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システム開発の会社と名乗っている会社の中には、実態は単に人を客先に送り込んでいるだけの派遣会社のようなところがたくさんあります。しかも契約形態は派遣契約以外の方法をとる偽装請負を行っている会社が数多く存在します。偽装請負についてはこのブログでも何本も書いてきています。例えばこちら↓

人売りIT派遣企業はそろそろ壊滅させてもいいと思う

偽装請負というものは末端で働くエンジニアの利益を搾取し、リスクを末端のエンジニアばかりに押し付けてしまいますし、これだと中々生産性を上げていくことは厳しいのでさっさと偽装請負なんか壊滅させてしまえばいいというのが私の主張です。そもそも違法ですし。

今回は偽装請負についての詳細説明を行う内容ではなく、偽装請負を行う人達というのは何を考えているのか、どういう人達であるのかについて解説し、システム開発の業界を目指す学生の方達(学生でなくても)が、騙されて気づいた時には「こんなはずじゃなかった」となってしまわないようにするために、必要な心構えを書いてみようと思いました。

ちなみに私が学生時代就職活動していた時には何社もシステム開発会社の説明会に参加させてもらいましたが、これだけ業界で蔓延している偽装請負の問題について教えてくれた会社は一社もありませんでした。

法律の抜け穴を突いてグレーゾーンと呼ぶ人達の存在

偽装請負を行う会社の中には単に偽装請負が違法だと知らずに行っている会社もあります。客先常駐の人月ビジネスというものは何のノウハウもなくても誰でもできてしまうのでこういうことが起きてしまいやすい世界だとも言えます。

こういう無知なために偽装請負に手を染めている経営者は単に無能であるだけなのでまだかわいいものです。そういう人達は自分達が行っているビジネスが違法行為であると認知したらもしかすると足を洗うかもしれませんね。

問題なのは偽装請負を違法行為だと認知しつつも、あれこれ理由を付けながら、もしくは完全に開き直って偽装請負という違法行為に手を染めている人達です。こういう人達は自分達が行っている違法行為のことをグレーゾーンなどという呼び方をすることがあります。本当はグレーなんかではなくて真っ黒なんですけどね。

http://www.jassa.jp/admin/info/upload_image/091015seminar_hakensaki04.pdf

実質ほとんどの客先常駐現場はこれらのパターンに当てはまるわけですけども、「作業の指示はしていない」と苦しい言い訳をしたり、「請負契約でなければいいんだろう」等と詭弁をたれて準委任契約にしたりするわけです。下記の厚生労働省の資料を見ても「請負」に関して準委任契約も含んで説明されてますけどね。

労働者派遣・請負を適正に 行うためのガイド – 厚生労働省

こういう偽装請負を正当化してしまう人達って多分何を言ってもごまかしてこようとするのでイタチごっこになってしまうような気がします。準委任契約のSES契約に対して厳しく取り締まりが行われるときっとまた誰かが別の抜け穴を見つけてきてグレーゾーンと詭弁をたれるでしょう。

実態はどうなっているのかをシンプルに判断するべき

契約の形式がどうなっているのかとか、そんなのいくらでもごまかせてしまうので意味がありません。大事なのは実態がどうなっているかです。

偽装請負とは他社の人間からあれこれ指示をされたり、出勤時間や休みに関しても指示されて労務管理に介入されることが大きな問題です。これによって自社の裁量による労務管理を行うことが実質不可能となってしまい、他社の無責任な指示によって長時間労働などの問題が多発し、健康被害が出ることまで起きてしまいます。

偽装請負で大事なポイントは「指揮命令」がどうなっているかという点ですから、正式な派遣契約ではないのに他社の人間から業務の指示や勤怠管理が行われていれば完全にアウトです。請負契約だろうが準委任契約だろうが関係ありません。他社の人間が指揮命令権を持つためには派遣契約が必要です。

企業が従業員に命令できるということは大きな権力である

本来人間には自分がどのように行動し振る舞うかを自分で決める権利がありますが、従業員と雇用関係にある企業には、従業員に対して業務上の指示を出すことができるようになっています。これはどのように行動するのかを命令するということですから、企業が従業員に命令できるということは非常に大きな権力であるわけです。

だからこそ労働者に対しては労働基準法を始めとした各種法律でガッチリと守られているわけでしょう。従業員に命令することができる等という強大な権力が、労働基準法で制限されている雇用主以外に与えられて良いわけがありません。

例外として他社の人間が命令できるようにするための各種取り決めがされたものには派遣法というものがありますね。大きな権力である労働者に命令する権利を他社に委ねるわけですから、派遣される労働者が守られるようにここでも各種取り決めがされているわけです。

偽装請負やってる人達なんていうのは労働者に対する指揮命令権や労務管理に関して軽く考えている人達ばかりなわけですが、決して軽く考えるべきものではないと思います。顧客の理不尽な要求に対して私は割りとはっきりとNOと言う方ですが、特に自社の従業員の労務管理等に介入してこようとしてきた相手に対しては徹底的に抵抗します。

労働者の方達も他社の人間から直接指示をされるということに関して、もう少し重く受け止めることを強くお勧めします。

雇用してないこと・命令してないことにしようとする人達がいる

偽装請負をしている人達の中には、実質雇用関係にあるのに雇用していないことにしたり、命令しているのに命令していないことにしたりする人達がいます。だから余計に話がややこしくなります。

客先常駐の仕事をしていて偽装請負ではないというのであれば、システム開発プロジェクトの現場に投入されているエンジニアは自社の就業規則にだけ従って、自社の人間からだけ指示されているはずです。しかし実際には客先の就業規則(勤務時間など)に従うことになりますし、他社の人間から当たり前のように業務の指示がありますね。

フリーランスの人と契約するケースも客先常駐のプロジェクトでは多々あることですが、フリーランスと言いつつもその実態は雇用関係と変わりありません。勤務場所や勤務時間に関する指定がありますし、業務内容に関しても当然のことながら客先で指示を受けます。実質的には労働者なのに、労働者の権利だけ剥奪されているようなものです。

こういう人達が存在する限りはどんな法律を作ったとしても、

  • 実質雇用関係にあるのにこようしていないことにする人
  • 実質命令しているのに命令していないことにする人

こういうのはどんどん湧いて出てくるのでしょう。こういうことを平気でする人達ですから、何を聞いても屁理屈をこねくり回して自分達の違法行為を正当化しようとします。前に弊社に問い合わせてきた偽装請負やっている会社にいくつか質問してみた時もこんな感じです。↓

客先常駐(SES)の営業担当の方は必ずお読みください

プログラマーは裁量労働制の対象職種外のはずなのに、この業界に裁量労働制の会社が多いことも同じことが言えると思います。本当はプログラマーなのにプログラマーではないことにして裁量労働制を適用しているのだと思います。うちのエンジニアはプログラマーではなくてシステムエンジニアだとか言って。

まとめ

違法な偽装請負をやっている会社の人達は、偽装請負の実態が存在するのに無いことにしてしまったり、意味の分からない珍理論を持ち出して自分達を正当化したり、挙げ句の果てには自分達が行っていることは正しくて悪いのは法律の方だと論点のすり替えを行うこともあります。

こういう言い訳ばかりしている人達とはいくら話をしても話が噛み合うことは難しいということは覚えておく必要があると思います。

そして先日教えていただいたのですが、エンジニアの人が配属されているシステム開発プロジェクトの現場が「もしかして偽装請負なのでは?」と思った時には、まず労働基準監督署に相談してみること、そして自分がその会社に入る時に見た求人サイトに通告するのが良いそうです。

しっかりとした求人サイトの運営会社であれば、通告が多数あった会社に対しては調査などの適切な対処をしてくれるでしょうから、そうやって違法な偽装請負を行っている会社が求人を出せなくしていくことが有効な手段だということでした。

これについては広まれば有効な手段になりうるなと思いましたので、ぜひ広めていっていただければと思います。


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