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長時間残業が問題となることが多い昨今ですが、残業が発生してしまう理由には様々な原因があります。よく現場を知らない評論家などが「業務プロセスの改善が必要だ」などと叫んでいるのを見かけることがあります。それはまあそうだし必要なことではあるのですが、いくら業務プロセスを改善したところでそれだけでは残業はなくなりません。

残業が発生する理由に関してエン・ジャパンさんのサイトにこんな調査結果がありました。

「中小企業の残業」実態調査

これによると残業発生の一番の原因となっているものは、「取引先からの要望(納期など)にこたえるため」となっています。

残業原因

残業原因

これを見ても業務プロセスの改善だけでは残業はなくならないと理解できるでしょう。いくら自社内で業務プロセスを改善したところで、顧客から無茶な要求をされてそれを受けてしまえば、いくら業務プロセス改善の努力をしてきたとしても全部無に帰してしまいかねないわけですね。

残業が中々なくならない大きな原因の一つには、顧客の無茶な要望を受けてしまうことがありまして、これをなんとかしていかないと残業問題はどうしようもありません。

お客様は神様ではありません

誰もが知っている「お客様は神様です」というフレーズがありますね。クレーマーが水戸黄門の紋所のように掲げてくるアレです。何もクレーマーに限らずとも、上司や同僚が普通にこのフレーズを使っていることもよくあると思います。

私も会社を創業して間もないころの話なんですが、契約外の顧客の要望もバンバンこなしてくる社員が当時いまして、そのせいで売上の発生しない作業ばかりが増えてどんどん自社のブラック度合いが上がっていくので、契約外の作業を勝手にやるのはやめてくれとその従業員に言ったんですね。それに対してその社員は、

お客様は神様です。お客様の期待に応えることが仕事でしょう?

と一見正論にしか見えない反論をしてきまして、当時の私はそれ以上の反論をすることができませんでした。

そもそも「お客様神様です」という言葉は、三波春夫さんという方が最初に生み出した言葉のようです。

三波春夫-お客様は神様です

この言葉がクレーマーの必須アイテムのようになってしまい、度々問題となるようなこともありますよね。しかし三波春夫さんは世間で一般的に認知されているような意図でこの言葉を言ったわけではないようです。以下、三波春夫さんの公式サイトから。

「お客様は神様です」について

三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。

これによるとお客様は聴衆・オーディエンスの意味でしかないということですね。クレーマーの格好の言い訳になってしまっていることについても真意ではないようです。

だいたい自分で「お客様は神様だぞ」なんていう顧客にろくなやつはいませんよね。お客様は神様ではありませんので、もしそういう認識があるなら今すぐ改めましょう。

ブラックな体質は感染していく

以前永江さんのブログで紹介していただいた時に、永江さんがこんな言葉を書かれています。

ホワイト企業はホワイトな客と取引し
ブラック企業はブラックな客と取引する

日本人の労働生産性を上げるには、新卒の時から鍛えないと無理らしい(実際に残業0にした実例付)

このフレーズすごくいいなと思いまして、私も時々使わせていただいています。w

ホワイト企業はホワイトな客と取引し、ブラック企業はブラックな客と取引するということですが、なぜこういう傾向になるかといいますと、ブラックな体質は周りに感染していくからです。

まるでウィルスです。

ブラック企業から無茶な要求をされてそれを受けてしまうと、今度はその要求に応えるために自社の従業員に無茶な要求をしなければいけなくなりますよね。だからブラックな体質はウィルスのように感染するんです。

感染は「会社から会社へ」だけではありません。「社員から会社へ」にも感染します。会社に社畜がいるとダラダラ働く雰囲気や残業しなければいけない雰囲気が蔓延してきます。そんな人が上司になったりでもしたら大変です。以前Twitterでツイートした内容ですが、こんな意識の人を採用してしまったら大変ですよ。

こんな感じでブラックな体質の人がいると周りに感染しちゃうんですよ。それに対してホワイト企業は顧客からの無茶な要求を決して受けたりしません。そうすると自社の従業員に無茶な要求をしなければならなくなってしまいますからね。結果として取引が継続しないことが多いですから、ホワイト企業はブラック企業とは疎遠になるんです。残る顧客は良質なお客さんばかりです。

これが「ホワイト企業はホワイトな客と取引し、ブラック企業はブラックな客と取引する」メカニズムです。

ブラックな要求は断らないといけない

ここまで書いてきた通りブラックな体質はウィルスのように感染していきますから、一番良くないのは理不尽な要求をそのまま受けてしまうことです。これをしている限りブラック企業の息の根を止めることはできず、ブラック企業が地上を徘徊することになります。

またブラック企業にお勤めの皆さんにおかれましては、ブラック企業の理不尽な要求の前にひれ伏すことなく、ブラック企業を退職することも世の中のためになる立派な行動となりますので、自分の会社がブラックだと感じている方は現状に甘んじることなく行動していただけることを強く望みます。そうするとアクシアのように心から反省して生まれ変わる会社もあるかもしれません。

無茶な期日を要求されたら断りましょう

金曜日の夕方に連絡してきて「月曜日の朝までに対応お願いします」といった要求は無理だと断りましょう。この要求を飲んだ時点で残業や休日出勤が確定してしまいます。ブラック菌が感染してますね。

無茶な予算での対応を要求されたら断りましょう

「いいからさっさとやれよ!お金の問題じゃないだろ」とか言って無償対応を求められたり、無償でなくても理不尽に安い金額で対応を求められたら断りましょう。この要求を飲んだ時点であなたの会社の従業員に本来配分されるべきお金が搾取されてしまうことが確定します。ブラック菌が感染してますね。

顧客の無茶な要求を残業で対応する必要はありません

昨日Twitterでこんな質問がありました。

https://twitter.com/familycar_work/status/864469199095119876

障害対応はともかく、問い合わせ対応に対して残業して対応する必要なんてないのではないですか?

うちの会社では営業時間内でしか保守契約結びませんし、契約前にクライアントにもそのように説明して納得してもらっています。どうしても24時間対応してもらわないと困るというお客さんには、他社と契約してくださいと言います。24時間体制作ろうと思ったらそれなりのコストになると思いますけどね。

大事なことは自社にできる範囲とできない範囲を明確にしてそれをきちんと顧客に説明して納得してもらうことです。それ以上の要求は契約範囲外となりますから無償で受ける必要はありません。

ブラックな要求はきちんと断らないとブラック菌を蔓延させることを助長することになりますからきちんと断りましょう。

残業を求めてくる顧客はなぜブラック企業なのか

普通は他社に対して非常識な要求はできない

人には最低限の礼節やマナーというものがあります。別に丁寧な言葉遣いをしましょうとかそういうことではありません。相手には相手の立場や事情がありますので、それを尊重するという姿勢は信頼関係を築いていく上で非常に大事なことだと思います。

ですので普通の人は他社の人間に対して相手のことを尊重しない非常識な要求はできないものです。残業を要求してくるというのも同じことです。会社には従業員の労務管理を適切に行う責任があります。それなのに他社の従業員の労務管理に踏み込んでくるような要求をしてくるという行為は、私からすれば異常としか言いようがありません。

相談ベースならまだしも、一方的に残業が必要な対応を要求してくるようなことは普通の会社ならやりません。

他社に対して理不尽な要求を行う企業は社員にも同じことをやっている

外部の人に対してよりも、内部の人に対しての方が要求は行いやすいものです。他社の人に対して残業を要求してしまうような会社が、内部の人間である自社の社員にそれ以上の要求をしていることは容易に想像がつくでしょう。

社外の人に残業を強制してくる会社が、自社の社員に残業を強制しないわけがありません。外部に対して理不尽な要求をしてくる会社は、自社の従業員に対してもそれ以上に理不尽な要求を必ずしています。だから、

残業を求めてくる顧客はブラック企業です。

 

ここまで読んでいただいても「そうは言っても顧客の要求には逆らえない」というご意見もあるかと思います。わかります。すごくよくわかります。理想と現実ってありますからね。

だから私は、残業を求めてくる顧客はブラック企業という認識が世の中に広まっていけばいいなと思っています。長時間残業は良くないという認識が世の中に広まることで堂々と企業が従業員に長時間残業を強いることが厳しくなったように、残業を求めてくる顧客はブラック企業という認識が世の中で当たり前になれば、顧客側も取引先に無茶な要求を出しにくい雰囲気になるかもしれませんからね。

#残業を求めてくる顧客はブラック企業

Twitterでこのハッシュタグ広まってほしい。w


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