勝」とか「順風満帆」というものがあるようですが、大企業に行きたい人はあんまり舐めてると痛い目にあうかもしれません。w

大企業の選考に漏れた人は注意!

そもそも就職先の企業を規模や知名度で判断する価値観が私には全く理解できないし合わないのですが、大企業に就職したくて頑張っている学生はたくさんいることでしょう。

ですが残念なことに全員が大企業に就職できるわけではありません。5000人以上の規模の会社の求人倍率は0.39倍ですから、この規模の企業への就職を希望する学生のうち半分以上は夢半ばで内定獲得競争に敗れるわけです。

既にどこかの企業から内定をもらえていればまだ良いでしょうけど、上記の日経のリンク記事にもあるように、現時点で内定獲得している学生はまだ3割にすぎません。大企業志向の学生で大企業からの選考に残念ながら漏れてしまい、どこからもまだ内定をもらえていない人は就職活動を仕切り直さねばなりません。

その時に採用活動を継続している企業の多くはおそらく中小企業でしょう。上のグラフで求人倍率6.45倍となっている従業員数300人以下の中小企業です。この中には実に様々な企業が混在しており、いわゆるブラック企業と呼ばれる企業も多数存在していると思われます。

しかも中小企業でも労働条件が整備されているホワイト企業では別にたいして採用に苦労しませんから、早々に内定者を確定させて採用活動を終了させている可能性があります。時期が後ろになればなるほどブラック求人の確率は高まってくることが予想されます。

学生側としても時期が後ろになればなるほど焦る気持ちも出てきますよね。就職できなかったらどうしようという恐怖と闘いながら「もう就職できるならどこだっていい」みたいになってしまえばブラック企業の格好の餌食になってしまいます。

ブラック企業が口を大きく開けて待ってますので十分に注意しましょう。

中小企業にも良い企業はあるので決して焦らずに

規模の小さい会社ほどブラック企業の確率が高まるのは事実かもしれませんが、当然ですが規模の小さい会社が全部ブラックであるわけではありません。大企業の選考に漏れてしまった場合でも、焦らず慎重に企業を見極めてもらいたいです。

ブラック企業を絶滅させるためにはブラック企業に人材を供給しないことが一番ですが、焦ってブラック企業に就職してしまっては、そのブラック企業の存続を助けてしまうことになります。

ブラック企業に就職したところで、後でその時の武勇伝を自虐ネタとして友達に自慢するくらいしか良いことは何もありませんから、ブラックかどうかはしっかり判断してください。

もしアクシアと同じシステム開発の業界に進みたい場合は私が以前書いた下記の記事も参考にしてもらえたらと思います。

ブラック企業の見分け方(IT企業編)

従業員数300人未満の企業の求人倍率は6.45倍ですから求人はたくさんあると思います。中にはホワイトな企業の求人もあるはずなので慎重に選びましょう。

大企業だけが全てではない

私自身は大企業に勤めたことがないので、大企業の素晴らしい部分で知らないこともあるかもしれませんが、東芝やシャープのように大企業でも苦境に陥ることはありますし、大企業に就職できれば定年まで安泰という時代ではないことは確かですよね。むしろ一生同じ企業で働き続けるという方が非現実的な時代になってきていると思います。

一生同じ企業に勤めることが当たり前で、年功序列の終身雇用の時代であれば、私も大企業に就職することを考えたかもしれません。でもそんな時代ではなくなってきているということは私が就職活動をしていた2002年の時には既に言われていました。

私の場合は内定を5社からもらい、うち2社が上場企業(うち1社は現在は消滅w)でしたがそれも全部辞退し、内定をもらった5社の中で一番小さな会社に就職しました。そこの会社で働くことが一番早く実務経験を積んで成長できると思ったからです。

まあこういう話をすると大企業志向の人とは価値観が違いすぎて全く会話が噛み合わないので大企業に勤めてる友人とはこういう話はしないようにしてるのですが…。

大企業に入れたとしても会社そのものがなくなっちゃうことだってある時代ですし、私の友人はどうしても大企業に入りたくて大学院まで進んで教授の推薦で大企業に入れたのですが、1年後に配属された事業部ごと売却されて中小企業になってしまい、かける言葉も見つかりませんでした。

こういう時代ですので、一生同じ会社に勤める前提ではないと考えるようにすると、もう少し別の選択肢も出てくるかもしれません。

うちの会社にも上場企業の内定を蹴って、ワークライフバランスを優先してアクシアに就職してくれた社員もいます。そういう選択もあります。

 

就職活動の話題が活発になっているのを見て、自分が就職活動をしていた時のことを思います。私は就職活動の時間をムダな時間を考え、できるだけ早く就職活動を終わらせたいと思っていたのですが、実際に就職活動してみると他大学の色んな学生との出会いがあり、色んな企業の話を聞くことができ、振り返ってみると結構楽しかったなあと思います。

学生は内定出るまで不安かもしれませんが、前向きに就職活動楽しんでください。w