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最近話題になることが増えた「働き方改革」では、単に労働時間を短くするという単純な話だけではなく、これから本格的にやってくる労働人口減少の時代に備えて、様々な事情やニーズに対応した働き方を考えながら人材を活用していかなければならなくなるという背景があります。

仕事と生活の調和推進のための行動指針(内閣府)

時短勤務についても、そうした働き方改革の中で必要になってくる取り組みになると思われます。

労働者のライフステージに合わせて、子育てや介護といった事情にも対応できるようにしようと考えると、フルタイム前提の働き方しかない環境では働くことができない人は必ず出てきます。

しかしながら、単純に時短勤務を制度として導入するだけでは社員は幸せになれない可能性が高いと思います。

時短勤務を取り入れた場合に何が問題になるのか

時短ではない社員へのしわ寄せ問題

時短勤務に関する意識調査アンケートの結果がありました。

http://wotopi.jp/archives/32803

これによると、半分近くの人が時短勤務されるのは迷惑と答えているようです。

今は何かあるとすぐにブラックブラックと連呼する人も多いので、これを見たら中には「こんな会社はブラックだ!」という人もいるかもしれませんね。でも本当にそうでしょうか。

同じ職場の中に時短の人とそうではない人が混在しているわけですが、例えば時短の人が何かミスをやらかして仕事が遅延してしまったような時に、その尻拭いは誰がやるのか?

当然フルタイムで残業もできる社員が代わりにやるしかないわけです。

困ったときにお互い助け合う精神は素晴らしいと思いますが、普通にこんなの嫌だと考える人がいても仕方のないことではないでしょうか。

しわ寄せを受ける社員にだって、残業しないでプライベートでやりたいことはあるかもしれないのです。自分のせいで残業やるはめになるならまだしも、人の尻拭いでやりたくない残業をやらなければならないのは苦痛と感じてもおかしくはありません。

時短勤務する側の人はどう感じているのか

これについてはアクシアの従業員の中で、子育てしている主婦の人達に以前話をしてもらいました。

なぜアクシアを選んでくれたのか?その答えは当然のごとく「残業がなくて働きやすいと思ったから」となるわけです。他に残業ゼロでエンジニアとして働ける会社を見つけることはできなかったという人も多くいました。

しかし中には、子育て中の人については残業が免除される会社も見かけたという人もいました。ではなぜその会社ではなくアクシアを選んだのか?答えはシンプルでした。

他の人が残業してる中、自分だけ早く帰るなんてできないから。

元々出産前はバリバリのエンジニアだった人はたいていこれと同じことを言ってました。IT業界に残業が多いことを知っているからです。みんな残業しなければならない状況の中で、誰か1人だけ早く帰ると職場に微妙な空気が流れることを知っているからです。

時短勤務してる方も、申し訳ない気持ちで早く帰ってる人は多いと思います。

単純に時短勤務を取り入れてもうまくいかない

時短以外の従業員に一方的に負担がいってしまうような状況だと、「時短勤務は迷惑だ」と思う人も出てきますし、時短勤務する側も心の中で申し訳ない気持ちで早く帰ったりしてます。

社員の幸せのために導入しているはずの制度なのに、かえって余計な軋轢を生んでいるだけで誰も幸せになっていないなんてことにもなりかねません。

そもそも残業まみれの環境の場合は、時短勤務の制度の前にやることがたくさんあるはずです。残業まみれで労働環境が劣悪なのにそれを放置し、社員が喜びそうな時短制度を導入するなど、問題の本質と向き合おうとしない小手先のテクニックだと言わざるを得ません。

社員が幸せになれる時短勤務とは

しわ寄せがくる人への優遇は必要なのでは?

困ったときは助け合う精神は大事だと思います。でも聖人君子でもない限り、いつもいつも人の尻拭いのために自分にしわ寄せがくるのは不満が蓄積して当然だとも思います。

どっちが悪いとか間違ってるとかいう議論は無意味で、しわ寄せを受ける人が実際にいるのであれば、その人達に対して何らかの手当をしなければ不公平感がつのるばかりで、職場の人間関係までぎすぎすしてしまうかもしれません。

時短勤務希望の人に対して待遇の低いアルバイトへの転換を勧めたりするのも、しわ寄せを受ける人達の方が待遇が良くないとやってられないという気持ちの現われではないかと思いますし、一概に責められるべき問題でもないと考えます。

時短勤務の人を不遇にするのは法的な問題もあるかも

弁護士の方が法的な問題を指摘するこんな記事があります。

「残業が無理ならバイトになれ」「時短使うな」復職ママのトラブル、法的問題は?

この記事にあるように、時短使うなというのも制度があるのにこんなこと言うのは理不尽ですし、だったら制度なくしてしまえと思ってしまいます。ライフスタイルを考えると時短の環境が絶対に必要な方達は存在するわけで、その人達が一方的に理不尽な扱いを受けるようなことは断じてあってはならないことです。

しかし上で述べたようにしわ寄せ問題に目をつぶり、しわ寄せを受ける人たちの方が待遇が良くないとやってられないという心情を無視することも不公平感を拭うことができません。

時短制度を利用する人達の権利を守らなければならないのはその通りなのですが、私は子供の頃から権利の裏には必ず義務があると言われて育ってきた人間なので、残業ができずに果たせる義務が減ってしまう以上は、その裏にある権利が一部喪失するのはやむを得ないのではないかと考えてしまう人間です。

一方の権利だけを一方的に擁護すると不幸になる人が出てきてしまうのではないかと思ってしまいますが、法律の専門家が問題があると指摘するのであればそうなのでしょう。法治国家の人間として法律は守らねばなりません。

不公平な制度になってはいけない

時短制度がうまくいかないどころか、フルタイムの人と時短の人の間でお互いに不信感を感じてギスギスしてしまうのも、不公平感のある制度だからだと思います。完璧に公平な制度というのは中々難しいものですが、会社の制度というのは全ての従業員に公平であるということは非常に大切なことです。

時短制度をうまく運用していこうと考えるのであれば、時短制度では上司や周りの人の理解が必要などという感情論に走るのではなく、不公平感をうまない制度設計と組織への周知徹底が必要ではないでしょうか。

しわ寄せ問題を解決せずに誰かの自己犠牲の上に成り立つ制度などうまくいくはずがありません。上司や周りの人の理解(犠牲)が必要などと言って誰かに対して自己犠牲を求める行為は世の中のブラック企業がやっていることと同じですからね。

ブラック企業がサービス残業を要求すれば激しくバッシングするのに、しわ寄せ受ける人には何の手当もせずにサービスでしわ寄せ受けろとでも言うのでしょうか?

時短ゼロは実は残業ゼロと相性がいい

ここまで書いてきて時短制度をうまく運用することはかなり絶望的なようにも思えてきてしまいますが実はそんなことはありません。

アクシアには明確な制度として時短制度というものがあるわけではありませんが、みんなそれぞれ自分のライフスタイルに合わせて仕事しています。

子育て中だから1日5時間勤務の人、家族の夕飯を作りたいから17時で帰宅する人、大学院に通いたくなったのでフルタイムではなくなった人、副業をやるために週3日勤務の人、様々な働き方をしている人がいますが、上で述べたような時短勤務の会社に見られるようなギスギスした雰囲気は全くありません。

その理由は、残業がないからです。残業がないのでフルタイムの人にしわ寄せが発生することがないのです。

誰かがミスして仕事が遅延することがあったとしても、それを誰かの残業(しわ寄せ)でカバーするということがありません。誰かの仕事で遅延した分があったとしても、チームのメンバーの勤務時間の範囲内でカバーできるようにリーダーがマネジメントするようになっています。

だから他の人のミスの尻拭いをしているという感覚にはなりませんし、フルタイム以外の人も何の遠慮もすることもなく安心して働けるのです。

これからますます時短勤務は必要になる

今後人口減少と共に労働人口も減少することはほぼ確定しています。下手すれば2060年には3,000万人近くの労働人口が減少見込みです。

労働力人口、2060年に1170万人減 女性活用でも…

だから女性の活用とか、働き方改革とか、今色々話題になってるわけですね。フルタイム前提だと働くことが難しい人達を、働き方改革によって働けるようにする必要があるわけです。

これができない企業は時代に取り残されて、人材を採用できずに事業が縮小していき倒産していくリスクが高まるわけです。うちは残業減らすのは無理とか言っている場合ではなくなってきます。

労働環境の改善はこれからの時代の有用な経営戦略

残業削減も、それとセットで進めるべき時短勤務の制度も、労働環境を改善してより多くの人が働きやすくすることで人材活用の幅を広げることができます。労働人口が不足する時代に既に突入し始めているわけで、労働環境の改善はこれからの時代の有用な経営戦略になるはずです。

労働環境の改善は決して慈善活動やボランティア活動でやるのではなくて、経営戦略として行われるべきものだと思います。そういう意味で残業削減も時短勤務も同じなんですよ。

残業まみれなのに何となくウケが良さそうという安易な理由で時短勤務を導入している会社は本末転倒だと思います。だから不公平感が増してギスギスしてしまうのではないでしょうか。

小手先のテクニックでごまかすのではなく、真正面から労働環境の改善に取り組み、その一環として時短勤務の制度が導入されてこそ、社員が幸せになれる制度となるのではないでしょうか。


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