残業削減するためには発想の転換が必要です


休日出勤と残業で何とかしますというエンジニアを信じてはいけないという記事がありました。

「休日出勤と残業でなんとかします!」というエンジニアを信用してはいけない理由

この記事で書かれていることは、リスクの管理はしっかり行いましょうねということだと思いますが、リスク管理さえしっかりできていればあふれた作業を残業でカバーすることもアリだと言っているようにも私は感じました。

残業が必ずしも悪だとは私は思いませんが、残業を行うか行わないかという選択も意思決定の一つです。あふれた作業を残業でカバーするという発想は、残業を行うことが前提となっていて、そういう意思決定をしているということです。

残業を前提とした働き方は今の時代にはだんだん合わなくなってきています。これまでとは違って「残業をやらないこと」を前提とした仕事の進め方ができるように発想の転換が必要です。

どんなに効率化しても想定外の仕事がなくなることはない

まず「業務効率化すれば残業はなくなる」と思っている方がいたら、その考え方は完全に間違っていますので今すぐその考えは捨ててください。

業務効率化すれば残業が減るというのはウソ

こちらのブログ記事にも書きましたが、業務効率化をしたところでそれだけでは残業はなくなりません。業務効率化は大切ですが、アクシアでも3年間業務効率化を進めても残業はなくなりませんでした。そもそも業務効率化なんて昔から多くの企業で行ってきていることでしょう。それなのに残業がなくなっていないのが今の現状です。つまり業務効率化だけでは残業はなくなりません。

業務効率化をすれば残業がなくなると思い込んでいる人は、以下のような事実を見逃しているのではないでしょうか。

  • 会社の仕事というものは無限にある
  • 想定外の仕事が無くなることはない

やることが限られていて暇!という会社は一部の既得権益に乗っかった例外的な企業か、倒産を待つだけの会社だけです。普通は一つ仕事を片付ければ次はあれをやらないと、これもやらないとと、次々とやるべきことが湧いて出てくるのが普通です。会社の仕事は無限なのです。

またどんなに業務効率化したところで想定外の仕事というものは必ず発生するものです。人間は生き物ですから病気も怪我もしてスケジュールが崩れることだってありますし、仕事にミスがあって予定していなかった作業が必要になることもあります。顧客からあれやってこれやってと、予定していなかったことを色々と要求されることもあります。

こうした仕事があふれている時に「残業」という麻薬のようなものがあると、ついついそれに手を出してしまいます。一度手を出すとそこから抜け出すためには簡単にはいきません。あたらしくやるべき仕事が出てきたら残業、想定外の仕事が発生したら残業と、何でも残業でカバーとなってしまいかねません。

私から言わせれば仕事を残業で調整することはマネジメントとは言えないと思います。残業でカバーなんて誰だってできます。何も考えずに脳みそチンパンジー並みの思考で安易で楽な発想をするから残業で問題解決しようとするのです。

残業をなくすために必要なことは、あふれた仕事の解決策を残業に求めず、残業以外の解決方法を考えるように発想を転換することです。

残業禁止にしたら真面目にマネジメントするしかなくなった

2012年以前はアクシアでも、何かあればすぐ残業で解決しようとするチンパンジー並みの思考回路でした。自分達ではマネジメントをやっている”つもり”であるだけで、最終的には全て残業で解決しようとしていました。

万能薬のように「何でも残業で解決」しようとしていたので、行われていたマネジメントも適当です。適当にやっていても最後には「何でも残業で解決」となってしまっていたからです。

しかし2012年に残業を禁止してからはそう簡単にいかなくなりました。割り込み作業が発生してももう残業で解決はできません。作業があふれた場合に残業以外でどう対処するべきか、みんな必死に考えて頭を使うようになりました。

それまでは割り込み作業が発生した場合は残業でカバーしていたところが、まずはいつまでならその作業が完了できるのかを正確に見積もる必要が出てきました。そのためには割り込み作業の対応に必要な工数の把握、社内で割当て可能なリソースの把握、社内の他のタスクの優先順位の把握など、今まではどんぶり勘定で何となくやっていればよかったことを、真面目にやらないと対処できなくなりました。

今から考えれば何でも残業でカバーできるというのは楽ですよね。何も考えずに筋肉でできた脳みそで「残業よろしく!」と従業員にふっておけば良かったわけですから。そこに緻密なマネジメントなど一切ありません。

残業ゼロの働き方というものは問題が起きないように色々なことを考えなければなりません。残業を行うことを前提とする選択をしている時点でまともなマネジメントを放棄していると言えます。

残業をなくしていきたいのであれば、「業務効率化→残業削減」の流れではなくて、「残業削減→いかにマネジメントするかを考える」の流れの方が簡単だと思います。まず残業削減することを前提とした上で、それを実現するためにどうやってマネジメントすれば良いかを脳みそちぎれるくらいに考えた方が近道だと思います。発想の転換が必要です。

顧客の追加要望には正しいスケジュールと費用の追加を

顧客から追加要望があった時に追加のスケジュールと追加の費用を要求することは当たり前だと思っていますか?いや当たり前なんですけども、システム開発会社は特にそれができていない会社が多いのではないですか?少なくとも残業まみれの状態に陥っている会社にこの当たり前のことができているとは思えません。

既に述べたように何かあった時に残業で解決するということは、まともなマネジメントが行われていないということでもあり、正確な工数やスケジュールの計算が行われているとは言えません。正確に見積もりを行わずにどんぶり勘定でやっているわけですから、顧客からの追加要望への対応もどんぶり勘定です。「何とか今の予算で対応できそうだな」と思えば無償対応してしまうかもしれませんし、「残業でカバーすれば何とかなるか」という危険な思想を持っている人もいるかもしれませんね。

「残業をやらない」という選択をしていると、スケジュールと費用に関してシビアに判断していかねばなりませんから、どんなに顧客が強硬な姿勢に出てこようとも、できないものはできないとお伝えする必要があります。ここで顧客の強硬な姿勢に屈するようでは「残業をやらない」という意思決定を守り通すことができなくなってしまいます。

残業をやらないと意思決定したのであれば、それを実現するために必要なスケジュールと費用は何があっても顧客に請求してください。それが正当な請求というものです。

残業でカバーすれば今のままのスケジュールで何とかなりそうというチンパンチー並みの意思決定はもうやめましょう。

ブラック顧客は断らないと効率が下がり他の優良顧客にも迷惑をかける

残業が必要になる理由の一つとして、顧客からの急な要求に応えなければならないというものがありますね。お客さんがやってくれと言っているのだから残業してでも要求に応えないといけないだろうというわけです。

これが大きな間違いです。顧客の要求には応えるべきですが、無茶な要求に応える必要はありません。そんなことをやっているから自社までブラックな体質に染まっていってしまうのです。理不尽な要求は聞いてはいけません。

理不尽な要求をしてくる顧客は世の中のために壊滅させなければならない

だいたい無駄な時間の8割は理不尽な要求をしてくるごく一部の顧客の対応のために発生しているものです。こういう理不尽なブラック顧客の要求を受け入れてしまうということは、他の大多数の優良な顧客にも間接的に迷惑をかけるということですし、こういうブラック顧客を受け入れる企業があるといつまでたってもブラック顧客が地上を徘徊し続けることになってしまいます。

理不尽な要求をしてくるブラック顧客を少しずつでも消滅させていくためには、世の中全体でこういうブラック顧客を拒否していく空気を作っていくことも大事なことだと思います。

ブラック企業を作るブラック社員

顧客の要求には何でも応えます!残業上等!という労働者も世の中にはいます。そういう人は大きな視点で見た時には世の中に貢献しているのではなく迷惑をかけているということを自覚するべきです。

こうやって理不尽な顧客の要求を受ける人が存在してしまうと、ブラック企業というものはつけあがるわけですよ。ブラック企業は消滅させていかないといけない存在なのに、こういうブラック社員がいるとブラック企業の血肉になってしまうわけですよ。

無責任なのはもちろんダメですが、責任感が強すぎてそれが間違った方向に向いてしまっていることも問題です。

定期的に出してるやつですが、こういう人がいると会社がブラックに染まっていってしまうので本当に迷惑です。

 

業務効率を上げていくためにも、もう何でもかんでも残業でカバーするという発想はやめて、まずは「残業をやめる」という意思決定をしましょう。いきなり残業ゼロが無理なら「1日残業は1時間までとする」のような意思決定でも良いと思います。ルールを決めたらそれを守るために必要なことを本気で考えましょう。

残業を減らすという意思決定を最初に行うという発想の転換が必要です。