hiqers様
hiqers様は、主に士業向けのWebマーケティング事業を行っている会社です。
顧客獲得のためのLP制作(LP=ランディングページ。商品購入や問い合わせなど、訪問者のアクションを誘導することに特化したWebページ)、集客、コンバージョン計測などWebマーケティングを支援するサービスとして、マイコンシェルジュ(旧システム)・ヘルプナビ(新システム)を並行稼働しています。
システムを利用してLPを公開すると、LPとLP管理システムが紐づいて問い合わせの進捗管理ができるという仕組みです。2018年に新旧システムともにアクシアへ保守移管、2020年春に新システムの改修を行いました。
今回のインタビューでは、野田様にお話を伺いました。
_____ システム開発にあたっての経緯をお聞かせください。
旧システムは社内エンジニアが一人で開発したシステムです。その方が撤退され、システム保守の担い手が不在の状況でした。
別のシステム会社に新システムの開発を依頼しましたが、システムの品質やその後の保守・問い合わせの対応に不満を抱えていました。そのため、安心して保守がお願いできる会社に依頼したいと思ったことがきっかけです。
_____ 以前はどのような課題を抱えていましたか?
旧システムと新システムでは実現したいことは類似していましたが、設計思想に違いがありました。新システムの方が機能は少なく、老朽化が進んでいる旧システムの方が機能が充実している状態でした。
さらに、新システムはかなり完成度が低く、仕様策定したものの仕様書に記載された機能が実装されていない、納期は守られないなどの問題が多々ありました。このため、これらの問題を解決してもらえる会社を探していました。
_____ アクシアにご発注をご決断いただけた理由をお聞かせ下さい。
大小さまざまな会社に声かけをしましたが、他社の作ったシステムを引き継いで保守・改修をしてくれるシステム会社がとても少なく、あまり歓迎はしてもらえませんでした。また、既存システムの後を引き継ぐというよりは大幅改修や新しく作り替える提案をされ、弊社の求めているものとは違っていました。
システム会社探しに難航していたときに、アクシアさんのSNSで「他社で作った既存システムの保守・改修を喜んでお受けします」というフレーズを見かけて問い合わせをしました。お話を聞いた時点で、他者の引き継ぎを強みにしている会社ならば大丈夫かと判断し、すぐにアクシアさんにお願いすることを決めました。
_____ プロジェクトの進行について、工夫したポイントがあればお聞かせください。
現職以外にもシステム開発の依頼者側のマネジメントの経験があったため、hiqers側ですすめたほうがアクシアさんに負担がかからないであろうポイントを把握していました。そこはできる限りhiqers側で調整を行いました。
アクシアさんに依頼することとhiqers側で行うことの切り分けがスムーズにできたため、提案スケジュール通りに保守移管をすすめることができました。
☆アクシア側の工夫として、ご商談でこれまでの経緯とシステム内容をヒアリングし、お困りの状況であること、少しでも早い保守体制の構築が必要と判断し、早い対応を行うことを重視して取り組んだ。
_____ プロジェクトの進行について、苦労したポイントがあればお聞かせください。
旧システムの開発時は(野田様は)hiqersに在籍していなかったため、旧システムの仕様をすべて理解できていませんでした。そのため、自分の知らない仕様をアクシアさんと同時進行で確認して追いかけるのに苦労しました。
前回、他のシステム会社に新システム開発を依頼した際にも調査を行いましたが、もともとインハウスで開発したため仕様書がなく、仕様をすべて理解することができないまま新システムの開発に取り組みました。結果、仕様がさらに複雑になってしまい、加えてその会社からも仕様書の提供がないままで納品となりました。
そのため、アクシアさんに引き継いだときには2段階で仕様が不明瞭なまま引き継ぐこととなり、何か聞かれても弊社側で確認に時間を要し改めて回答するような状態になってしまいました。新旧それぞれの保守のお問い合わせ対応を実施するには、仕様・運用の違いをアクシアさん側でも正確に把握していただく必要があり、その分析と担当メンバーへの浸透に時間を要することとなりました。
☆その後、2020年度に新システムへの機能追加プロジェクトが発足し、新システムの機能が旧システムの機能を補完する形となった。
_____ 保守移管後の効果についてお聞かせください。
今までは、システム開発におけるプロジェクトマネジメントは依頼者側もマネジメントに苦労するのが必然だと思っていました。
過去に関わったプロジェクトのマネジメントでも、一から十まで伝えなくてはならない、資料を提供しなくてはいけない、仕様書を用意しなければいけない、など依頼者側の負担がとても多いものでした。依頼者側がしっかり準備をしないとコスパの部分で損をする、実装されていないことが起こる業務だということはとても理解していました。
しかし、アクシアさんに保守移管の依頼をしたところ、こちら側が懸念するであろうポイントや不安要素を事前に取り除いていただけ、安心してお願いすることができました。また、アクシアさん側のプロジェクトマネージャーが進行を担当してくださったため、パートナー企業のような、若干インハウスに近いような形でお任せすることができました。弊社には(野田様以外に)開発のマネジメント経験者がいないため、このような背景から信用してプロジェクトをすすめることができました。
過去のプロジェクトでは1回は徹夜をするような問題が発生したのですが、大きなトラブル・アクシデントもなくスムーズに移管が終わったため、「こんなに苦労することなく順調に完了するプロジェクトもあるのだ」と思ったことを覚えています。
_____ システム改修後の効果についてお聞かせください。
もともとLPO(ランディングページ最適化)のために作ったシステムでしたが、システムに運用を合わせていたため、その分効率が悪い状態でした。
2020年度の改修の際、業務フローや業務内容に合わせて設計していただいたため、業務効率がとてもアップしました。体感でいうと20〜30%効率アップしたように感じます。業務効率化によるコストダウンができた実感が大きいです。
旧システムはLPが数十種類ある中で画像をすべてに配り入れなくてはならなかったのですが、画像の共有化をすることでデザイン改修などの効率化ができました。
新システムではクライアント事務所様の広告を複数同時に運用しているのですが、問い合わせ総数と1事務所様あたりの問い合わせ比率を把握する必要があります。改修前は問い合わせ総数を一見管理していたため、どの事務所様に何件問い合わせが来たかの進捗を、目視で把握する必要がありました。
改修後は事務所様毎に管理できるようになったため、広告運用が効率的に行えるようになりました。特に、どの事務所様が何件問い合わせを獲得できているかをタイムリーに把握できるようになったことで、広告コストの最適化がしやすくなりました。
最適化できたことでCPA(顧客獲得単価)を約8,000円から7,000円程度に抑えることができ、約12%のコストダウンに成功しました。
_____ 期待していなかったが、思わぬ効果があったことなどはありますか?
保守移管の効果でお話ししたように、思ったよりも依頼側が苦労せずに楽ができたこと、円滑にプロジェクトが終わったことが挙げられます。3ヶ月間のプロジェクトでしたが、揉めることもなく、事業責任者が出ることもなく終わったことが印象的です。
また、アウトソースの中でhiqersの人材育成や経験値を上げる部分まで協力いただけたことがありがたかったです。運用にあたって必要な前提知識を2〜3回に分けてレクチャーしていただいたり、保守でサポートデスクをやって欲しいとお願いしたところ快く受けていただきました。
_____ 今後もし予算があれば、さらなる改善を行いたいことはありますか?
現在は士業ビジネスの集客管理に特化しており、システムもサービスに特化した仕様になっています。ゆくゆくは、問い合わせ管理システムを汎用性のある仕組みにしていきたいです。
_____ 今後アクシアに改善をしてもらいたい点があればお聞かせ下さい。
品質、納期は守っていただいたので特に問題はありませんでした。しいていうならば、マネジメント同士ではなく各会社のメンバー同士でのコミュニケーションやプロジェクトマネジメントができるようになったほうがリスク回避ができるかもしれないと考えています。
改善してもらいたいとは少し違いますが、今回のシステムは既存システムをもとにしての品質になっているため、今後新しく1からシステムを作るものに関しては事業レベルでの仕様だったり提案をいただけたらと思っています。
_____プロジェクト運用中のアクシア側の不手際や、システム改修プロジェクトが難航している局面でも、「アクシアを信頼しているので、安心して任せています」とおっしゃっていただける場面がありました。
信頼を寄せていただいている理由として、「自社の間違いが発覚した際にうやむやにごまかす会社が多い中で、アクシアは隠さずすぐに自社の間違いであることを認めている姿勢を見て、この会社は信用ができると感じました」と野田様は語ってくださいました。
若手の社員様に仕事を一任して、積極的に成長の機会を設けていらっしゃる様子は、アクシアとしても参考になりました。
2021年9月より、新しいシステム構築の提案もさせていただいています。アクシアはこれからも、hiqers様のパートナーとしてより良い提案ができるよう努めてまいります。