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みなし残業が含まれる給与体系の会社で時短勤務を選択すると給料が激減したという記事がありました。記事の中でアクシアのことも取り上げていただいて恐縮です。

給料が26万円から14万円になった話

みなし残業を導入している会社も時短勤務を導入している会社もまだそれほど多くないからか、この両方の制度がセットになったらこのような結果になるというのは中々気づかれていないような気がします。実際に経験した人だからこその視点ですね。

普通フルタイムの人が時短勤務になって1日の労働時間が8時間から6時間になった場合、単純計算だと給与が6/8になりそうなもんですが、ちょっとでも時短になるとみなし残業として含んでいた手当が全て消滅するので、その分が激減するというわけですね。

みなし残業の制度も時短勤務の制度も単体では意味のある制度だと思います。

みなし残業の制度は全て一律で叩くようなチンパンジーもいますが、悪用する会社がいることが問題なのであって、正しく運用されれば従業員の業務効率化への意識を高め、残業を減らしても収入は減らないというメリットの多い制度だと思います。

時短勤務の制度はこれからの労働人口減少の時代の中では多様な働き方ができる会社にしていくことは必須になっていくと思われます。

しかしこの2つの制度が組み合わされるとこんなにも相性の悪い制度であったとは・・・。この2つの制度の導入のやり方には少し配慮が必要そうです。

時短勤務の人がフルタイムの人よりも地位が下という問題

時短勤務の人はフルタイムの人と比較すると物理的な労働時間が短いわけですから、労働時間に比例して給与が少なることに関しては当たり前のことであり何の問題もありません。たまに時短勤務の人も給料はフルタイムのままにしろなどと過激なことを主張する人もいますが、そんな不公平な制度にするわけがありません。

しかし時短勤務の人がフルタイムの人と比較して、理由なく時間あたりの給与が低くなるようだと問題です。同一労働同一賃金が叫ばれる時代に逆行していると言わざるを得ません。

同じ仕事をしているのに時短勤務の人(あるいは非正規の人)が著しく給与単価が低いということは、すなわち地位が低いということです。まだまだ「正社員が偉い」「アルバイトや契約社員は下」という意識は世間の中で根強いですよね。これは正社員の待遇だけが良くて地位が高いからですね。

フルタイム正社員の地位だけが高いと何が問題かというと、フルタイム正社員以外の選択をすることの敷居が上がってしまうことだと思います。出産、育児、介護などの事情でフルタイム以外の選択をすることを躊躇してしまう。躊躇した結果、出産を諦めるとか、どうせ地位が下がるなら仕事を辞めるという選択をしている人も多いと思います。

同一労働同一賃金が実現されて、フルタイム正社員以外の選択を自由に躊躇なくできるようにするということは、働き方の多様性を実現するということであり、これからの労働人口減少の時代には絶対に必要なことです。

そういう意味でみなし残業の制度と時短勤務の制度がセットになると、時短勤務の人が著しく収入が減ってしまいますから、この2つの制度は相性が悪いと言えます。

残業が多いまま時短勤務を導入する際の問題点

残業まみれであることと時短勤務の相性の悪さについては以前別の記事で書きました。

時短勤務を導入すると社員は幸せになれるのか

残業まみれのまま時短勤務を導入すると、時短以外の従業員へのしわ寄せ問題が必ず発生します。不公平感が生まれ、不平不満も出てきます。

また実際に子育てなどで時短勤務制度を利用する側の人達にとっても後ろめたさを感じている人も多いようです。アクシアには子育て中の主婦の人も多いのですが、実はシステム開発の業界でも子育て中の人には残業を免除してくれる制度のある会社とか、時短勤務のある会社は探せば見つからないということもないそうです。

でも実際に残業まみれの中で他の人が残業している中、自分だけが早く帰るなんてとても考えられない、だからそういう会社への就職は躊躇して諦めてしまったとみんな口を揃えて言います。

残業まみれの会社で、残って残業する人も時短制度で早く帰る人も両社わだかまりを抱えて仕事をしていることも多いようです。残業まみれのまま時短勤務を導入しても成功させることは難しいのではないかと思います。

みなし残業の制度がうまく機能して、従業員の中で業務効率化への意識が高まり、実際に残業が少ない職場を実現できているなら、そこに新たに時短勤務の制度が導入されてもそれほど違和感がないかもしれません。

しかし残業代を削減することだけが目的でみなし残業を導入しているような会社が、残業まみれの状態のまま時短勤務制度を導入したところで新たな不満を生み出すだけで、何一つ問題解決していないという状態になってしまうと思います。

時短勤務を導入するならまずは残業削減から

以上述べてきた通り、残業まみれの状態で時短勤務を導入することは余計な不満を生み出すだけの結果になってしまいかねません。私も一従業員の立場であったら、時短勤務の人が終わらなかった仕事を引き取らなければならず、そのせいで自分が残業まみれになってしまっていたら不満しか出てこないと思います。それが普通です。

時短勤務そのものは必要な制度ですが、みなし残業の制度がある会社が時短勤務を導入するのであれば、以下のステップで進めていくことが必要ではないでしょうか。

残業削減 → みなし残業の幅縮小(または撤廃) → 時短勤務導入

繰り返しますがみなし残業の制度そのものが悪いわけではありません。ただしその目的は業務効率化であり、残業削減による労働環境改善であるべきです。十分な業務効率化が果たされ、継続的に残業ゼロ(とまではいかなくとも残業が少ない状態)が維持できるようになりその制度の役目を終えたならば、みなし残業の制度は徐々に縮小していっても良いと思います。

みなし残業が縮小または撤廃されれば、時短勤務を選択肢た時の給料減少のインパクトも少なくなりますので、時短勤務を選択しやすくなります。

物事には順序というものがあります。残業削減せずに時短勤務導入というのは、日本中が白けてしまっている有給消化せずにプレミアムフライデー(笑)と同じ匂いがしてしまいます。きっと残業まみれの会社で時短勤務を導入したところで、プレミアムフライデー(笑)と同じように白けた空気になってしまうのではないでしょうか。

労働環境の改善しか根本解決はないと思う

企業の人気取りのために時短勤務を導入しようとしても、フルタイムの人と時短勤務の人との間で不公平感を生み出すだけだったり、余計な不満を生み出すだけの結果になってしまうと思います。人気取りのための制度って最初だけ少し注目を浴びたとしても長続きしませんよね。

その企業で働きやすくするために時短勤務を導入するのが本来の趣旨なわけですから、その真逆にある働きにくさの象徴となっている長時間残業の問題を解決し、労働環境を改善するということが抜本的な解決策だと思います。

アクシアでも小手先のテクニックをこねくり回していた時は全くうまくいきませんでした。簡単ではないですけど、労働環境の改善という根っこの問題に正面から取り組んでこそ、時短勤務などの諸々の制度もうまく機能するようになるのだと思います。


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